織り込み済み
日常生活ではそこまで頻繁には聞きませんが、投資を始めるとたびたび登場する言葉というものがあります。
もちろん、投資の世界でしか使わない専門的な用語も多いのですが、専門用語ではなくても投資を始めるとよく聞くようになる言葉や表現があります。
織り込み済み
投資をしていると、専門用語というわけでもないのですが普段は聞かないのによく耳にするようになる単語があります。
その一つが『織り込み済み』という表現です。
どのようなときに使うのでしょう?
よく耳にするのは、指標や業績の発表があるときです。
つまり、一般的には相場が動くようなことがあるときですね。
例えば、ある企業が業績発表をするとします。
その業績が今年は昨年よりも10%増益だったとします。
しかも昨年も増益でしたが、さらにその数値を上回る増益でした。
こう聞くと、株価が急に上がっていくように思いますよね?
ですが、実際には株価はそこまで高くはならず、結果的にほぼ横ばいだったということもよくあります。
なぜでしょう?
シナリオができている
それは、その企業に注目してきた投資家たちがある程度業績の予想をしており、その予想通りの数値で想定の範囲内だったということなのです。
このときに先ほど出てきた『織り込み済み』という表現が出てくるのです。
一般的にみれば業績によって株価は大きく変わると思いますよね?
ですが、この例のように実際にはほとんど変わらなかったということも多く、投資家から見れば『なぁーんだ、普通の結果かよ』と思われてしまっていることもあるのです。
投資家は事前にある程度のシナリオを作るので、そのシナリオ通りであれば価値は変わらないということなのです。
いい結果だとしても…
この投資家の想定や予想はなかなか面白いもので、先ほどの例でいえば10%増益が予想されていて、実際には5%の増益だった場合には株価が下がってしまうこともあります。
業績は増益だったにもかかわらずです。
学校のテスト平均点が50点ほどというなかで90点取れると思われていた生徒が実際には80点だったため、親から怒られてしまうのと似ているかもしれませんね。
世間的には悪くない結果でも、予想より悪ければ内容に関わらず株価が下落してしまうのです。
シナリオは大事
いかがでしょうか?
企業側からみれば投資家は厄介者のように感じます。
ですが、大切な資産を投資する以上はある程度のシナリオを作ることはとても重要です。
何も事前に想定せずにやっているとしたら、それは単なるギャンブルや宝くじと同じことになってしまうでしょう。
『織り込み済み』ということは、投資家たちの予想通りになったわけです。
値段に変化が起こらない、それだけ投資家たちにとっては安心できる結果だったということなのです!