感想力をあげたい同人女の奮闘記(前準備編)
お久しぶりです。
今回は面白い本を読んだので、そのまとめと感想を徒然と書いていきたいと思います。
久しぶりの読了は、三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』です。
これを見かけたのは、Xでした。
というより、私は好き作家さんや本屋に行って見つける本以外の出会いはXに依存しています。
非難轟々のおすすめ欄ですが、思わぬ出会いもあるので、個人的には慣れてしまって便利だなぁと思って使っています……
まぁ、そんな感じで流れてくる情報の海に浮いてたんですよね。
で、タイトル買いでした。
だって、「好き」って言葉にするの、難しくないですか……?
ここからちょっと個人的な話をしますね。
あのですね、私、同人活動してるんですよ。それもネットであげるだけじゃなくて、あまり多くはありませんがちゃんと同人誌即売会で同人誌を出すタイプの、正真正銘の同人女なんですよね。それも長年続けているという筋金入りです。
で、ですね。だからこそ、いただける感想の有難みを身に染みて理解できるんですよ。
だって、貰う側なので。
感想一つで書いててよかったって思うし、手紙を貰ったときは泣きました。
もう5年くらい前かな。向こうはもう覚えていないだろうけど。その時書いた本の内容も忘れたけど。それでも今でも大切に保管してます。
感想ってね、人を救うんですよ。
同人作家、割と簡単に筆が折れます。心が折れるって言いかえてもいい。それを救うのがいただいた感想なんですよ。
だから、感想を書いて、貴方の作品が大好きですよって伝えたい。
もしいつかジャンルを離れたとしても。その作家さんが居なくなったとしても。感想を伝えた事実は変わらないじゃないですか。好きな人に好きだって言えた。それだけで、もしも何かあった時、やりきったって後悔しない。したくない。だから感想を書きたい。
私、星野源さんが推しなんですけど。
いや、唐突な話題転換で申し訳ない。でもちゃんと地続きなので。
この間、『いのちの車窓から2』ってエッセイ集を出したんですよね。
で、その時のラジオで、「感想をください」って言ってたんですよ。
天下の星野源ですよ。言わなくても山のように書いてる人が居るでしょ。それでも届いていないというか、やっぱり書いたものに反応がほしいって思ってしまうものなんですよ…
たぶん、何か書いてる人には共感できる感情だと思う。
認めてほしいわけじゃなくて、承認欲求が満たされたいわけでもない。だけど、ちゃんと届いてるの?って不安になるこの気持ち。
わかるかな? 1回でも何か書いて公開したことのある人なら解ってくれると思う。
そんな書き手の気持ちがものすごく解るから、できる限り感想を伝えたいなって思う。
でも、感想って書くの、本当に難しいんですよね……
なんとなく好き、雰囲気が好き?、全体的に好き……
え、好きしか言えてなくない??
なにも言葉にできてなくない??
というか、それは感想じゃなくない??
いや、本当に終始こんな感じなんですよ。
好きって感情を言葉にするのが難しい。
だから、何かその力になればいいな、と思ったんですよね。
感想力をあげたい。
そう思って読もう、と決めました。
で、読んでみたら、もう目次から「それな!」の連続の嵐でした。
もうね、目次を見て。
私は好きな作家さんに感想と届けたいので「文章に書く」をぱっと見たんですけど。
いや、これはあまりにも本質では??
いつも筆が止まるのがそれじゃん!ってびっくりした。
この本で、たびたび、自分のメモを取ろうという話が出てきます。
この情報化社会、自分の感想を人に流されないで持つのが大変なんですって。
まぁ、わかる。だって映画の感想とかね、もうみんな言語化うまいなぁと思って眺めてる。
見た事ない映画でも、「ああ、そういやそんな感想を見かけたなぁ」って思うし、それを見て、映画を見る・見ないの判断をすることだってある。
で、実際に映画を見たとして。その感想に引き摺られないで、自分の感想を言えるかって言われたらNOじゃないですか? 少なくとも私はできない。だから、誰かの感想や萌え語りに引き摺られる前に自分の感想や感情をメモしておきましょうって話になる。
これって、本当その通りだと思った。
で、感想を書くのに大事なのって、初見のインパクトなんだなって。
だってみんな好きでしょ? 好きな作品の初見の悲鳴。
オタクみんな好きじゃん。ちなみに私も大好き。ブクマして何回も見に行く。
で、感想を書くときに必要なエネルギーが、「それ」なんだと思う。
これほど、「なるほど!」と思う言葉ってない。
特に最後の1文。
感動とは言葉にならない感情のこと
最高すぎません??
そっか、言葉にならなくてもいいんだ。そう思いました。
推し語りと好き作家さんへの感想は同じじゃないかもしれない。だけど感動させてもらったのは同じなわけです。
それに、「好き」という感情は同じで。
だったら、推し語りと感想って同じ構造をしているのではないだろうか?
そう思わせてくれる1文でした。
感想の書き方、その準備段階のメモのとりかたは次回解説するとして。
とにかく、「好き」が言葉にならないのを認めてくれたことが嬉しかった。難しいのって私だけじゃないんだって思わせてくれた。
具体的な書き方のコツを知れたことも嬉しかったけど、一人じゃないからがんばれって背中を押された気持ちになったことが一番嬉しい。それだけでも読むのに使った時間が報われた気がしました。
と長くなってきたので、具体的な感想の書き方と、前準備のメモの取り方はまた次回。
いつかこれを読んでくれた人が、ちょっと感想を書いてみようかな、と思うきっかけになってくれたら嬉しいです。