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この国の「相互発達段階」エリート: 大山捨松 (”鹿鳴館の花”)
大山捨松
津田梅子らと共に、日本女性 初の合衆国留学
合衆国大学を卒業、日本女性 初の学士号取得
元老 大山巌 の妻として、(看護師・女子)教育支援に尽力
いよいよ卒業の時、捨松は卒業生代表の一人に選ばれて、「イギリスの日本に対する外交政策」という題で演説した。その日、演壇に立った捨松の美しい着物姿に、会場を埋め尽くした人びとから思わず溜息が洩れた。捨松の演説は、イギリスがいかに利己主義的な政策をもって日本を含む東洋の国々を非道無法に扱い、日本をイギリスの支配下に置き、インドなどと同じ運命を辿らせようとしているかについての痛烈な非難であった。捨松の演説は十人中最も素晴らしく、途中しばしば拍手のため中断、演説が終わったときしばらくの間拍手は鳴り止まなかった。えもいわれぬ美しい和服姿をまとった日本女性の烈々たる大和魂のほとばしりに、アメリカ人も深く感銘したのである 「日本の母と妻たち(岡田幹彦著)」より