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この国の「相互発達段階」エリート: 伊藤七司 (今や我等は、日本抹殺の野望を抱き、世界の指導権を握らんとする傲慢極まりなき米英打倒の大事業に従事している)
著者は過去約30年間 新聞人として生活し、30年のうち約20年を支那と米英とにおいて過ごしたが、米国には最も長く滞留した。米国には第一次大戦参加前後に在留し、その後、英国から帰朝の途 米国を視察し、さらに最近は支那事変前年に渡米して、大東亜戦争開始の直前まで、ニューヨークとワシントンとにおいて朝日新聞支局長として多忙な日を送った。米国の日本人排斥の運動を一被害者として体験し、新聞人として海軍会議に臨み、支那事変における米国の対日謀略を目撃し、ルーズベルト、ハル、議会上院外交委員、米海軍最高幹部などとしばしば会見し、ニューヨーク・タイムズのハンソン・ボールドウィン、同社現在の重慶支局長アトキンソンなどと同じ屋根の下で仕事をした
敵は単に物質的優越を恃んで戦っているのではなく、烈々たる愛国精神と、敢闘精神と、根強い敵愾心とをもって戦っているのである。「日本民族抹殺」を字義道り実現すべく戦っているのである。しかも、人種的優越感を抱き、傲慢不遜な態度を示し、敵国在留邦人を酷遇し、前線の我が将兵を軽視して、言語に絶する暴虐行動に出ている。彼らは正義人道と国際公法とを無視し、冷酷な微笑を浮かべながら鬼畜の残虐行為を恣にしている
かくの如き敵の烈々たる闘魂、旺盛な愛国精神、さらにわが方に対する深刻な敵意―それらの起源と様相とを歴史を背景として説明し、敵米人の性格と特徴とを剔出することが本書の目的である。嘉永六年(1853年)より昭和の今日に至るまでの過去90年にわたる我が日本に対する米国の謀略と、過去160年にわたる支那に対する彼らの野望とを暴露し、大東亜戦の勃発が不可避であったことを、歴史的事実によって解説することが本書の目的である。わが一億国民の鬼畜米人に対する敵愾心を刺激し、闘志と戦意との高揚を計り、生産増強の上昇を企て、かくて聖戦の目的完遂を期することが本書の使命である
「米国の対日謀略史(伊藤七司著)」序言より