見出し画像

語源は『フークピチュ』

季節の移ろいを知る
手がかりとして、
桜前線、紅葉前線と
同じく、
ウグイスの初鳴き前線
というものもあります。

南の国では
2月の終わり頃から、
北国では4月頃まで、
ウグイスの鳴き声は
春とともに
北上していきます。
 
ウグイスは、
冬の間、山から下り、
低地の暖かい場所、
主に公園の森や
河原などで
生活しています。

そして、春になって
日が長くなると、
山奥など元の棲家に
移動して繁殖を
はじめるという
習性があります。

ウグイス 日本の野鳥図鑑より



ウグイスの雄は、
繁殖地に戻る途中に
さえずることが
多いため、春先に、
人家の庭や公園などで、
その鳴き声が頻繁に
聞かれます。


春先のこの時期に
その声をよく聞くことから
別名「春告げ鳥」とも
呼ばれるように
なりました。
 
ところで何故、
ウグイスは春の到来が
判るのでしょうか?

動植物はたいがい
体内時計を持っていて、
ウグイスの場合、
日の出ている時間が
12時間を超えると
脳にスイッチが入り、
春が来たこと、
つまり繁殖の季節が
来たことを察知するのです。

そして春の深まりとともに
山へ帰って、
巣造りをはじめます。
 
その巣作りですが、
ウグイスは一夫多妻制です。

ある調査記録では
一夫六妻というものも
あったとか。

何故、一夫多妻制なのか?
その理由はウグイスは
巣立ち率が低く、
無事に成長するのは
3割にも
満たないためです。

子孫繁栄のため、
出来るだけ多くの
卵を残したい…
メスが強いオスを
求める結果、
一夫多妻制となりました。
 
ウグイスの語源ですが、
そのひとつに、
その鳴き声に由来する
という説があります。

江戸時代より前の人々には、
ウグイスの鳴き声は
現代のような
「ホーホケキョ」ではなく
「フークピチュ」と
鳴いているように聞こえ、
それが
「フクピス」…「フクイス」
「ウグイス」などと
転化して誕生したそうです。


よくウグイスと間違われるのはメジロ 読売新聞より


 
また、春になると
谷の奥から
出てくることから、
「ウク(奥)から
イズ(出ず)」
これが訛って誕生した
という説も有力です。
 
ちなみに「ホーホケキョ」
というさえずりは、
他の鳥が近づいてきた時に
「ここは俺の縄張りだぞ」
という警告。

また、「ケキョケキョ」という
さえずりは、他の鳥が
縄張りに入ってきた時の
威嚇の意味だそうです。

ところで「梅にウグイス」
などと云われますが、
その理由は何故なのか?

ウグイスが活動を始めるのは
2月中旬から3月頃。
その頃に咲いている
花といえば梅の花くらい、
そこでウグイスは
梅の木に群がる虫を
目当てに梅の木に
とまっていることが
多いからだそうです。

いいなと思ったら応援しよう!