30歳迎える前に金髪にしてみた。あれから2年経ち…
20代最後の齢、あと数ヶ月で30歳を迎えるというときに
年甲斐もなく金髪にしてみた。
もう世間体なんてどうでもいいや。
そんな思いで、友達の美容院を予約した。
ブリーチの粘膜を刺すような匂いは、
「軽い背徳感」を彷彿させ、
カラー中の冷たさとしみる感覚は
「安牌」という感覚を頭の中から消し去っていった。
施術してくれている友人は同い年で
「もう俺ら30歳を迎えるんだぜ?」と私にいいながら
彼は超ロン毛で髭面である。
彼は自分のお店を持っている。
私には何があるか。
一般的に理解されにくいような商売を起こし、
ならず者とみなされてもおかしくないが
それなりには稼ぎがある。
今までは会社員をしながら自分の事業を
細々とやってきているだけで
なにも持ってはいない。
目に見えるものの尊さを改めて彼から感じる。
そうか、今俺は他人の目や評価なんて捨てたんだ。
だから金髪なんだ。
今までの自分を知っている人に
「?!」って思わせよう。
中には
「やっぱりあいつは頭おかしい。」って思う人もいるだろう。
それでいいのだ。
それからの生活は本当に自由だった。
金髪の30歳ってだけあってか、なにも期待されない。
求められるハードルが低くて余計なことは避けられる。
しかし、わかるひとにはバレる。
金髪の時期は仕事の誘いが増えていた。
「しょーもないやつだろう。」なのか
「ただ者じゃない」と思われるか。
究極の2択である。
その2極化のなかで仲を深められた人は
事業主または経営者ばかり。
覚悟を決めるだけで、これだけ世界が変わるんだな。
見た目を変えれば近寄ってくる人も変わってくる。
その新しい見た目で発する会話や言葉遣いが
人間関係を洗練されたものにしてくれた気がしている。
自分でルールを定められる人は
制限や制約を見るのではなく
自分のしたいようになるよう、環境を調整していく。
もちろん、自由には責任が伴う。
実力なければ、
自分の望む環境は叶えられないだろう。
そうして31歳の年越しを迎えようとしている。
この約2年間の結果、私はもう黒髪に戻れない。
「金髪のイメージが強い」という人しか私の周りにはいない。
29年間黒髪で生きてきたのが
今となっては違和感であり、
金髪が似合うことを今まで
なぜ気づかなかったのか不思議で仕方がない。
確実に2年間で人生を変えた。
環境も自分の姿勢も変えた。
状況も変わり続けており、
今までで最も多くのことを抱えている。
「年を重ねるほど、1年が早く過ぎていくように感じる」
というが
私は全くそう感じない。
1年は1年だ。365日のうち
どれだけの日数をだらだら過ごし、
どれだけの日を精力的に生きたか、数えられるだろう。
「無理したことも数日あったな。」
「あの日のスケジュールだけは2度と味わいたくない」と思える日もあれば
「あの日が人生の分岐点だったな。」って毎年末思い返せる。
もう自分には自分でやっていく道しかない。
正社員で働くことはもうないだろう。
あれ。クリスマスを独り身で過ごすのって
もう何年目だろう。
もう5年目か?
光陰矢の如しとは、まさしくこのことだなぁ~。
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