取調室へGo!
警察署はもちろん、取調室に入るのは人生初だ。
「少年犯罪課(?)」とか「生活安全課」を通り過ぎて「刑事課(1だったか2だったか忘れた)」に通された。
廊下にはスキンヘッドに眉毛全剃りのスーツ姿のいかつい男が立っていてこちらを見ていた。いかつ過ぎて警察か犯罪者か分からなかった。でも手錠をしていなかったから多分警察だろう。
警察署の雰囲気は普通に役所と変わらなかった。節電の為なのかあまり暖房が入っていなくて肌寒く、皆室内なのにコートやダウンを着ていた。
刑事課のデスクの奥の奥の奥に小さな部屋があった。思った以上に狭い。四畳半ぐらいか?
部屋は明るく、机こそ事務用の机だったが「はぐれ刑事純情派」に出てきたやたら眩しいデスクライトは見当たらなかったしカツ丼は出なかった。
事務用の机にマッチョAが持って来たPCとレトロなデザインのお茶ポットとマグカップ(どちらもプラスチック製)、隣にあった小さな机(マッチョBがデカすぎて小学校の机に見える)にマッチョBが持って来たPCが置かれていた。
マッチョA「緊張して喉乾いたでしょ?好きなだけ飲んでね!」とどこまでも優しい。
その時ぐらいにマッチョCが入って来てマッチョAとマッチョCが「〇時〇分 手錠外します」的な事を確か言いながら、パンツ(手錠隠しの布)と手錠を外してくれた。手錠を外したらマッチョCは出て行った。
マッチョBは私のスマホのデータをPCで読み込んでいるらしい。
マッチョAは今回の事件のきっかけとなった入手経路や誰から買った(貰った)etcを聞いてきた。
この時、友達に聞いていた「チンコロ、ダメ。ゼッタイ。」を思い出しかけたが、そもそもこの友達と言うのはお互いに本名も住所も職業も知らない間柄であり、チンコロのしようもなかった。
「SNSで知り合ったから素性が分からない。」と言ったらマッチョBに「今データ読み込めばすぐだから。」と冷たく言い放たれた。嘘ではないのに・・・。
するとマッチョAが「何で〇〇に住んでるのに〇〇警察署か分かる?」と質問してきた。
「いや、分からないですね・・・。」と答えると「あなたが買った売人がね、こっちで色々して捕まったの。」と言われた。
全然ピンと来なかった。何故なら大麻ビギナーな私は色々な売人から配達してもらう形で買っており、誰がどこから来ているのかとか一々お互いに聞いたりしないからだった。
暗黙の了解で聞かないルールがあるようだった。あとはSNSで知り合った友達と物々交換したりしていた。
ちなみに売人が逮捕されたのは本当で、出て来てからニュースを遡って知った。確かに地域が一致した。
だがその売人から買ったのはだいぶ前に一度きりで、ニュース記事を探すにもかなり苦労した。正確な年齢や本名も知らないので、「恐らくこのニュース記事の人だろう。」ぐらいの認識だが。
SNSの友達はそこから買った人はいなくて皆無事だった。
あれからしばらく経つから今は分からないが。交流を絶ってしまったから。
マッチョAに「何でこんな物に手を出したの?」と聞かれ、素直に「ただの興味本位です!」と答えると、あの優しいマッチョAが重い溜息を吐いた。
「そんなくだらない事でこんな事になってるんだよ?分かってる?!」少し語気が荒かった。
「あ、怒?」と思ったが当たり前だ。
今更になってやっと親の顔が浮かんだ。
まさか自分の娘がこんな状態にあると知ったら、体が弱く心配性の母は倒れてしまうかもしれない。
無口で職人気質な父は、私が小さい頃どんなに仕事が激務でも休みの日はたくさん遊んでくれた。もしかしたら、父が悲しくて涙する姿を初めて見るかもしれない。
恋愛依存が強く相方の事ばかり考えていて、両親の事を全然考えていなかった。もちろん相方も私を心配するだろう。
その時初めて本当の後悔をした。手遅れである。
少ししてマッチョBがPC画面を見せてきた「この履歴、覚えてるよね?」それは確かに私と売人が過去にやり取りしていた履歴だった。
特殊な通信アプリを使いやり取りするのだが、私も売人も履歴を消していなかった。
日本製ではない通信アプリなので操作がよく分からず、友達に聞いた時に「何かぁ~時間経てば勝手に消えるよぉ~!」と言われたので放置していた。
売人が何故放置していたのは分からないが、ニュース記事の年齢はかなり若かったので慣れていなかったのかもしれない。
履歴には品種や価格、〇時に〇〇で受け渡しetcが事細かに残っていた。
友達の履歴は名前があるだけで内容は残っていなかったのでこの事件で他に逮捕された者は多分いないはずだ。
マッチョAとマッチョBは質問をたくさんしてきた。
「興味本位だけじゃ現物買えないよね?どうやって買い方知ったの?」「〇(隠語や暗号)はどんな意味?」「いつ頃だったか覚えてる?詳しく話して。」etc
私は一つ一つに丁寧にゆっくりと答えた。
ただ時間が開きすぎている事と大麻ビギナーである事であまりまともに答えられる事はなかった。
そもそも売人についての情報は、本当に性別とおおよその年齢くらいしか知りえなかったからだ。
この日は午前中に家を出て午後に警察署に着き取調べをし、留置所に移動したのはもう暗くなってからだった。
次は留置所編!
様々なキャラクターがいてやさぐれた私を慰めてくれたり、セクハラをかましてきたり、国家公務員にも色々いると実感した時である。
中での生活・規則・持ち込んだ物etc書いていきたい。
※犯罪を助長するつもりはないので、今後入手方法や経路etcを詳しく書くつもりはありませんし、仮に入手方法や経路を見つけたとしても絶対お勧めしません。
使用感etcの正直な感想も載せる予定でいますが、一個人の感想ですし、日本は違法国!
やりたい方は合法国に行きましょう!