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インサイド・アウトのリーダーシップの考え方

現在外資系企業、IT企業を中心に企業研修講師&ビジネスコーチをしている、ファインディングライフ(株)川島雪子(かわしまゆきこ)です。

新人研修の時期が終わり、今は管理職層の方々やOJT(On the job training)の役割を担うリーダー層向けの研修の提案やテキスト作成、登壇をしながら日々時間を過ごさせていただいております。

多様な方々とご一緒させて頂く中で、自分の中に思い込みがないか、捉われがないか、古い考えに固執していないかを確認しながら必要に応じて手放したり、新しい視点を取り入れたり、ありがたいことにこの仕事をさせていただくようになって以来、「日々より謙虚に生きること」を自然と意識するようになりました。ありがたいことだなぁ、と思います。小さくて良いので日々より良く生きられる自分へと変化できる自分で在りたいなぁ、と思っています。そんな姿を子供たちが見てくれていると嬉しいけど(笑)。

外側の変化が激しいからこそ・・・

現場で働くマネジメント層やリーダーの方々から伺う声から、ご受講者の方々を取り巻く外側の背景や事業環境は刻々と変化しているなぁ、と感じます。『時代は、少しずつ良くなっていて、私たち自身も着実に少しずつ未来に向けて成長している。』こんな前提に立ちながら、出会うご受講者の方々と共に、どんな組織やチームを作っていきたいのか、を共に考える機会に恵まれます。

外側の環境の変化、変化の対象としては「国際情勢」「自然環境」「経済情勢」に加えて最近最も顕著なのが「AI技術の進化」。自動運転を始め、目に見える形でじわじわと私たちの日常にAI技術が入ってくるのでしょう。これから日本の人口は減っていくので、多くの人間が必ずしもやる必要のない仕事はAIがやってくれるようになるのだと思います。個人的にも画像生成AIなどで遊んだりしたりしていますが、CDのジャケットに使えそうなレベルのビジュアルは1分もたたないうちに作ってくれますし、凄い時代だなぁ、「個」が力を持てる時代だなぁと実感しています。

変化はいつの時代においてもやってきます。我々人間も数千年の進化を経て、今があるのですものね。外側の環境をコントロールすることなどできないですし、一人抗うことにエネルギーを使うことが必ずしも最適解とも思えません。このような時代だからこそ、今日は、複雑な事業環境の中、正解のない中で組織をリードするリーダー層の方に向けて「インサイド・アウトのリーダーシップ」という視点で記事を書いてみたいと思います。


紫陽花の季節になりましたね。紫陽花は人間よりも命が短い分、
日々、秒・分単位で変化しているのだと思います。

「インサイド・アウト」と「アウトサイド・イン」の違い

複雑性が増す事業環境においては、個人や組織(※個人の集合体)の内側(価値観や想い、大切にしていること、哲学等)にあるものから、事業の戦略を策定していくと、個々が自律的に意思決定したり、行動できる好循環が生まれるものです。

私自身、2000年手前のインターネット黎明期から18年余り、外資系IT企業にで組織人として働いてきた経験から、そう確信しています。会社の戦略やルール(外側)ありきで組織のトップが頭で考えて作って発信して、それを実現するために「あなたたち、こういう考え方や行動を大切にしようね」の「アウトサイド・イン」ではなく、常に「自分は・チームは何を大切にしながら、どう働いて行きたいか、何をしていきたいのか」という内側が起点で、戦略(外側)を描いて行く「インサイド・アウト」の考え方で事業・仕事をする、ということです。

だからだったんだなぁ、大きな組織でする仕事は常に楽しくて、ワクワクで溢れていました。(今もそうですが・・・)

思えば私がお世話になった上司はほぼそんなリーダーシップを発揮してくださっていたという記憶があります。リーダーやマネジメント層が自分一人で汗かきながら、「これでいいのだろうか」「部下・メンバーから突っ込まれないだろうか」と恐れながら孤立感を持ちながら戦略を描くのではなく、ご自身の想いやメンバーの想いを吸い上げながら、「じゃあ、こんなこと今年はやって行こうよ、この四半期はやっていこうよ」の順番だった気がするのです。

個人や組織の(内側)にあるものから、事業の戦略等(外側)を決めていくのが「インサイド・アウト」

勿論「インサイド・アウト」と「アウトサイド・イン」のどちらが良い、悪い、という話をしている訳ではありません。しかしながら、外側の変化が激しく、先を読めない、正解がない事業環境においては、これからこの「インサイド・アウト」の発想での企業運営が主流になっていくのでは、と想像しています。そして若い世代もそちらを望んでいるのではないかなぁ。(高校生と中学生の子供たちと話すと、もうそれしか成立しないんじゃないかな、とも感じたり。)

※インテグラル理論で知られているケン・ウィルバーの4象限モデルがそれを以下のように示しています。


だからこそ、リーダーは自分の内側(内面)を観察するのが大切!


個人的な話になりますが、様々な情報や外側から与えられる「良し悪し」に対して働く思考に自らの命の舵取りを委ねるのではなく、自分の内側にある「心」、自分の肚の底にある想いから自らの命を生きたい、自らの人生の舵取りを外側ではなく内側に委ねたい、とここ数年強く思うようになり、様々な学びを継続しているのですが、直近のこの数か月間あまりは「マインドフルネス瞑想」の学びと実践を深めておりました。

学びを深める中で、日々頭の中が未来や相手、つまり外側に向けてせわしなく動き続けていて、自分の内面にどんな感情やニーズが息づいているかに気付けていない、という事実に絶望しました。。

自分が何を望んでいるのか、自分の中にどんなニーズがあるのかを分からずに生きている、という現実なんですよね。本当は自分のニーズを満たすために我々は生きているのに。

「何のためにこの仕事をしたいのだろう。」
「この人たちと時間を共に過ごすことで、どんな感情を得たいのか。」
「どんなニーズを満たすために私はこの仕事をしたいのか。」
「この会社、組織で働くことで社会的に満たされるニーズは?」

こういう、自分の内側に息づくものを、どの程度理解(自己理解)し、言語化(発信)出来るか。これからのリーダーはこの力を鍛えていくと、部下・メンバーも、そして自組織も繁栄するだろうなぁと。外側の戦略も描きやすくなるだろうなぁと、私はそう感じます。

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今日はこのあたりで終えたいと思います。次回は、自分の内側を観察できるようになることで、自分や周囲、そして組織にどんな好影響があるのか、を書いてみたいと思います。


現在、組織のリーダー層や管理職の方々向けに、内観力や発信力、そして組織影響力を高めるための研修をさせて頂いております。企業研修のお問い合わせはどうぞお気軽にこちらより頂けますと幸いです。

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