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雑記2 最近観たホラー映画2ーー「呪怨 オリジナルビデオ版」「呪怨2 オリジナルビデオ版」「呪怨 劇場版」「マリグナント」「ハイテンション」ーー

 「呪怨2 オリジナルビデオ版」というのは実にふざけた作品で、90分の尺の内、なんと30分が前作のリサイクルである。総集編でさえなく、ラストシーンをそのまま流すだけ。まあ、不誠実な作品だ。それだけでも入眠に値するが、前作の「呪怨 オリジナルビデオ版」にあったおどろおどろしい雰囲気が、さっぱり消えた印象がある。画面の端で微かに動く幽霊、非人間的な動き、理不尽さといったJホラーの特色はふんだんに見られるが、全体的に筋の展開や演出がうまくいってなく、安物お化け屋敷に入った感じだ。あと、伽椰子の増殖は最早ギャグである。それでも、まだ観れるので4点をつける。このシリーズはビデオ版一作目を観た後、2を飛ばして劇場版に行った方が良い。ビデオ版と劇場版の各一作目はよくできている。後継への影響も考えると、8点くらいはつくか。 
 「マリグナント」は、「ブラックジャック」ピノコの設定を丸々流用した作品で、双子の片方が不完全な個体で、もう片方に癒着しなければ生きていけない点や不完全な側には超能力がある点がよく似ている。さしずめ、分離オペに失敗したピノコといったところ。後頭部にもう一つ顔がある(先述の、癒着した双子のもの)点は二口女や人面疽に類似するが、調べたところ欧州にはエドワード・モードレイクという、後頭部に顔を持った男の伝説があるらしく、こちらが典拠だろう。映画自体の出来栄えは首を傾げる。アクション要素が強すぎて、観ていて冷める。5点か6点。
 「ハイテンション」は結構面白い。好みの作品だが、突き詰めると破綻が見られるので7点か6点にしておく。女性によるリベンジ・キラーもので、友人の家族を皆殺しにされたヒロインが、誘拐された女友達を助けるため奮闘する。これだけだと平凡だが、最後のどんでん返し(本作の核なので伏せておく)が質を高めている、と同時に、結末に向けての伏線が、矛盾に満ちているため、不満を抱かせもする。マインド・ゲーム型の作品は論理的整合性も肝要で、それが崩れると、ご都合主義になってしまう。そのことのいい例である。ちなみにスプラッタ系の作品だが、グロテスクシーンはあまり多くない。

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