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医者よりも家庭の医学頼もしや

 先日、新聞の健康欄の記事で爪の状態から隠れている病気が知れるという記事があった。その記事で長年の謎があっさり解けた。驚愕だった。
 ばち爪は、心臓疾患の疑いがあるというのはよく知られているだろう。爪が反り返るスプーン爪が、鉄欠乏性貧血というのも知ってる人は割といるかな。この二つについては、私も当然のごとく知っていた。
 しかし、爪が厚く、黄色くなる黄色爪症候群の場合は、副鼻腔炎や気管支炎などの呼吸器疾患が疑われるというのは知らなかった。
 実は、私はこの黄色爪症候群の症状がよく出るのだ。これがなかなか治らない。
 数年前はかなりひどかった。痛いとか痒いとかの自覚はないが、さすがに何かばい菌でもはいったのかと近くの皮膚科に行った。とりあえずちょっと患部を削って検査。検査結果は感染症の類いではない、とだけ。
 じゃあ、何、コレ?「うーん。わからないから、しばらく様子見て。自然に治るかもしれないし」医師は頼りなげに言った。自分の知らないことだから関わりたくない感が微妙に出ていた。
 しばらくしてもミリも改善しなかったので、「よくわからない症状」を診察するという科がある大きな某病院に行った。若い女性医師は、盛んに首を捻って「とりあえず皮膚科に」と、これまた皮膚科に回された。
 皮膚科のアラフォーと思しき美人医師は、彼女を取り巻いているインターンっぽい医師たちとやっぱり盛んに首を捻り、分厚い医学書を繰った。そして最後に「ちょっと様子見て」となった。だから様子見ていてどうにもならんからここに来たのに……。密かに憤慨。そして落胆。
 皮膚科の結果を持って、元の診察科に戻ると、最初の医師は困り果てて、近くにたまたまいた中年に片脚ツッコミ掛けた年齢の先輩男性医師に尋ねた。彼も首を捻り、困惑のご様子。そして、二人の出した結果は、またしても「しばらく様子を見て」であった。
 その後、仕方がないから、そのまま何もせずにいた。どうせしばらくしてまた病院に行っても「様子を見て」しか言われんだろうから金と時間の無駄である。もはや悟りの境地。
 実は何かの病気が潜んでいて手遅れになって死んだとしても仕方がない。「どうして手遅れになるまで放っておいた」なんて言われても、医者が「そのまま様子を見ろ」と言ったんだもん。一人じゃなくて、最初の皮膚科から数えて三人、いや四人か――も。いや、待てよ。あの「様子を見て待て」はそのまま自然治癒してくれればそれで良いし、実は何かの病気の症状であっても、何もわからぬまま死んでくれれば「無かったこと」になるから、それはそれで良し、ってことだったのか? 思わず黒い発想が浮かびもしたが。

 まさかあんなに悩んだ症状が「家庭の医学」な新聞記事で謎が解けるとは、大びっくりだ。自分、慢性的に鼻が悪いし、呼吸器系統も弱い。まあ、あっちこち微妙に悪いし、胃も(頭も)弱いが。
 何だか病院や医者よりも「家庭の医学」の方が専門的に物知りである感じがしてきた。頼りになる。いや、ちゃんと知識のある医師はいるのだろうけれど、医師間で「知識」の共有がなされていないのか。もしかして、これが医療の問題ってヤツの一つなの? 素人にはわからない……。
 考えてみると「家庭の医学」やそういう記事を監修しているのもプロの医師なんだから、当然「家庭の医学」並に、それ以上にずっと頼りになる医師が世の中には大勢いるはずだ。ただ、自分にはぶち当たらないだけで。ここにも謎があった! むしろこれが最大の謎かもしれない。すぴの人とか何たら宗教の人が聞いたら「それはアナタの前世の行いが……」とか言い出しそうだな。やぶ医者よりもある意味、質が悪い。くわばらくわばら。

 ともあれ。黄色爪症候群は、割とよく繰り返す症状なので、今度ひどくなったら、この記事を持って病院に行こうと思う。あ。ネットですぐに拾えるか。スマホの画面をかざせばOK!

 ちなみに私、スプーン爪でもあります。隠れ貧血なんだよ。胃弱なので鉄剤がダメで、一生懸命プルーンにヨーグルトかけて食ってる。プルーンは鉄分豊富で鉄は乳製品を一緒に摂ると吸収率が上がるとどっかで読んだから。それにプルーンは便秘にも良いしな。自分、痔主だから。
 それにしても、プルーンもヨーグルトも随分と高くなってきちゃった。プルーンの粒もどんどん小さくなってきちゃって……とほほ。

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