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競馬小説カフェ・ド・イーグル~ヨノナカバカナノヨ・2025きさらぎ賞・東京新聞杯~
トップ画像引用:Amazon
■ 倍返し
2025年2月3日(月)午後7時
-岩手県某市早起村 カフェ・ド・イーグル-
「ミスター・・・あのテーブルの女性客、大丈夫でしょうか?」
貫一郎が声をひそめていった。視線は目だけを動かし、店の角にあるテーブル席をとらえている。
ミスターは目をつぶり小さく顔を左右に振った。放っておけという意味だ。それから10分ほどして、そのテーブル席の客は店を出ていった。スーツ姿の男性がふたりと、若い女性がひとり。
貫一郎が心配していたのは、その女性客のことだった。男性が提示する書類に何やら書き込んでいる様子が見えたからだ。
「脅されて何か買わされていたんじゃないでしょうか?」
「いや貫ちゃん、そうじゃねえぜ」
イカ社長が眞露の水割りが入ったグラスを置いた。
「男性のひとりはおそらく金融関係だろう。もうひとりのほうはスカウトマンだ」
イカ社長が考えたストーリーは次のようなものだった。浪費癖のある女性は借金が雪だるま式に膨らみ、にっちもさっちもいかなくなった。A金融から100万。Bファイナンスから200万。C銀行から100万・・・
それを知ったある消費者金融会社G社が、うちで一本化しませんかと女性に融資話を持ち掛ける。ABCDEF・・・合計800万ほどある借金をG社が肩代わりするのだ。女性はG社にのみ、今までよりも楽なペースで支払いを続ける。
ところが、浪費癖が治らない女性は、G社への支払いも滞るようになる。そこで、スカウトマンの登場だ。このまま支払いを続けても、完済までには10年以上かかりますよ。ある方法なら、2年から3年、いや、その気になれば1年で完済することだって夢でありませんよと。
「それって怪しい仕事じゃない?」
ケチャ子がイカ社長にいった。
「・・たとえばセクシー女優とか?」
「その通り! ていうかそんな仕事でもなけりゃあ、800万もの借金を1年で完済なんて無理だろうな」
「悲しい話だけど・・」
聖子ママが眉根を寄せていった。
「お互い納得の上の契約で、しかも合法ならば私たちにはなにもできないわね」
貫一郎がうーんと唸ってから腕を組んでいった。
「でも、女性はだいぶ悩んでいたみたいですけど・・」
「迷ってる女性に使う、とっておきの殺し文句があるのさ」
イカ社長が貫一郎をみていった。
「おめえさんのその豊満な胸で稼げるぜ! やりまくればやりなおせる! パイ返しだ!」
「社長さん、もしかしてそのスカウトマンの名は・・」
ミスターがそこまでいったところで、イカ社長もかぶせるようにいった。
「FANZAWA直樹!!」
「くだらないわよ!!」
ケチャ子がふたりに突っ込み、店内は笑いに包まれた。
■ ぷよぷよ
みんなの笑い声がおさまったとき、店のドアベルが鳴った。だが、客が入ってくる気配はない。空耳だったかなと誰かがつぶやき、聖子ママが入口へ歩み寄ったそのとき、ドアがちょうど顔の幅程度に開き、髭面の男が顔を覗かせた。町中華「中華雑技団」のくろたんだった。
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「キャーーーー!!」
悲鳴をあげたケチャ子だったが、男がくろたんだとわかると履いていた靴を両方脱ぎ、くろたんのほうに向かって投げつけた。ひとつ目はかわしたくろたんだったが、ふたつ目が額に命中し、うっという低い声を漏らした。
額をさすりながらイカ社長の右に腰をおろしたくろたんに、ミスターが尋ねる。
「ハイヒール型ボトルのウイスキーがありますがいかがしましょう?」
「いらんいらん! いつものをくれ!」
ミスターが響のロックを用意している間、くろたんは冷たいおしぼりで額を冷やしながらいった。
「2月4日のJRA-VAN公式X・・・『ぷよぷよの日』なんていうネタをぶちこんできましたよ」
(2/4) JRA−VAN公式
ぷよの日 → 「ぷよぷよ記念日」
ぷよぷよ:発売元 セガサミー (里見治)
きさらぎ賞
サトノシャイニング (2/4生まれ・里見治)
サクラバクシンオー( 4/14生まれ)
東京新聞杯
(サクラ)トゥジュール ( 4/14生まれ)
「浮上するのはきさらぎ賞のサトノシャイニングと、東京新聞杯のサクラトゥジュール。どちらか一頭だけが当たりなら、私はサトノのほうを取りますね」
(2/4) JRA−VAN公式
— くろたん (@heizhaogon63368) February 4, 2025
ぷよの日
「ぷよぷよ」
どうでもよいネタをぶっ込んできましたね
ぷよぷよ 発売元 セガサミー (里見治)
きさらぎ賞
サトノシャイニング (2/4 里見治)
サクラバクシンオー 4/14
東京新聞杯
サクラトゥデュール 4/14
1頭しか使わないなら、サトノを取ります pic.twitter.com/tzDDWWMlq1
「なるほど! さっきの演出はジャック・ニコルソンの『シャイニング』だったんですね!」
感心したようにいった貫一郎を、くろたんは一瞥したが何もいわなかった。琥珀色の液体を喉に流し込み、「中華雑技団」へと戻っていった。
■ しらさぎステークス
2025年2月4日(火)午後7時半
-岩手県某市早起村 カフェ・ド・イーグル-
翌日の夜。常連客の話題はきさらぎ賞のレースタイトルのことだった。ケチャ子がいった。
「きさらぎ賞というタイトルをみて思いだしたんだけど、今年しらさぎステークスという重賞が新設されるのよね?」
ミスターが頷く。
「旧米子ステークスですね。1月22日のJRAニュースで、GⅢの昇格申請が承認されたと発表がありました」
「俺は米子ステークスのほうが名前としては好きだったがなあ・・・まあ、JRAが決めたんならしょうがねえか・・」
イカ社長がさも残念そうにいった。米子市といえば鳥取県。鳥取県といえば角田晃一・・・・・米子ステークスという名称のまま重賞昇格とならなかった理由をひとつ思いついたが、それはいうのをやめた。
「話を戻すわね」
ケチャ子がみんなにいった。
「しらさぎときさらぎ。なんだか似てるなあと思って。しかも今週、小倉にはかささぎ賞もあるでしょ?」
2/9(日)
小倉09R かささぎ賞
京都11R きさらぎ賞
6/22(日)
阪神11R しらさぎS(新設重賞)
「かささぎ、きさらぎ、しらさぎ・・・なんだか早口言葉みたいですね」
貫一郎がそういうと、みんながなるほどなあと同意した。
■ マイブーム
10分間の休憩後、イカ社長がミスターに訊いた。
「そういやあおめえさん。最近は懐かしの歌謡曲にはまってるのかい?」
「ああ、Xのポストですね」
ミスターが照れくさそうに答えた。ミスターは最近、Xで「今朝のプレイリスト」というネタをポストしている。同じ作曲家が作ったいくつかの懐かしい曲を、ただまとめてポストしているものだ。
「作ってみると意外と面白くてですね。へえ、この曲もこの人が作ってたんだという新しい発見もあります」
「何日分か予定を組んであるの?」
ケチャ子の質問に、ミスターはスマホを操作した。
「そうですね、土曜日の分までは決めてあります。明日水曜日がNOBODY、木曜が財津和夫、金曜が中島みゆき、土曜が織田哲郎です」
「へえー! 財津和夫って作曲もしてたんですか? だからピアノのCMに・・」
真顔でピアノを弾くしぐさをしている貫一郎に、聖子ママが笑いながら突っ込んだ。
「ピアノ売ってちょうだーい♪ ・・ってそれは財津一郎のほうよ!」
「きびしーーー!! ってな?」
イカ社長が右手で左の耳を触りながらいったが、笑ったのはミスターと聖子ママだけだった。
■ 世迷い言
「なあミスター、中島みゆきの日のプレイリストだけこそっと教えてくれよ」
イカ社長に何度も懇願されて、ミスターが渋々応じた。
「中島みゆきの提供曲はヒット曲が多いのでかなり迷いましたが、なんとか6曲に絞りました」
研ナオコ 「あばよ」
加藤登紀子「この空を飛べたら」
桜田淳子 「しあわせ芝居」
柏原よしえ「春なのに」
TOKIO 「宙船」
日吉ミミ 「世迷い言」
「宙船! シルクロードステークスでメイショウソラフネが出たばかりですよね?」
貫一郎がいった。ミスターが笑顔で頷く。それもあっての選曲だったらしい。
「日吉ミミの『世迷い言』、いいねえ。『ムー一族』の曲だったよなあ」
そういって目を細めるイカ社長に促され、聖子ママがカラオケをいれた。
「ヨノナカバカナノヨ・・・って面白――い!」
歌を知らなかったケチャ子は新鮮な驚きの表情をみせた。ミスターが尋ねる。
「回文になってるの気づきました? ヨノナカバカナノヨ 下から読んでもヨノナカバカナノヨ」
「ああ! だから上から読んでも下から読んでもヨノナカバカナノヨって歌詞なんですね?」
今さら気づいたのかよとみんなが貫一郎に突っ込んだ。
■ きさらぎ賞
2025年2月5日(水)午後7時
-岩手県某市早起村 カフェ・ド・イーグル-
「きさらぎ賞を教える騎手、見つけたかもしれません!」
昨日、日吉ミミの『世迷い言』の回文に気づけなかった失態を帳消しにすべく、貫一郎がみんなにいった。
「きさらぎをローマ字にして、逆から読んでみてください!」
KISARAGI ↔ (IGARASI)K
ひとり、またひとりとあっという声を挙げた。きさらぎをローマ字に直し逆から読むと、「五十嵐」が入っているのだ。
「貫ちゃんでかしたぜ! サイン騎手は五十嵐雄祐だな?」
イカ社長の言葉に貫一郎は頷き、ここ3年続いている「五十嵐姓」のサインを披露した。
2022/2/6(日)小倉10R
2-(03)テイエムラッシュ(五十嵐)忠男
同日 きさらぎ(IGARASI)賞
3-(03)ダンテスビュー 2着
~~~
2023/2/5(日)中京1R
(2-02)テイエムラッシュ(五十嵐)忠男
同日 きさらぎ(IGARASI)賞
(2-02)フリームファクシ 1着
※同年2月28日 五十嵐忠男調教師 引退
~~~
2024/2/4(日)小倉4R
(3-03)テンコマンドール(五十嵐)雄祐
同日 きさらぎ(IGARASI)賞
(3-03)ウォーターリヒト 2着
~~~
2025 きさらぎ賞
(ウォーター)ガーベラ
2025 東京新聞杯
(ウォーターリヒト)
みんながおおという声を挙げた。貫一郎が続ける。
「五十嵐忠男調教師の場合、出走馬が複数いるのが難点でした。ですが、障害専門といっていい五十嵐雄祐騎手の場合、きさらぎ賞当日に騎乗があっても1鞍のみのことが多い。ピンポイントサインというわけです!」
おおという声が挙がるなか、申し訳なさそうに聖子ママがいった。
「貫ちゃん・・・すごくいいサインだけど、五十嵐雄祐騎手は1月19日を最後に騎乗がないわ・・」
がっくり肩を落とす貫一郎に、みんなは掛ける言葉がなかった。
五十嵐雄祐騎手は現在、落馬負傷の影響と思われる休養に入っていた。1月13日に騎乗予定だった馬が小牧加也太騎手の乗り替わった翌週、1月19日には1鞍騎乗があったが、それが今年最後の騎乗となっている。
「詰めが甘いですね・・すみません」
貫一郎が声を絞りだした。
■ 佐賀記念
2025年2月6日(木)午後7時45分
-岩手県某市早起村 カフェ・ド・イーグル-
「貫ちゃん、五十嵐雄祐のサイン、あるかもしれませんよ!」
たった今終わったばかりの佐賀記念の結果が確定したのを確認し、ミスターがパンと手を叩いた。
2/6(木)佐賀10R
第52回 佐賀記念JpnIII 11頭
1着:2-02 メイショウフンジン(正2)
2着:8-10 シンメデージー (逆2)
みんながミスターに注目した。話がまだみえてこない。
「11頭立てで正逆2番の対角ゾロ目決着。シンメを含む馬が2着でシンメトリー決着というオチもありますが、注目はデージーという馬名です。五十嵐雄祐といえばニシノデイジーですよ! 彼の直近勝利レースが昨年の中山大障害です」
2024/12/21(土)
第147回 中山大障害 9頭
1着:8-08(右)ニシノ(デイジー)(逆2)五十嵐雄祐
Nishino(Daisy) ※五十嵐雄祐 直近勝利レース
~~~
佐賀記念
8-10(右)シンメ(デージー)(逆2)
Shimme(Daisy)
中山大障害
8-08(右)ニシノ(デイジー)(逆2)
Nishino(Daisy)
~~~
「なるほどなあ・・」
イカ社長がいった。
「8枠右とデイジー馬名の共通点。この位置がきさらぎ賞に飛ぶっつう推理だな?」
「ニシノデイジーがサイン馬である可能性を高めてくれるのが・・」
ミスターが指を一本顔の右に立てた。
「この馬が東京スポーツ杯2歳ステークスを勝っているという点です!」
■ キングヘイロー
「重賞インフォメーション。今週は1999年の東京新聞杯、キングヘイローでした。この馬も、東京スポーツ杯を勝っています」
重賞インフォメーション
過去優勝馬 1999 東京新聞杯
キングヘイロー
(1997 東京スポーツ杯3歳S 1着)
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みんながなるほどという声を挙げた。
キングヘイロー登場が「東京スポーツ杯2歳S勝ち」も示唆しているのなら、佐賀記念の2着馬シンメデージーとの合わせ技で、五十嵐雄祐のお手馬であるニシノデイジーの中山大障害が浮上するというカラクリである。
■ サクラトゥジュール
「きさらぎ賞は8枠右に注目として・・」
聖子ママがいった。
「東京新聞杯は連覇のかかるサクラトゥジュールが面白いかも。キングヘイローの東京新聞杯をみてみて」
1999 東京新聞杯
1着:6-11(キング)ヘイロー
2着:1-02 ケイワンバイ(キング)(せん7)
3着:8-16 シンボリフェザード(せん7)
東京新聞杯
サクラトゥジュール(Rキング)(せん8)
みんながおおという声を挙げた。
キングヘイローの東京新聞杯は、キング馬名のワンツー決着で、2着馬と3着馬はいずれもサクラトゥジュールと同じせん馬なのだ。ミスターがパソコンを素早く操作する。
「ビンゴですね! 東京新聞杯でせん馬が馬券になったのは、この1999年が最後です。さかのぼっても過去にせん馬の優勝例はありません。今年サクラトゥジュールは、3つの『史上初』に挑戦することになります!」
みんながミスターに注目した。
「東京新聞杯におけるせん馬の勝利、8歳馬の勝利、そして連覇です!」
東京新聞杯
サクラトゥジュール(せん8・昨年覇者)
勝てば東京新聞杯初の「8歳馬の優勝」「せん馬の優勝」「連覇」達成
みんながおおという声を挙げ、カフェ・ド・イーグルのきさらぎ賞注目ゲートと、東京新聞杯注目馬が決まった。
カフェ・ド・イーグル
きさらぎ賞 注目ゲート「8枠右(9番)」
東京新聞杯 注目馬 サクラトゥジュール
■ チェルヴィニア
2025年2月7日(金)午後6時45分
-岩手県某市早起村 カフェ・ド・イーグル-
ケチャ子と貫一郎が揃うのを誰よりも待ち望んでいたイカ社長は、ふたりの前に飲み物が揃ったのを確認し口を開いた。
「昨日注目馬にあがったサクラトゥジュール。連覇があるなら1番と思ってたが、ドンピシャ入れてくれやがったぜ! こりゃあサクラトゥジュールの単勝一本釣りができそうだぞ!」
2024 東京新聞杯
(1-01)サクラトゥジュール(Rキング)1着
2025 東京新聞杯
(1-01)サクラトゥジュール(Rキング)1着?
「昨年と同じ1番という点が重要なんですね?」
イカ社長は貫一郎の問いに大きく顎を引く。
「JRAのトップ画像さ。キング騎手のパンツの文字が見えるだろう? レイチェルのチェルの部分が」
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みんながイカ社長に顔を向けて解説を求める。
「いいかい? チェルといやあ昨年牝馬二冠を達成したチェルヴィニアだ。勝利ゼッケンは12番と5番だった・・・スリーペアのうちのふたつさ」
<2024 牡牝6冠 スリーペア>
05番 ダノンデサイル(ダービー)
05番 チェルヴィニア(秋華賞)
12番 ステレンボッシュ(桜花賞)
12番 チェルヴィニア(オークス)
13番 ジャスティンミラノ(皐月賞)
13番 アーバンシック (菊花賞)
「つまりだ。画像に『チェル』が見えるものを使ったのは、チェルヴィニアの5番と12番を示唆。騎手名のキングは残るひとつの13番・・・ペアを示唆してる」
ミスターが大きく頷いてあとを引き継いだ。
「だからサクラトゥジュールが連覇を達成するなら、昨年と同じ1番でペアを作ると?」
「そういうこった。チェルヴィニアの二冠ゲートは12番と5番。引き算すりゃあ7番だ。そしてチェルヴィニアの鞍上はルメール・・・7番、ルメール、連覇・・・」
「イクイノックスね!」
ケチャ子が真っ先に気が付いた。ミスターがパソコンを操作する。
「すごいですね、社長さん。同一重賞を同一ゲートで連覇した直近の馬。まさに秋天のイクイノックスですよ!」
2025 東京新聞杯
1-01 サクラトゥジュール
勝てば同じゲートでの同一重賞連覇
<同一重賞 同一ゲートで連覇 直近達成馬>
2022 天皇賞(秋)
4-(07)イクイノックス(ルメール)
2023 天皇賞(秋)
6-(07)イクイノックス(ルメール・連覇)
■ サクラバクシンオー
「きさらぎ賞にショウヘイという馬がいるけど・・」
聖子ママがポツリといった。
「イクイノックスの7番とサクラトゥジュールの1番で17番・・・サクラトゥジュール自身も、京都金杯の7番と東京新聞杯の1番で17番だわ。大谷翔平ね」
ミスターが続く。
「7番と1番を足し算すると8番・・・ぷよぷよの日のサクラバクシンオーが8番・・・おあとがよろしいかもしれませんよ」
みんながなるほどと声をあげ、カフェ・ド・イーグルの本命馬が決定した。
カフェ・ド・イーグル
きさらぎ賞 本命馬
8-09 ウォーターガーベラ(8枠右)
東京新聞杯 本命馬
1-01 サクラトゥジュール(連覇狙い)
2月4日は語呂に合わせて #ぷよの日 。人気パズルゲーム「ぷよぷよ」の記念日ですが、ゲームを象徴する連鎖は競馬の血統に通じる面も。1967年に輸入されたテスコボーイに遡る血は #サクラバクシンオー などを通じて連綿と繋がり、現在もトウシンマカオらが最前線で活躍しています。 pic.twitter.com/hkPs2pEn3Z
— JRA-VAN公式 (@JRAVAN_info) February 3, 2025
■ 京都競馬場
2025年2月8日(土)午後5時
-岩手県某市早起村 カフェ・ド・イーグル-
「京都競馬場が中止になっちゃったわね・・」
生ビールのジョッキを片手にケチャ子がいった。イカ社長が頷く。
「あの雪じゃしょうがねえだろうなあ・・・雪がすくねえ沿岸とはいえ、北東北のここが晴天だとなんだか申し訳ねえ気がするぜ」
そんな言葉とは裏腹に、イカ社長のピッチは今日も早く、すっかりできあがっている。おかわりの生ビールを貫一郎に渡しながら、聖子ママがいった。
「雪が多い地域に同情しても、JRAからお金が振り込まれるわけじゃないわ。あたしたちはありがたく予想のほうに集中しましょう」
「それもそうですね」
貫一郎が顎を引いていった。
「オッズがないきさらぎ賞は後回しにして、東京新聞杯の予想を固めましょう」
■ 大谷翔平
「軸は昨日決めた通りサクラトゥジュールでいいですね?」
ミスターが確認を求めるようにいった。イカ社長が応じる。
「今週のニュースは大雪関連と水原一平・・・大谷翔平の17番でいいだろう。昨年はホームランキング・・・鞍上はキングだ」
東京新聞杯は16頭立てである。イカ社長がいう17番とは、サクラトゥジュールがいる1枠1番のことだ。循環して正17番、大谷翔平の背番号というわけだ。
「サクラトゥジュールが勝てば3つの史上初だといいましたよね?」
貫一郎がミスターのほうをみていった。ミスターが頷く。
「そうですよ貫ちゃん。東京新聞杯における連覇、8歳馬の優勝、せん馬の優勝。この3つです」
「ということは、サクラトゥジュールが示唆するものは史上初と繰り返しじゃないでしょうか? 大谷翔平選手に、昨年のような大活躍を期待し、なんらかの史上初の記録も作ってもらう・・・」
貫一郎のその言葉を合図に、みんながスマホを手に取った。ミスターはパソコンを操作する。
■ 40-40
数分後、最初に声を挙げたのはミスターだった。大谷翔平が今年達成しそうな、「史上初」かつ「繰り返し」の記録があるという。
「昨年話題になった40-40ですよ。昨年は次元がひとつ違う50-50までやっちゃいましたから、投手を兼任する今年だって40-40なら十分可能性があります」
みんなが頷く。
「大谷翔平が今年も40-40達成なら、『史上初』かつ『繰り返し』です!」
<MLB 40-40 達成者>
1988 ホセ・カンセコ (42-40)
1996 バリー・ボンズ (42-40)
1998 アレックス・ロドリゲス(42-46)
2006 アルフォンソ・ソリアーノ(46-41)
2023 ロナルド・アクーニャ・Jr(41-73)
2024 大谷翔平 (54-59)
参考サイト:Wikipedia 40-40クラブ
大谷翔平が2025も達成なら、
二度達成は史上初 → 【1】人目
40-40達成者 延べ 【7】人目
東京新聞杯
1-(01)サクラトゥジュール
4-(07)ブレイディヴェーグ
「なるほどなあ・・」
イカ社長がいった。
「40-40を二度達成した選手はなし・・・つまり『繰り返し』なら文句なしで『史上初』ってわけだ。サクラトゥジュールが勝てばぴったりだぜ!」
「ブレイディヴェーグがルメールというのもいいわね。サクラトゥジュールが勝てば、直近では秋天のイクイノックス以来の同馬番での同一重賞連覇でしょ?」
ケチャ子の言葉にみんながそうだったと頷いた。聖子ママは、1番サクラトゥジュールのさらなる推しネタを挙げる。
「今年、大谷翔平君のチームメイトに佐々木朗希君が加わったわ。小倉日経賞の1番が佐々木君よ」
小倉11R 小倉日経賞
(1-01)レッドランメルト(佐々木大輔・東京HR)
(東京)新聞杯
(1-01)サクラトゥジュール
「大谷翔平も佐々木朗希も僕たちと同じ岩手県出身・・」
貫一郎がいった。
「大谷翔平は花巻東高校出身・・花と東・・サクラトゥジュールが当たりなら、そういうことかもしれませんね」
大谷翔平 花巻東高校出身
(東)京新聞杯
(サクラ=花)トゥジュール
「よし! 大谷翔平馬券の馬連1-7を含む枠連1-4が本線でどうだろう? 40-40まで馬券でやっちゃうなら、1-7-8、1-8-7の4枠ゾロ目を連れてくるかもしれねえぜ?」
イカ社長の提案にみんなが同意し、カフェ・ド・イーグルの勝負馬券が決まった。
その後のきさらぎ賞の検討では、軸馬に挙げていた9番ウォーターガーベラから、やはり大谷翔平馬券からショウヘイへの馬連とワイドで勝負となった。
カフェ・ド・イーグル
きさらぎ賞 勝負馬券
◎9番 ウォーターガーベラ
〇6番 ショウヘイ
馬連・ワイド:6-9
東京新聞杯 勝負馬券
◎1番 サクラトゥジュール
〇7番 ブレイディヴェーグ(4枠)
単勝:1番
枠連:1-4
3連単:1→(7.8)→(7.8)2点
■ 編集後記
サクラトゥジュールを管理する堀宣行調教師は、重賞連覇が多い調教師です。
<堀宣行 同じ馬で重賞連覇(同じ馬で同一重賞2勝)>
ステイヤーズS(2015-2017)
アルバート ※3連覇
フェブラリーS(2021-2022)
カフェファラオ
京都記念(2016-2017)
サトノクラウン
高松宮記念(2010-2011)
キンシャサノキセキ
※2011は阪神代替
阪神カップ(2009-2010)
キンシャサノキセキ
阪神カップ(2014-2015)
リアルインパクト
隔年連覇も以下の3頭がいます。
阪神牝馬S(2007・2009隔年)
ジョリーダンス
中山記念(2021・2023隔年)
ヒシイグアス
毎日王冠(2020・2022隔年)
サリオス