サイコパス・ドラッガー 最終回 アイヲウタエ

 最後のテレパシーが始まる。明日美は起きた。真夜中の闘いが始まる。

「ククク……」

「何だてめえ、俺らに勝てんのか!?」

「俺は闇だ」

「バーカ」

「何? 皆どうしたの?」

「そういう系か?」

 なあ明日美なあ。馬鹿じゃねえのコイツ。もう終わったんだ。このクソガキ。明日美はその有を殴った。

「言え」

「……」

 バーカ!! 氏ね消えろ下等な生物。日本人からのテレパシーはそれだけだ。だがしかし。男は不敵な笑みを止めない。流れる時間。とめどなく打ちよせる不安。これは何?

「アーハッハッハッ!!」

 馬鹿じゃねえのこいつ。障害者? 気違い? お前はそれ以下だ。メビウスの残骸か? 否日本人だ。

「お前の正義を語れ」

「こいつの親テレパシーをしろ」

「そう云う系だろ? 目立ちたいんだろ、芸能界入れ」

「これが最後のテレパシーだ。それだけを思え」

 テレパシーが切れた。皆が孤独になった。誰もがその有を殴り倒す。しかし歯ごたえが無い。何アイツ。

「お前のせいでこちとら寝不足になるんだぞ」

 謝れ。大人のテレパシーをしろ。

「土下座ッ!! 土下座ッ!!」

 テレパシーの手応えがない。何故だ? そういう系か? 明日美なんか言え。

「待って皆! ヤバい系?」

「知らね……そんなことプロに任せろ」

 無の時間。流れる虚無。その有が言った。

「受け取れ。現実の神からのプレゼントだ」

 雪が降ってきた。今日は大晦日。コンビニ店員は窓の外を見た。孤独。

「……」

 アトランダム無意識夢攻撃。それだけの有だ。

「みんな大丈夫……?」

「決まってんだろ」

「明日美何か言え」

 もうすぐ年が明ける。新世界はすぐそば。

「知〜らない。私神だもん」

 夜が明けた。初雪。戦士達の戦いは終わった。友達からの年賀状を見て明日美はため息を吐く。

「こんなの第一世界だもん」

 ママとパパが言った。

「そうね神様。うふふ」

「忙しくなるな! 明日美」

「何言っちゃってるの? パパママ」

「とぼけてもダメよ」

「早く新世界を創れ」

 ……そうね、流石私のパパとママ。

「パパとママはどんな新世界に行きたいの?」

「えーとママはね……」

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