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”灰色の男たち” を追い詰める

本当にやる勇気はあるかね? (マイスター・ホラ)

「わたしはいままで、人間が自分の力でこの悪霊どもの手からのがれるようになるのを待っていた。その気になればできたはずだ。とにかくやつらの生まれるのをたすけたのは、人間じしんなのだから。しかしいまとなっては、もう待てない。なにか手をうたなくてはいけない。だが、私一人では無理だ」

マイスター・ホラ は モモ のほうを向きました

「おまえがてつだってくれるかね?」

「はい」モモ は息をのんでこたえました

「わたしはおまえを、はかり知れないほどの危険のなかにおくりださなければならない。そしてモモ、いいか、世界が永久に静止したままになってしまうか、それとも再び生きて動きだせるようになるかは、おまえしだいということになるのだよ。ほんとうにやる勇気はあるかね?」

「はい」モモ はもういちどこたえましたが、こんどはしっかりした声でした

「モモ(ミヒャエル・エンデ著)」より