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ゴロンゴロン ~撮影旅行よもやま話集~

 御坂峠の西川林道に、まだ未舗装路区間があった頃のお話です。

 次回の年賀状写真を準備するため、御坂峠からの富士山を撮影しに夜駆けで来たのだが、御坂峠から冨士吉田に抜ける林道で、濃い霧が発生して殆んど視界『0』状態。

 10数メートル先も良く見えません。

 今回ばかりは、濃い霧でどうにもならないので、ゆっくりゆっくりと峠を降りることにしました。

 それでなくても濃い霧で視界が劣悪なのに、崖の落石はあるは、未舗装路の区間では漬物石くらいの石がゴロゴロしているのです。

 そんなに簡単に、都合よく落石等を避けて走れるはずも無く、車の底にも石がボコボコ当たります。

 写真仲間のランクルならば、もっと楽に走れるのかと思いもしますが、小生の車は街乗り用のコンパクトカー、ランクルみたいに車高も高く無いし、4WDにもならない。  

 何処をどう走ったのか全然判らないのですが、日の出の頃にやっと麓に降りる事ができました。

 その間、対向車は当然一台も無しです。

 結局この日は、朝からも天気もイマイチだったので、濃い霧の中をウロウロしただけで、何も写真を写せない旅とあいなりました。

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 後日、霧の中を走っただけで撮影出来ずのリベンジで、再び御坂峠の西川林道まで行きました。

 富士山が良く見える高さまで崖を登って、年賀状用の富士山を、今回は無事に撮影することが出来ました。

 無事に撮影が終了したことで、少し気が緩んでいたのでしょう。

 帰り支度を始めたときに、ゴロンゴロンと三脚が4~5メートル程ですが、崖の下に転がり落ちてしまいました。

 本当に運が良かったのは、カメラを三脚から外した少し後のタイミングだったことです。

 カメラとズームレンズの方は、しっかりと手に持っていたため、三脚と一緒に崖から落下せず、運良く?全部オシャカにならずに済みました。

 崖を降りて三脚を確認すると、雲台の上下角を決めて固定するアームが、ぐにゃりと曲がっています。

 どうしたものかと三脚をチェックしてみましたが、雲台のアームがぐにゃりと曲がっている以外は、問題なく使えることが判明しました。

 アームは雲台とスクリューネジ式に取り付けられているのですが、これも取り外すことが出来ました。

 これならば自力で修理出来そうなので、翌日、勤務先の工場内にある作業研修施設に、場所と設備を借りるお願いに行きましたよ。

 お昼の休憩時間に万力を借りて、ぐにゃりと曲がったアームを真直ぐになるよう、力技でしたがほぼ真直ぐに修正して、無事に修理を完了しました。

 その後三脚は問題なく使えていますが、カメラ付きのまま三脚が落ちていったら、また回収できない場所に落ちていたらと思うと、安全な所で取り外し作業をしなければと反省しきりでした。

御坂峠西川林道からの富士山

 後でこの時のことを振り返って考えると、いつも撮影している場所でUターンして引き返せばよかったのです。

 車がUターン出来る広い場所があるのですから・・・。

 そのまま直進して未舗装路区間に入ってしまったのだから、タイヤがスタックしたりして、車の身動きがとれなくならなかったのが、不思議なくらいの状態でしたね。

 いつの間にか御坂峠の西川林道も綺麗に全線舗装されていて、落石は至る所で発生していましたが、随分と走りやすくなっていましたよ。


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