「勝手にさ、私の写真載せないでよね」
ママだから話したこと。家の中だから出した表情。自由な振る舞い。
全部全部全部、筒抜けになっていたことを知った、あの日。
世界のどこにも逃げ場がないことを悟った日。
あの日から、私の人生なんて、中身が空っぽの操り人形だ。もしかしたら生まれた時から。生まれる前から。
「私の人生」だと、「私の思い出」だと、「私が受けた愛情」だと、信じて疑わなかったものは「コンテンツ」であり「演出」だったのだと、知った。
有体に言えば「金儲けの手段」。
それでここまで育つことができたのだ