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今さら聞けない⁈ゼロ金利政策とは?

昨日7月31日に日本銀行(以後、日銀)は、ゼロ金利政策からの転換を発表し、金利の引き上げについても示唆しました。

これまでは、ほぼ0%に近かった金利がいよいよプラスになるわけです。

今回は、終了する『ゼロ金利政策』についてクローズアップします!

ゼロ金利政策とは?

そもそもゼロ金利政策とはなんなのでしょう?
ニュースでは聞きますが、具体的に説明するとなると難しいですよね?

ゼロ金利政策は、中央銀行が行う金融政策の一つです。

金利をゼロ%にすることで、お金を借りやすくして新しい事業や消費へお金の流れを向けさせ、景気を加速させる目的で行います。

金利をゼロよりさらに下げてマイナスにすると、マイナス金利政策となります。

ちなみにこの政策が始まった当初は金利がゼロではありませんでしたが、当時の日銀総裁が『ゼロでも良いと思っている』と発言したことから、ゼロ金利政策と呼ばれるようになったのだとか…

日本におけるゼロ金利政策

これまで、日本ではゼロ金利政策が度々行われてきました。

最初は、バブル崩壊後の99年でした。このとき期間は短く一時的な措置とされており、翌年には終了となりました。

しかし、2001年のITバブル崩壊をきっかけに復活し、2006年まで続きました。
その後、2008年の世界金融危機でまた復活。
そこからはしばらく続き、2016年にはマイナス金利政策になりました。

そして、今年になってようやく日銀はゼロ金利政策への転換を発表、7月31日にはゼロ金利政策を終了してさらなる利上げを示唆したというわけです。

このように日本ではゼロ金利政策(もしくはマイナス金利政策)が長い間行われてきました。

なぜ今転換?

では、なぜゼロ金利政策を終了する方向になったのでしょうか?

それは『インフレ』です。

そもそもゼロ金利政策を行い目的は、お金を借りやすくして企業や人の消費を加速させ景気を改善して、その結果物価が上昇する流れを作るためです。

ここ数年、新型コロナによる物流の停滞やロシアとウクライナの戦争などの影響で、原油や天然ガスといったエネルギー価格が急上昇。

価格の上昇は穀物や他の商品にも波及し、世界全体でモノの値段が上がる「インフレ」の状態に突入しました。

さらに円安の影響で輸入品の価格上昇も加わったことで、民間企業は次々と値上げに踏み切りました。

以前は値上げすると批判的な意見が多く見られましたが、それも最近は「仕方ない」と思われているのか、以前よりは下火になった気がします。

これまでよりも日銀がゼロ金利政策をやめるための状況が整ってきたということなのですね。

ただ、インフレ状態とはいえ、給料の水準が大企業や中小企業だけでなく、数多くある零細企業まで上がってきたのかといえば微妙なところです。

ここで金利を上げると景気悪化になるかもしれない…
でもゼロ金利のままでは物価上昇が止まらなくなる可能性もあります。

舵取りはバランス感覚が大切なんですね。

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