わらしべ

キラキラの世界を闊歩し、トレジャーハンターのように美しいものを見つけながら人生という旅をしたい牡牛座。 お気に入りレシピや好きなお店を書いています。

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キラキラの世界を闊歩し、トレジャーハンターのように美しいものを見つけながら人生という旅をしたい牡牛座。 お気に入りレシピや好きなお店を書いています。

最近の記事

【コーヒーゼリー】

休日に父が台所でコーヒーを淹れてくれる。 今は自営なのでほぼ毎日淹れているけれど、現役だった頃は週末だけの特別な時間だった。 手回しのミルで豆をガリガリ挽く音、フィルターを通してぽたぽた落ちていく琥珀色の液体、2階にいてもわかるくらい家中に広がる香ばしい香りも特別に嬉しかったのを覚えている。 皆んなが家にいて、くつろいでいる感じがして 私はいつもわくわくしていた。 たっぷりのミルクを温めて、コーヒーを少しだけいれて、お砂糖を入れたカフェオレをごくごくと飲むのが好きだっ

    • 【台湾のマンゴーかき氷】

      母と姉と3人で台湾旅行に行ったことがある。 9月の中旬で、まだ気温は高く湿度は日本と比べものにならないくらいの密度で息苦しいほどだった。 道はバイクで埋め尽くされて騒々しく、街は八角のような強いスパイスの匂いが漂い、建物の中は痛いほど冷房が効いていた。 雑多な街並みと立ち上がる香りが、日本ではない 異国を感じさせたのを覚えている。 事前に下調べした人気カフェでマンゴーのカキ氷を注文した。通りに面したその店は、オープンカフェでとても賑わっていた。 両手で持つサイズのお

      • 【クッキー】

        オーブンに付属していた料理本。 そこに載っているクッキーのレシピが わたしのお菓子作りの原点。 何十年も使っているから、ところどころに汚れが付いている古い本だけど大切。 小さな頃から母がお料理やお菓子作りを手伝わせてくれたので、5才の頃には一人でクッキーを焼いていたと思う。 生地をあっちこちに飛ばして、小麦粉を撒いたりして掃除は大変だったと思うけど、止められることはなく自由にやらせてもらった。 クッキーを作る工程はどれも面白くて、 卵を割るのも、材料をぐるぐる混ぜ

        • 【豊島屋のプリン】

          毎年、梅雨のこの季節になると鎌倉の明月院に行くことにしている。 梅雨は憂鬱だけど、梅仕事や紫陽花などの季節を感じられる行事は好き。 6月の中旬に行ったので、明月院ブルーの紫陽花も少し色が褪せていて重たい首を垂れていた。 咲き始めでなおかつ、雨が少し降っているくらいが緑も瑞々しくてキレイかもしれない。 紫陽花鑑賞が終われば、鎌倉へ移動して ランチを食べ、買い物をしてスイーツを楽しむのが定番の流れ。 新地開拓をしたいけれど、それでも何度も足を運んでしまう推しプリンが若宮

          【馬車道 NIANES】

          今までで一番美味しいショートケーキは? と聞かれたらNIANESのショートケーキと答える。 馬車道の裏側にひっそりとあるお店。 白いブラインドがかけてあって店名も出ていないので、外観だけでは何のお店かわからない。 並んでいる人がいてはじめて、もしかしたらお店なのかもしれないと思うくらい控えめ。 日によって置いてある生菓子は数種類で、シュークリーム目当てで行ったのだけど無かったのでショートケーキをお持ち帰りした。 上品できれいな出立ちの正統派ショートケーキ。 派手さ

          【馬車道 NIANES】

          【ブラジルプリン】

          硬いプリンが好き。 とろけるプリンが流行った時期があって、 今ではコンビニやケーキ屋さんでよく見かけるけど わたしは断然、硬いプリン派である。 スプーンでつつけばしっかりと弾力を感じる、 昔ながらの正統派プリンが好ましい。 プリン型で一つひとつ作るのも可愛いけれど、 パウンドケーキ型でどんと作る長方形のプリンは 大きくてたくさん食べれる。 練乳の入ったブラジルプリンは、しっかり濃厚でお店で食べるプリンみたいに満足感がある。 【準備】   ・型にサラダオイルを薄く塗っ

          【ブラジルプリン】

          【パースのジェラート】

          2019年の2月から一年間、オーストラリアでワーキングホリデーをしていた。 西オーストラリア最大の都市、パースというこじんまりしていて自然豊かな街で半年間を過ごした。 オーストラリア生活はカルチャーショックの連続で体力的にも精神的にもハードだった。 言葉も不自由で失敗もたくさんしたし、わからないことだらけで落ち込むことが山ほどあった。 そんな時に現地エージェントに教えてもらったGUSTOのジェラートはわたしの心を癒してくれた。 パースに数店舗展開しているチェーン店で

          【パースのジェラート】

          【なかしまさんのシフォンケーキ】

          新鮮な卵さえあれば家にある材料でふわっふわのシフォンケーキがいつでも食べられる。 定期的に起こるわたしのケーキ欲を満たしてくれるのがこのレシピ。 なかしまさんのレシピはシンプルで無駄がない。 けれど、ちゃんとした仕上がりでしっかり美味しくてご飯みたいな満足感がある。 確か、なかしまさんご自身も本の中でもそう書いていた。 もう何回作ったのかわからないけど、心と体の栄養になるこの味は全然飽きることがない。 アレンジも可能で、ティーバックの葉っぱを入れて紅茶シフォンにし

          【なかしまさんのシフォンケーキ】

          【ケーキ考 2.】

          ケーキについてのエッセイで詩人の穂村さんの 『ケーキ殺し』の題名はインパクトがある。 その後、みんなの前で壊れたケーキを見て犯人の穂村さん自身もショックを受けて目の前が暗くなる。 後悔するのに、ケーキは壊れやすいものだということを忘れてまた繰り返してしまう。 というお話。 穂村さんのエッセイを読むと、男の子だなと思う。仕方がなくて少し可愛い、とても優しい。 大人になりきれてなくて、ダメなところがあって ダメだとわかっててもそのままで居続けてしまうところ。 なんでもス

          【ケーキ考 2.】

          【ケーキ考】

          ケーキという言葉について今まで考えたことはなかったけど、江國さんのこの文章を読んだとき確かにそうだと感じた。 どんな種類のケーキだとしても、ケーキがあるよと言われれば手放しに嬉しくなってしまう不思議な力がケーキにはある。 子供の頃、ケーキが出てくるのは誕生日など特別な日でそれが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。 その気持ちは大人になっても変わらない。 これが好き。 ケーキだけに留まらないこの幸福のイメージ。 だから繰り返し、何を作ろうか思いを巡らせて、準備し、手を動かす

          【ケーキ考】

          【シロさんのミルクプリン】

          マンガ『きのう何食べた?』でシロさんとケンジが夏休み中のデザートにしていたミルクプリン。 ゲイカップルの日常とご飯を描いた作品で、シロさんが作るものはどれも簡単だけど一捻りある組み合わせですぐに作ってみたくなるものばかり。 ミルクプリンもシンプルなレシピだけど、コクのある手作り黒蜜とクリーミーなプリンの組み合わせは何度もリピートしたくなるお味。 我が家のレシピは豆乳とミルクを2対4の割合で作るのがお気に入り。オリジナルは牛乳だけだが、和食材の豆乳を入れることでより黒蜜に

          【シロさんのミルクプリン】

          【無印のメロンソーダ】

          炭酸が好き。透明でグラスの中でパチパチと弾ける泡が美しい。ずっと眺めていたい。 作家の江國香織さんがエッセイの中でビールのことを" わたしは色が綺麗なものに弱い "と言っていたのだけれど、読んだとき激しく共感した。 キラキラして透明で宝石みたいにカラフルなドリンクたちを見ると無条件で嬉しくなる。 メロンソーダフロート熱が数十年ぶりに再燃していて、今は無印の瓶入りのものがお気に入り。 合成着色料は入っていないし、青みがかった淡いグリーンが涼しげで優しい甘さが飲みやすい。

          【無印のメロンソーダ】

          【真夏の水羊羹】

          夏になるとつるんとしていて、見た目にも涼しい透明なおやつが作りたくなる。 コーヒーゼリーや黒蜜のミルクプリンが定番だけど、よりさっぱりとしたものが食べたくて今回は水羊羹に。 寒天なのですぐに固まるし、透明感のあるほの暗い小豆色が見ているだけで涼しい気分にしてくれる。ほろほろと口の中で溶けていくところも好き。 あんこで思い出すのが祖父のお話。 おはぎが大好きな祖父は祖母の手作りしたものを いつも嬉しそうに食べていて、それを見ていた父は逆に食べれなくなったらしい。 夏休み中

          【真夏の水羊羹】