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企業が顧客にクレカを作らせるのはなぜか

こんにちは、BUDOUです。
今回は、スーパーや通信会社など、金融に関連しない会社が独自のクレジットカードを作らせようとしてくるのはなぜなのか書いてみました。



1. クレジットカード事業が儲かるから

クレジットカードに関わる事業者にはいくつか種類がありますが、ここではイシュアとしての立場について書きたいと思います。
イシュアとは簡単に言えば、クレジットカードを発行する事業者のことです。私たち消費者から見たいわゆる「カード会社」です。
詳しくは以下に書いてあります。

1-1. ショッピング利用による収入

上記の記事にもある通り、ユーザーが加盟店でクレジットカードを使うと、巡り巡ってイシュアは「インターチェンジフィー」と言われる手数料を受け取ります。これはおよそ決済額の1〜2%と言われており、コンビニで100円のお菓子を買った場合には、イシュアに1〜2円の収入が入ることになります。

クレジットカードの仕組み
(BUDOU作成)

クレジットカードは日本のキャッシュレス決済の8割程度を占めていて、「普段は現金派でも大きな買い物はクレジットカードでする」という人もいるので、多くの手数料がイシュアに入ると想像できます。

1-2. 自社サービスでの利用によるコスト削減

クレジットカード事業以外の消費者向けの事業をしている企業の場合は、自社が発行するクレジットカードを使ってもらうことはコストカットになります。

楽天市場の場合で考えてみると、
楽天市場で他社のクレジットカードや、その他キャッシュレス決済が使われた場合、楽天はほかの企業に手数料を支払わなければなりません。
一方で、楽天カードが使われた場合には自社サービスとなるので、社外への費用の流出がありません。

このように、加盟店として規模が大きい事業者の場合には、自分でクレジットカードを発行することでコストを削減できます。

1-3. カードローン・キャッシング利用による収入

クレジットカードは与信を与えて、1ヶ月単位の借金をさせながら使ってもらう仕組みです。引き落としまでに現金が足りない顧客に対しては、カードローンやキャッシングの利用を促します。カードローンやキャッシングでは、手数料・利息収入を得ることができるので、さらに収益が増えます。

これは、クレジットカード以外の決済手段にはあまりないメリットです。例えば、プリペイド式の電子マネーでは、チャージされた分しか使うことができないので、ローンの利用には結びつきません。

クレジットカードは、後払いであることを巧みに利用し、普通の人にとっては利用ハードルの高い貸金サービスを利用させていると言えます。

1-4. 年会費収入

クレジットカードには、年会費が有料なものもあります。特にゴールドカードやプラチナカードなどのステータスカードでは、数万円〜の年会費がかかるカードもあります。

多くの会員を集めることができれば、年会費収入も非常に大きな収益となり得ます。特に昨今、経済産業省では「加盟店手数料を下げるぞ」という動きが出てきており、年会費収入は今後さらに重要性を増すと言われています。

2. クレジットカードで自社サービスの利用を促進できるから

2-1. ポイントによる利用促進

楽天カードやPayPayカード、dカードやvポイントを見ていてわかる通り、独自ポイントを付与することで自社の経済圏に囲い込みをすることができます。

普段の買い物で一定のポイントを貯め始めると、「もっと貯めたい」と思うようになるため、より高い付与率でポイントを貯めることのできる、関連サービスを使いたくなります。

例えば、楽天カードで普段買い物をしていれば、ネットショッピングがしたいときには、楽天市場を使うことが多くなると思います。また、携帯電話を選ぶときには楽天モバイル、旅行をするときには楽天トラベル、、といったように、一つの経済圏に寄せていった方がお得につながります。

特に、年会費が有料の場合にはスイッチングコストがあり、さらに「元を取りたい」という意識が働くため、自社サービスへん囲い込みと利用促進につながります。

このように、クレジットカードの発行を入口として、ポイントを付与してもっと自社のサービスを使ってもらうことも、クレジットカードを発行させたい理由の一つです。

2-2. 利便性向上による利用促進

独自のクレジットカードを作ってもらうことで、自社のサービスをより便利にして、利用を促進している場合もあります。

例えば、JR東日本の交通系電子マネーであるSuicaでは、ビューカードを利用した場合に限り、クレジットカード決済によるオートチャージが行えます。
いちいち改札やアプリ上でチャージをする必要がなく、常にSuicaに一定額が入っている状態になるため、鉄道やSuicaの利用を促進することができます。

このように、自社サービスをより便利にすることで、利用を促進したいという狙いもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。企業がクレジットカードを作らせたい理由には、クレジットカード事業そのものが儲かるビジネスである他に、自社サービスへの囲い込みや利用促進があることがおわかりいただけたかと思います。
消費者としてクレジットカードを作るときには、こうした企業側の意図を見透かしつつ選びたいですね

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BUDOU
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