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こういう「生きがい」を探し求めている
毎日がつまらなくて、常に生きがいを欲して彷徨っている。(自己紹介)
生きがいには、推し活、アルコール、趣味、子育て‥人間の数だけ多種多様な「生きがい」が存在して、一方で僕の思い描く「生きがい」は一言でスパンと言い表すことが少し難しいと感じている。
まだ「生きがい」を見つけられてはいないものの、方向性だけは決まっていて、影響を受けた作品を紹介して、自分が何を見つけたかったのかを忘れないように、noteに書き残しておきたい。
僕は、森見登美彦の「新釈 走れメロス」という短編小説集が好きで、とくに「桜の森の満開の下」という作品が大好きだ。
森見登美彦さんが書く物語の主人公は、たいていプライドが高く捻くれて同年代の大学生に馴染めないはみ出しものの男子大学生であることが多い。
しかし、「桜の森の満開の下」の主人公は例外的に大学生の時点で既に「生きがい」を見つけ、ひとりぼっちの貧しい暮らしだろうが、他の人にとっては何の価値もない趣味だろうが、「生きがい」を軸に充実した毎日を過ごしている。
男はアニメのDVDと古本を買うことと、骨董市で得体の知れない安いガラクタを買うことが好きでした。
(中略)
それらの品々で身の回りを固めていくことが男の人生、男の世界、男の夢なのです。
男はそんな部屋に何日も座り込んで、小説を書くことが何よりも好きでした。
(中略)
奇想天外な品々に囲まれて息をひそめ、好きなように文章を書き散らしていると、時折、もうどうしようもなく、幸福で幸福でたまらない気持ちになるからでした。
この作品を読んだ瞬間、安っぽい言い方だが、鳥肌が立った。
自分が探し求めてきた「生きがい」の形を、娯楽で暇つぶしに読んだ本で出会えるとは思っても見なかったからだ。(すごく失礼だけど)
引用から見てもらって分かるように、主人公の生きがいが具体的に語られている。
・自分が好きなモノで部屋を溢れさせること。
・自分を魅了する文章を自分の手で編み出していくこと。
「生きがい」と聞くと、何か大層で、聞こえの良いモノを想像していたが、「人にはわからなくても僕にとっては特別」なことで良いんだよ、と改めて意識づけられた気がした。
自分の外で作られて気に入ったものと、自分の内から作られて気に入ったもの。
それらを心から愛しいと思える、そんな「生きがい」を探し求めていきたい。