【スマホ版】医者の大罪
今回は、近藤誠先生の著書「医者の大罪」という本の内容を紹介します。
私たち日本人は、世界一の長寿国であるという自負を持っていますが、一方で多くの人は生活習慣病の基準値によって病人扱いされ、薬を飲んでいる人がたくさんいます。
あなたの家族にも、薬を毎日飲んでいるという人が一人くらいはいるのではないでしょうか?
高血圧や高血糖、脂質異常症など、基準値を外れていたら即病人というレッテルを張られてしまいますから、生活習慣病の中でも一番多い高血圧患者は4300万人と推定されています。
しかも、その大半は本態性高血圧、つまりはっきりと原因は分からないが高血圧であるとして病人扱いし、薬を飲ませているのです。
昔のお医者さんは、純粋に病気を治してあげようという立派な人が多かったのかもしれませんが、今の医者は私利私欲を追求する卑しい集団に成り下がっているようです。
今回の内容を通して、医療組織の悪事を告発する近藤先生に、一般人が知らされていないことを教えてもらいましょう。
近藤先生は、その業界に身を置きながら自らの業界のことを告発しているという点で、とても信頼できると思います。
高血圧治療のウソ!ホント!
日本の高血圧患者数は最低でも4,300万人、2,000万人以上が降圧剤を服用しています。
しかし、最も信頼できる研究からは、血圧をしっかり下げると患者は不健康になり、死亡率が上昇すると示されているので紹介します。
これは、日本高血圧学会が実施したもので、上の血圧が160以上の4,400人を被験者として、2つのグループに分けて降圧剤を飲んでもらいました。
1.上の血圧が140~160以下になるようにした【ゆるめ降圧群】
2.上の血圧が140未満になるようにした【きつめ降圧群】
結果としては、140未満になるようにしたきつめ降圧群が、ゆるめ降圧群より脳梗塞が2割多くなりました。
また、総死亡率はきつめ降圧群が29%多くなりました。
総死亡率とは、ガン、脳卒中、事故、自殺など、あらゆる死因にによる死者の数を率にしたものです。
どのような疾患の治療も、最終的な目的は長生きすることにある筈なので脳梗塞で死ななければ良いということではありません。
ですから、総死亡率の調査は重要なことです。
次に、欧米26か国で共同実施された調査です。
ここでは、下の血圧が100~115という高血圧患者約19,000人を3つのグループに分けて降圧治療を実施しました。
1.下の血圧が90以下の【ゆるめ降圧】
2.下の血圧が85以下の【きつめ降圧】
3.下の血圧が80以下の【最きつめ降圧】
その結果、総死亡数は血圧を下げるほど増えていき、1万人を1年間治療した場合の総死亡数は、1.79人、2.82人、3.88人となりました。
【ゆるめ降圧】と【最きつめ降圧】の総死亡数の差は9人ですが、これは1万人を1年間調査した人数なので、日本のように2,000万人が降圧剤を飲んでいる場合は、1年間で18,000人が余計に亡くなることになります。
このように、血圧を下げようとすればするほど死亡数が増えていくので、お金を払って降圧剤を飲むのが正しいのかどうか疑問です。
では、血圧が存在する理由について検討していきましょう。
血圧は、体の隅々まで血液を届けるためにありますが、その中でも最も優先順位が高い臓器は脳です。
脳は心臓よりも高い位置にあるので、血圧が高くないと血液は届きません。
体の調節システムは、脳に十分な血液が届くように時々刻々、血圧を調節している訳です。
最適な血圧というのは動脈硬化の程度によりますから、動脈硬化が強いほど高い血圧が必要になります。
動脈硬化とは、血管の壁にコレステロールなどが沈着して固くなり、内側が狭くなる現象です。
早い人では10代から動脈硬化の芽が生じ、硬化していく速度は食事、飲酒、喫煙などの影響を受け、人生の後半には同じ年齢であっても上の血圧が100の人もいれば180の人もいるという風になるのですが、それは体の調節システムの結果でもあるわけです。
動脈硬化が強い人は小さな動脈が詰まりやすく、心筋梗塞や脳卒中の発症率が高くなるので、医師たちはそこを強調して降圧剤を処方します。
確かに、血圧が高いと冠動脈疾患での死亡率は高くなりますが、高齢者は血圧が高いほど総死亡率が低い(寿命が長い)という調査結果もありますから、医師たちがそういう事実をきちんと伝えずに心臓血管病のリスクを強調するのは、薬を飲ませるための情報操作です。
フィンランドで、75歳以上の高齢男女521人が降圧剤を飲まずに様子を見た調査があります。
その調査では、対象者を血圧の数値ごとに5つのグループに分けました。
1.上の血圧が120未満
2.上の血圧が121~140
3.上の血圧が141~160
4.上の血圧が161~180
5.上の血圧が180以上
その結果、75歳~79歳では120未満の総死亡率が一番高く、他のグループでは総死亡率はおおむね同じでした。
そして、80歳以上と85歳以上では、上の血圧が180以上のグループが総死亡率が一番低かったという結果になりました。
75歳未満では同様の調査はないのですが、同じような結果が出る可能性は十分ありますので、高血圧が高齢者にとっては元気な証拠なのです。
このような結果が出ているにも関わらず、日本では多くの高齢者が降圧剤を服用しています。
降圧剤によって脳への血流が減り、ボケ(認知症)に繋がると言われていますが、究極の副作用は脳梗塞でしょう。
日本の降圧治療はもともと脳卒中(脳出血)を減らす目的で、1950年代から始められました。
しかし現在では、脳卒中の大部分は脳梗塞です。
動脈硬化のために脳に血液が行きにくくなっているから、体の調節システムが血圧を高くしているのに、降圧剤によって血圧を下げれば脳梗塞が増えるのは当たり前です。
脳卒中を減らそうとして始まった降圧治療なのに、逆に脳卒中を増やしているのですから、これでは本末転倒というしかありません。
減塩のウソ!ホント!
高血圧の治療に予防にと、減塩の大切さが声高に説かれています。
厚生労働省は、1日当たりの塩分摂取量を「男性=8g未満」、「女性=7g未満」にするよう勧告しています。
最も権威のある医学誌「ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」には、尿中ナトリウムで4~6グラム、摂取した食塩ベースで10〜15グラムの人が、死亡率は最も低いというデータが掲載されました。
グラフはU字型を示していて、食塩摂取量は尿中ナトリウムのおよそ2.5倍に相当しますから、1日10~15gが一番死亡リスクが低いという結果を示しています。
それより塩分量が多くても、少なくても死亡リスクは上昇していて、塩分摂取が少なければ少ないほど死亡リスクは急上昇しているのです。
ここから先は
¥ 1,100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?