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動く被写体 ~撮影旅行よもやま話集~

 春に富士山の写真撮影に行くと、空が春霞などで全体的に薄ボンヤリとなってしまい、スッキリとした青空にならないことが多々あります。

 多少はサーキュラーPLフィルターで補正することも出来はしますが、目が覚めるような綺麗な青空になるようなことはありませんから、諦めるしかありません。

 それこそフイルムの一眼レフカメラを主機として使っていた頃でしたら、記録用として数枚程度の写真撮影をして、今日はこれでお終いとなってしまいますよね。

 春霞の主な原因は、大気中の水蒸気やチリ・ホコリが高気圧の下降気流に押され、地上付近で層となって太陽光を散乱させることから、空が霞んで見えるらしい。

 もしもこれが花粉や黄砂が原因の場合だと、アレルギー症状が出てしまった方々には最悪ですよね。

 いくら天気が良くても、富士山を主役とした写真撮影をするには、チョット残念な仕上がりの風景写真しか出来ません。

 この日はキッパリ諦めて、富士川の河川敷に行って、主役を富士川の鉄橋を高速で走る新幹線にしてしまい、新幹線が構図上で適切な位置に写り込むようにする写真を写してみました。

 デジタル一眼レフカメラのISOも標準設定の200ではなく、少し感度を上げて400に設定変更をして、1000分の1のシャッタースピードに固定したシャッタースピード優先AEで、写った新幹線が余りブレないようにします。

 東京方面から走って来る新幹線が「こだま」の場合は、新富士駅に必ず停車するので、発車して約3kmの富士川の鉄橋を渡っている時点では、まだ加速中なのでスピードが多少遅いのです。

 しかし、新富士駅に停車しない「のぞみ」と「ひかり」は、時速約285kmですから、シャッターを押し込むタイミングが中々難しかったですね。

 ほんの一瞬シャッターを押すのが遅れてしまっただけで、先頭車両の先端が写真の中に納まらないのですから、シャッターチャンスを逃さないための良い練習になっていたかも知れませんね?

 日頃は風景撮影ですから、そんなに早く動く被写体なんて写すことは滅多に有あませんし、場合によってはレンズの絞りを、F16~F22程度にまで絞り込んでしまいます。

 そして15分の1秒とか8分の1秒とか4分の1秒の遅いシャッタースピードで、ブレの防止と水平を確実に出すために三脚を使用してじっくりと腰を据えた、かなりのんびりゆっくりとした写真撮影をしているのですから、いつもとは相当違う写し方をしていた訳です。

 この新幹線が走行する写真を写している時に、座席数が違うので予約システム上で不都合があるとかの理由で、東海道新幹線を走らなくなってしまった500系を思い出して、この場所で写真撮影しておけば良かったなと思ってしまいましたよ。

 今も山陽新幹線では「こだま」として500系は走ってはいますが、東海道新幹線で後景に富士山と言うのが好いのですからね。

 500系でエヴァンゲリオン仕様とかハローキティー仕様とかを、山陽新幹線で走らせたのですから、1度くらいは臨時の全座席完全予約制で、東海道新幹線でも走らせてくれたらとも思いましたね。

 富士川の河川敷で新幹線を写真撮影したその後は、まだ時間にかなり余裕があったので、東名高速道路を利用して島田市まで戻り、大井川鐡道の蒸気機関車やレトロな電車が茶畑と桜の木の下を走っている風景を写真撮影してから、帰途につきました。

 なお、この後何年かして、約500kmで疾走するリニアモーターカーの実験線を写真撮影する機会がありました。

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