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日記(P)20230430

 この間ブックオフに行ったとき(清水とサイゼリヤに行った直後のことなので、ちょうど昨日の話になる。たまたま文庫本が30%オフになっており、清水は我を忘れたように、十冊以上も文庫を抱きかかえていた。たとえ一冊あたりが百円だとして、それが三割安くなったところで、残りの七割分は必ず払わなければならないことを彼女は忘れていた)、まさかと思う映画のDVDが売られていたので、少し値は張ったが買ってしまった。その前に手に取っていた「アマデウス」もついでに買ってしまっていたが、それくらい私も我を忘れていたらしい。興奮で少し汗ばんでいた。

 そうして手に入れた映画を今日観ることにした。「アングスト/不安」である。1983年に本国オーストリアにて上映されたが、残酷すぎるとして批判が相次ぎ一週間で上映禁止。しばらく日の目を見ることはなかったが、近年ミニシアターを中心に来日し、DVD化を果たした。そのうちの一本が、私の手元に届いたのだ。

 前評判は上々。どれ、見てみようじゃないか、と意気揚々に観たが、案外芸術映画のような演出と劇伴で飽きることなく観れてしまった。

 実際に起きた事件を基に撮っている映画といえば、私の中では「エレファント」がある。そちらはコロンバイン銃乱射事件が基になっており、ある程度脚色はあるとはいえ、演出など味付けは比較的淡白な印象がある。対して、アングストは映画全体のカラーは薄暗いが、どちらかといえば濃い目だ。
 終始主人公のモノローグがあり、劇伴も効果的に、随所に散りばめられている。序盤、主人公が立ち寄ったカフェのシーン(無造作に出された太いソーセージを、手掴みでひたすら貪るのだ。女性二人を品定めするように睨め付けながら)で多く見られた、クローズアップも印象に残る。時代を感じる演出だが、個人的にはとても好みだった。

 観終えたあと、清水が無性にソーセージが食べたいと言い出したので、二人でスーパーに行き、普段買わないような太いソーセージを買って茹で、手掴みで食べた。ソーセージは手でいくのが通なのか知らんが、存外気分が良かった。

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