非接触型決済とは?分類とそれぞれの特徴
こんにちは!今日は、非接触決済について書いてみたいと思います。
以下目次です。
1. 非接触型決済とは
非接触型(コンタクトレス)決済とは、差し込みやスワイプを行わなくても支払える仕組みのことです。
Suica、ICOCAなどのFelicaは日本の鉄道会社各社によって運賃支払いカードとして使われており、馴染み深いのではないでしょうか。
非接触と言いつつ、「タッチしてください」とアナウンスされます。
実際には10cm程度離れていても通信できるタイプもあり、改札などはタッチしなくても読み込めることがあります。
タッチを求めるアナウンスは、遠すぎることによる通信エラーを防ぐために考え出された手法なようです。
2. 非接触型決済の分類
非接触型決済に使われているのは、NFC(Near Field Communication)という技術です。NFCにはNFC-A/B/F/Vの4種類があります。
NFC-A/Bはセキュリティ機能が高く安価なことから、金融関係や国で使用するマイナンバーカード/パスポート等で使用されています。
商品名としてはMifare(マイフェア)というものがあり、オランダのNXPセミコンダクター社が製造する非接触型ICチップです。
キヤノンマーケティングジャパングループによると、Felicaスタンダードのカードあたり単価が800円であるのに対して、Type-Aの商品名であるMifareは単価300円程度で発行することができます。
FeliCaに使われているNFC-Fは高いセキュリティ機能を持ちながら通信が迅速であり、主に交通系ICカードで使用されています。
FelicaはNFC-Fを用いた非接触型ICチップの商品名であり、SONYが提供しています。
Type Vはセキュリティ機能が限定的ながら通信距離が確保できるため、物流管理や駐車場、図書館での書籍貸出管理やスキー場のリフト券などで利用されています。
3. 導入事例
NFC-A/B : EMVコンタクトレス-クレジットカードのタッチ決済
NFC-A/Bは前述のように、価格が安くセキュリティに優れています。
そのことから、マイナンバーやパスポートなどの読み取りやクレジットカードの国際ブランドタッチ決済に用いられています。
クレジットカードの国際ブランドタッチ決済に用いられるのが、EMVコンタクトレスです。現在はマスターカードと経営統合したユーロペイ(EuroPay)、マスターカード、ビザ(Visa)の頭文字からEMVという名前になっています。
JCBほか多数のクレジットカードが参加しましたが、規格の名前には入れてもらえなかったようです。
この規格を用いてクレジットカード各社はタッチ決済を提供していて、VisaはCMを放映するなど、熱心なマーケティングを行なっています。
Visaが印象的ですが、マスターカードもJCBもタッチ決済に対応したカードを発行しています。
NFC-F : QUICPay、iD
NFC-Fを用いるFelicaは、処理の速さとセキュリティの高さが特徴です。
日本ではNFC-A/Bが普及する前からNFC-Fが普及しており、代表格はなんといっても交通系ICです。
他にも、nanacoやwaonなど、リテール系の電子マネーでも用いられています。
最近になって出てきているのは、QUICPayやiDなど、クレジットカードの残高をNFC-Fで使うことができる仕組みです。
使用者としてのEMVコンタクトレスとの違いは何かあるのでしょうか?
「Felicaの方が決済スピードが早い」と言われることがありますが、Felicaを用いた決済スピードが早いのは改札限定の話であり、加盟店で買い物をした場合にはそうとも言えないようです。
筆者の感触としては、クレカのタッチ決済が出てきた頃はQUICPayの方が早かったけれども、最近はあまり変わらない気がします。
4. Felicaが淘汰される?非接触型決済のこれから
ソニーが開発したFelicaは、非接触型決済として、世界に先駆けて日本で普及しました。広くは鉄道各社によって用いられ、現在は香港やバングラデシュでも用いられています。
QUICPayは、EMVコンタクトレスが日本で普及する前から日本で普及していました。iPhoneによるFelicaへの対応は、交通系ICやQUICPayなどの機能をApple Payに登録することを可能にしました。
一方で、日本でも一部の鉄道会社はEMVコンタクトレスによる乗車を導入するなどの動きがみられるほか、Felica系クレジットカード決済についてもその存在意義に疑問が投げかけられています。
NFC Type-A/Bに統一される日も近いのかもしれません。