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第30回 あるべき姿を考えるということ


ー PROLOGUE ー

 2024年10月マンスリーゲストは、伊那食品工業株式会社 代表取締役社長 塚越英弘さん。長野県伊那市へ、逢いにいってきました。

2024年10月マンスリーゲスト 伊那食品工業株式会社 代表取締役社長 塚越英弘さん

 「かんてんぱぱ」でも有名な伊那食品工業株式会社は、創業67年。日本の伝統産業である寒天製造において国内トップシェアを誇る会社です。

今回は特別に、インタビュアーとして、鎌倉投信株式会社 代表取締役社長の鎌田恭幸さんにもご一緒いただき、スペシャルな対談が叶いました。

右から:鎌倉投信株式会社 鎌田恭幸さん / 伊那食品工業株式会社 塚越英弘さん / こまつあかり

ー INTERVIEW ー

鎌倉投信プレゼンツ「Finding the GOOD」今月のマンスリーゲストは、伊那食品工業株式会社 代表取締役社長 塚越英弘さんです。また、今回はインタビュアーとして、鎌倉投信株式会社 代表取締役社長の鎌田恭幸さんにもご一緒いただきます。引き続き宜しくお願いします。

「いい会社」について、塚越さんと鎌田さん、お二人それぞれのお考えを伺いました。なかでも、塚越さんが、社員やお客様やお取引先だけでなく、「地域」の皆さんにとってもいい会社でありたいとおっしゃったのがとても印象に残りました。地域との関係性について、意識されていることはありますか。

(塚越さん:以下、塚)まちづくりも企業の役割の一つだと思っています。地域があるから、会社が存続する。当社では毎朝、掃除をしているのですが、自分たちの敷地だけでなく、敷地外も定期的に掃除しています。

今日は長野県伊那市にある伊那食品工業株式会社の本社に伺っているのですが、「かんてんぱぱガーデン」という名前が掲げられていて、ここが会社の敷地内であることを忘れてしまうほど、開放的な空間となっています。この「かんてんぱぱガーデン」は常に地域の皆さんが出入りできる場所なのでしょうか。

(塚)はい。そうですね。「かんてんぱぱガーデン」の敷地面積はおよそ3万坪で、東京ドーム2個分の広さがあります。その中に、工場、本社、研究棟もありますが、その他に3つのお食事処と、寒天商品を購入できる「かんてんぱぱショップ」、美術館などが併設されていて、一般の方がいつでも入れるようになっています。また、2022年3月に「モンテリイナ」という複合施設をオープンしまして、「おいしい出会いのある食のセレクトショップ」をコンセプトに、全国の地域にある美味しいものを集めたショップも展開しています。地元の方だけでなく、観光客の方も含めますと、年間およそ40万人の皆様にご利用いただいています。

3万坪ある広大な敷地には様々な施設が併設されている
2022年にオープンした複合施設「モンテリイナ」には全国の美味しいものが集まる
目の前には雄大な伊那の自然が広がる
「かんてんぱぱガーデン」内には食事を楽しめるスポットも
寒天商品を購入できる「かんてんぱぱショップ」

年間で40万人ですか!それは素晴らしいですね!今お話を伺っている場所からは、赤松の松林を見渡すことができます。またその合間には、小さな美しい小川がせせらいでいます。敷地内に入るだけで身が清まるような、本当に気持ちのいい場所です。

(鎌田さん:以下、鎌)ほど近くに湧水があって、地元の方が毎日、湧水を汲みに来られるんですよね。

(塚)そうです。そうです。

なんて自然豊かな場所なんでしょうか。こういった伊那の美しい風景を保ち、守ることも、企業の責務であるとお考えなのですね。

(塚)おっしゃる通りです。

社会変容のスピードが時代と共に早まるなか、塚越さんの中で描いている、次なる挑戦やビジョンはどのようなものでしょうか。

(塚)寒天事業については、これまで通り突き進めていきます。もう一つ、これからの柱になりつつあるものは、こんにゃくの粉、つまり、マンナンです。寒天もこんにゃくも「食品」ですよね。その他の凝固性を持つものは、大体が「食品添加物」なんです。私たちは「食品」にこだわって事業を展開していく。この考え方が、今後の伊那食品工業の柱になるだろうと考えています。

人にとっても、自然にとっても、安心安全な素材に、とことんこだわっていくと。

(鎌)一つの食材をここまで突き詰めることは、他には絶対できないことだと思います。全社員のうち10%の人員を研究開発にあて、何十年も、この「10%の投資」を続けてきたからこそ、次なる展開が見えているのだろうとも思います。以前お話を伺った際に、食品以外に、美容や健康の領域への展望も可能性としてはあるとおっしゃっていたのですが、その可能性もまだあるのでしょうか。

(塚)可能性は十分ありますね。今現在も、寒天から抽出した成分を大学と共同研究してますが、そこにも可能性があることが見えています。まだまだやり尽くしきれてないですね。ただ、海外の市場を求めるということは、今はまだ考えていません。食品は多岐に渡ります。まだまだ使えていない分野があります。最近は日本国内の人口が減って、海外に市場を求める流れがありますが、私はまだまだ日本でやれることがたくさんあると思っています。

 やはり「あるべき姿」を考えることが大事だと思っています。それぞれの企業、業種、業態なりに、「自分たちは何を目指すのか」、「自分たちのあるべき姿とはどんなものなのか」、きちんと考えることがとても大事。私自身も「あるべき姿」を常々考えながらやっていきたいと思います。

(鎌)株式会社鎌倉投信は、伊那食品工業株式会社を見習って、「いい会社」を増やしましょうという想いで創業して頑張ってきている会社です。今日、お話を伺うことができて、改めて身の引き締まる思いでいます。ともに「いい社会」をつくりたいと思います。これからもよろしくお願いします。今日はありがとうございました。

(塚)ありがとうございました。

(完)


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ー Podcast ー

今回のインタビューを聴きたい人はプレイリストでチェック!

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ー CONCEPT ー

〜これからの社会に本当に必要な「いい会社」に投資する〜
鎌倉投信が提供するラジオ番組『Finding the GOOD』
全国を飛び回りゲストとクロストーク。
ものごとの「よさ」とはどこにあるのか。
さぁ。「いい」を探す旅に出よう。

ー PLAY LIST ー

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ー Instagram ー


写真家モロイユウダイ撮り下ろしインタビューショット
イラストレーターほりはる描き下ろし線画など
見つけた「いい」を集めています。

ー Youtube ー

収録前後の様子やインタビューの全貌をノーカット版で公開しています。

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