【日本人なら貯金!】では他の国の家庭金融資産は…?
みなさんは親や身近な人からこんなふうに言われたことありますか?
「お金は大事に貯金しておきなさい」
普段、家族内であってもお金のことなどほとんど話さないのに、これだけはよく言われて覚えているなんて人も多いのではないでしょうか?
日本人といえば貯金
「お金は大事に貯金しておきなさい」
おそらく多くの日本人が親や上の世代からそう言われて育ってきていることでしょう。
以前のブログでも少し触れましたが、昭和の日本では貯金の利率が現在の投資信託並となっており、ゆうちょの利率でさえ、最高で8%近くもありました。
貯金しておけば自分で何もせずリスクをとることもなく運用することが可能だったのです。
そのため、日本における金融資産の構成では、預貯金が圧倒的な割合を占めています。
私の周りでも投資をしていない人は多くいますが、預貯金していない人はほぼ会ったことがありません。
そのくらい日本人にとって貯金は欠かせないものなのです。
アメリカの一般家庭の金融資産は?
ではアメリカ人の場合はどうなのでしょう?
内閣官房の資料によれば、アメリカの家計金融資産の主な構成は以下の通りです。
預貯金…12.8%
上場株式…27.5%
債権や投資信託…15.7%
ここまででも資産運用の方がはるかに割合が高いですよね?
さらに確定拠出年金などの間接的な投資に回している分を含めると74.3%にもなります!
しかし、一方で保険はわずか1.6%しかなく、日本の19.0%と比較すると大きな差があります。
万が一のための備えはもちろん必要ですが、少な過ぎるのも考えものです。
ここは国民性が表れていると言えるでしょう。
イギリスの一般家庭の金融資産は?
では、今度はイギリスはどうでしょうか?
預貯金…27.2%
年金…41.6%
イギリスは預貯金はアメリカの倍ですが、日本と比べるとまだ少ないです。
一方で年金には4割以上を充てており、日・米とはまた違った配分になっています。
債権や投資信託、株式や確定拠出年金など間接的なものも含めた投資への割合は30.7%でした。
アメリカに比べれば低くなりますが日本は20%にも満たないため、日本と比べるとバランスよくお金を充てている印象です。
将来的には…
ここまで日・米・英の家計金融資産構成を比較してきました。
日本は半分以上を預貯金に充てており、『安全第一だなぁ』と思った方もいらっしゃるでしょう。
ですが、その『安全第一』という考えはあらためた方がいいかもしれません。
この資産構成を将来的に続けた場合、どのようなことが起こるのでしょう?
実は、先ほどの家計金融資産構成が載っている内閣官房の『資産所得倍増に関する基礎資料集』では興味深いものが出ています。
それは運用による家計金融資産の推移比較です。
2000年から2021年までの3か国の家計金融資産の推移をグラフで比較しています。
すると、最も投資に充てているアメリカの家計は金融資産が20年間で3.4倍となり、イギリスは2.3倍となりました。
一方で、ほとんどを預貯金に充てている日本の家計金融資産は1.4倍にしかなっていません。
しかも、この推移には配当や利子の受け取りは入っておらず、為替レートも固定で計算しています。
仮に100万円でスタートしていた場合、アメリカは340万円ですが、日本では140万円にしかなっていないということになります。(為替や物価の変動を加味していないため、それでも増えているだけマシですが…)
預貯金第一!どう思う?
いかがですか?この差を見てどのように感じたでしょう?
「お金は大事に貯金しておきなさい」という教えは、たしかにかつては正しかったかもしれません。
しかし、時代は変わり、世界は刻々と変化しています。
私たちも考え方だけでなく行動もできる範囲で変えていく必要があるのではないでしょうか。