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競馬小説カフェ・ド・イーグル~オジュウチョウサン・2024阪神JF・中日新聞杯・カペラS~
トップ画像引用:ウマニティ
■ とび職の柳田
2024年12月2日(月)午前7時15分
-岩手県某市早起村 カフェ・ド・イーグル-
早起村の朝は早い。ケチャ子がモーニングAセットのスクランブルエッグにたっぷりとケチャップをかけているときに、その青年はやってきた。
「ええと、貫一郎さんはまだ来てませんよね?」
「ああ、いらっしゃい。今日貫ちゃんと仕事をする柳田さんですよね?」
ミスターが声を掛けると、青年はそうです柳田ですと答えた。待ち合わせ時刻は7時半だという。15分前も前に来たのは、何か飲むつもりでいたのだろう。
便利屋稼業をしている貫一郎は、仕事内容によっては日払いで助っ人を雇うことがある。例えば引っ越しシーズンだと、家具や荷物が多い家族の作業を請け負ったときに、人材派遣会社から何名か回してもらうことがある。
今日は、小さいアパートの外壁工事の足場をバラす作業だったために、とび職の柳田を一日雇ったのだ。
ミスターがいった。
「貫ちゃんはまだですよ。どうぞお好きなお席でお待ちください」
「あ、はい。じゃあコーヒーをお願いします」
青年はカウンターのほうに一瞬視線をやったが、奥のテーブル席に腰をおろした。今どきの若い肉体労働者といえばいいのだろうか、ツンツンに立てた茶髪で、両耳にはピアスの穴が空いている。
体型はいわゆる細マッチョという感じで背丈は180センチはありそうだ。日焼けした顔は精悍な雰囲気があるが、やや垂れている目が優しい印象を与えている。
上はポケットがたくさんついた作業着で、下はニッカポッカというとび職らしい恰好をしている。上下とも洗濯したての綺麗な身なりであったが、カウンターではなくテーブル席にしたのは、周囲の目を気にしたのだろう。
聖子ママからコーヒーを受け取ったケチャ子は、青年のもとにコーヒーを運び、うやうやしく頭を下げた。
「今日は貫ちゃんがお世話になります。同棲している景子です。訪問看護と訪問リハビリの仕事をしています」
こちらこそお世話になっていますと、彼はテーブルに手をついて頭を下げた。その時、テーブルがほんの少し柳田のほうに傾いた。
「すみません。このテーブル、ちょっとガタついているみたいなんですが脚をみてみてもいいですか?」
柳田に声をかけられたのはミスターだったが、聖子ママが答えた。
「あらやだ。いつも脚の下に厚紙を折ったのをかましてたんだけど、いつの間にかとれちゃったみたい」
その言葉が終わらないうちに、柳田は外に止めてあった仕事用のライトバンに工具箱を取りにいった。戻ってくるとコーヒーを隣のテーブルの上に乗せ、ガタついているテーブルの足元を覗き込んだ。
「ははあ。この脚だな」
柳田は工具箱からある道具を取り出すと、脚を固定しているボルトを何度か締めた。時計回りに動かした工具を反時計回りに戻すときに、チキチキという小気味いい音が鳴った。
柳田は丸いテーブルの円周にそって、位置を変えながら上から何度か押し、ガタ付きがなくなったのを確認していった。
「これでよしと!」
「いやあ、貫ちゃんが来る前に仕事をしてもらって申し訳ないですね」
ミスターが柳田のもとまで来て丁寧に頭を下げた。
「いえいえ、これくらいは朝メシ前ですよ。ついでに他のテーブルもみてみますね」
柳田は客がいないテーブルをみて周り、いくつかのボトルを締めた。
「これでしばらく大丈夫だと思いますよ」
柳田が工具を片付けているときに、貫一郎がやってきた。柳田がテーブルの脚をみてくれたことをケチャ子から聞いた貫一郎は、それは申し訳なかったと柳田に詫びた。
柳田のコーヒーはすっかり冷めていたので、貫一郎はテイクアウト用のコーヒーをふたつ頼んだ。
「コーヒーは移動中に車の中で飲みましょう。ママさん、コーヒー3杯分のお会計をお願いします」
「いえいえ、お代なんかもらえないわ。どうしてもというなら、今日の柳田さんの日当に加えてあげて」
それもそうだなと貫一郎はいって、コーヒーをふたつ受け取った。
■ 7枠13番
貫一郎と柳田を見送ったケチャ子は、10分ほどでモーニングセットを食べ終えて店を出た。入れ替わるように、イカ社長とくろたんが一緒にやってくる。
「おやおや。今日は同伴出勤ですか?」
ミスターがからかうと、イカ社長がくろたんの左腕に右腕を絡めていった。
「うふふふ、そうなの。くろたんったら朝からギンギンだったんだから」
「ええい! けがらわしい!」
イカ社長の腕を振りほどき、くろたんはスツールに腰をおろした。
「モーニング。Bセットで」
「あれ? 珍しいねえくろたん。いつもAかCじゃなかったかい?」
イカ社長がいった。
「さすがですね、社長さん。アルファベットの『B』。最初に書く縦の棒と、次に書く半円ふたつを離して書いてみてください」
イカ社長は、カウンターの上を言われた通りに指でなぞった。
「縦棒・・・半円ふたつ・・・おお! 数字の『13』だな?」
くろたんが深く頷く。
「2018年から、阪神ジュベナイルフィリーズは正逆13が馬券になっています。6年連続継続中です」
2018 18頭
7-13 ダノンファンタジー 1着(正13)
2019 16頭
2-04 レシステンシア 1着(逆13)
2020 18頭
3-06 ソダシ 1着(逆13)
2021 18頭
7-13 ウォーターナビレラ 3着(正13)
2022 18頭
7-13 ドゥアイズ 3着(正13)
2023 18頭
3-06 ステレンボッシュ 2着(逆13)
2024 18頭なら6番・13番
みんながおおという声を挙げた。
「こういうのはいつか途切れるものですが、楽しみがあるというのはいいですね」
ミスターがそういうと、くろたんは無言で頷いた。
阪神JF
くろたん 注目ゲート
正逆13番 → 18頭立てなら6番・13番
■ ラチェット
2024年12月3日(火)午後6時半
-岩手県某市早起村 カフェ・ド・イーグル-
常連客たちがそろそろ阪神ジュベナイルフィリーズの予想をしようかというときに、その男はやってきた。とび職の柳田だった。
「昨日はどうもお世話になりました」
貫一郎のところへやってきて、柳田は丁寧に頭を下げた。今日は作業服ではなく、ジーンズにシャツというこざっぱりした身なりだ。仕事が早く片付いたので、いったん家に帰ってシャワーを浴びてきたという。
「妻がたまには飲んで来たらというので来ちゃいました。夜はお酒も飲めるんですよね?」
「もちのろんだぜ! 俺なんか明るいうちから一杯やることもあるからな」
イカ社長が胸を張っていった。そんなの威張っていうことじゃないわとケチャ子がピシャリという。
「それにしても・・」
ケチャ子の左に座り、生ビールを頼んだ柳田がいった。
「本当にコーヒー代まで入れてくれるなんて・・しかもあんなに」
「いえいえとんでもない! 店のテーブルまで直してもらったお礼です。昨日はおかげさまで予定より1時間も早く仕事が片付いたし・・・テーブルの修理代のほうは、僕があとからこの店でおごってもらいますから大丈夫ですよ」
そういって貫一郎がミスターのほうをいたずらっぽく見ると、ミスターは深く顎を引いた。
「ねえねえ、そういえば気になったんだけど・・」
ケチャ子が左を向いていった。
「テーブルを直していたあの工具、なんていう工具なの? いい音してるなって思ったの」
「ああ、あれですか。ちょっと待っててください」
柳田は外に停めてあったライトバンから工具を持ってきた。帰りは最初から代行を頼む予定だったので、車で来ていたのだ。
「これ、ラチェットというんです。いいですか?こうやって回してから戻してもボルトが緩まないんです。締めるときは締めるほうに、緩めるときは緩めるほうにしか力がかからないからです」
「へえー! 面白そう! ちょっと貸してみて」
柳田からラチェットを受け取ったケチャ子は、彼がそうしていたように左手の親指に工具の回す部分をかけてから、時計回りにラチェットを動かし、指はそのままで反時計回りに戻した。反時計回りにラチェットを戻す時だけ、チキチキという音がする。
「なるほどなるほど。それでいちいちボルトから工具を離すことなく、連続してボルトを締めたり緩めたりできるわけね?」
「そういうことです。これがないと仕事になりませんよ」
ケチャ子からラチェットを返してもらった柳田は、ライトバンに工具を戻してきた。生ビールをゴクゴクと喉を鳴らして飲み、そのたびにたくましい喉仏が上下に動く。
■ 永久機関
「ラチェットといえば・・」
柳田から空のジョッキを受け取った聖子ママがいった。
「1番人気になりそうなブラウンラチェット。工具のラチェットと関係あるのかしら?」
「かもしれねえな」
イカ社長がいった。
「ブラウンラチェットの馬名意味は『永久機関』。やろうと思えば永久に締めたり緩めたりできる工具のラチェット。関係はあるだろうな」
「永久機関が実現不可能なものだということは現代の科学では常識ですが・・・」
ミスターはそこまでいうと、みんなに背を向けて棚を開け、何かを探し出した。あったあったといって、ほこりを払ってからカウンターの上に置いた。
「ああこれ! 懐かしい! 水飲み鳥ですね?」
貫一郎がいった。みんながうんうんと頷く。
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ミスターがいった。
「水が誰も手を加えることなく、永久になくならなければ鳥は一生水を飲み続けます。ですが、そんなことはありえないので、永久機関は机上の空論というわけです。他にも、一見永久機関のようにみえるインテリアは今でも売られていますよね」
みんながうんうんと頷いた。
■ メジャーエンブレム
「あのー・・」
柳田がいった。
「ブラウンラチェットというのは馬の名前ですよね? 今週なにか大きなレースがあるんですか?」
隣のケチャ子が、阪神ジュベナイルフィリーズについて簡単に説明してあげた。
「阪神ジュベナイルフィリーズですか! 懐かしいなあ」
柳田が不意に、遠くをみるような目になった。何か思い出があるらしい。
「さては大儲けしたことがありそうだな?」
こういうときになぜか鼻が利くイカ社長が水を向ける。
「・・・・まあそうなんですが、きっと信じてもらえないと思います」
「ええ? そういわれると余計聞きたくなるわ! 柳田さん・・・いや、やなちゃん! 儲けた話を教えてちょうだい!」
ケチャ子のその言葉を口火に、みんなに頼まれてとうとう柳田が折れた。
「実はですね、この子たちが産まれた日に、阪神ジュベナイルフィリーズがあったんです」
柳田はスマホを何度か操作し、画面をみんなに見せた。ふたりの赤ちゃんを抱いている妻の画像だった。汗びっしょりで、前髪は額に貼りついている。産婦人科で出産直後に撮影したものだという。
「今から9年前の12月13日。僕と妻はふたりの子供の父と母になったんです。双子の女の子で、今月で9歳になります」
柳田の話はこうだった。2015年12月13日早朝。産気づいた妻を産婦人科医に連れて行った柳田は、出産を待つ間手持ち無沙汰となり、売店のコンビニでスポーツ新聞を買った。一面にはその日行われる、阪神ジュベナイルフィリーズについての記事があった。
「結婚してから、妻にお願いされてパチンコを一切やらなくなったんです。当時は店内でタバコが吸えましたから、タバコを吸わない僕でも服に匂いがうつってしまいます。何度か内緒でパチンコに行ったんですが、必ず妻にはバレましてこっぴどく怒られました・・・あ、妻は僕より2つ上なんです。高校の先輩でした」
みんながうんうんと頷く。同じような経験があるのか、イカ社長の頷き方が最も深かった。
「競馬はもともとやってなかったので、それでギャンブルとは一切無縁の生活になりました。ところが・・・」
何気なく買ったスポーツ新聞の馬柱をみて、柳田はある馬が気になったという。
「1枠2番のメジャーエンブレム。僕は1月2日生まれで、しかも仕事でメジャーを使う」
聞いているみんなが、だんだんと前傾姿勢になる。
「妻の誕生日は7月13日。7枠13番をみて驚きましたよ。妻の名前は正美というんです」
2015 阪神JF
(1-02)メジャーエンブレム
(7-13)ウインファビラス 松岡(正海)
「なるほどなあ! おめえさんたち二人の誕生日のゲートでワンツーだったわけだ? メジャーエンブレムは人気だったが、ウインファビラスは人気がなかったんじゃねえか?」
「ええそうです。10番人気だったと記憶しています・・・それで、まだ話には続きがあって、この12月13日。なんと『双子の日』だったんです! 双子はツイン・・・ウインファビラスという馬名もなんだかツインっぽくて・・」
みんながおおという声を挙げた。夫婦の誕生日と双子の日。できすぎである。
「妻が双子を身ごもっているのは知っていましたから、これは来るってビビビっときましてね。馬券なんか買ったことがないから、仕事の先輩に電話して、明日お金を渡すからと1万円1点勝負の馬券を頼んだんです。もし当たったら1割あげるっていって」
「ということは・・」
ミスターがいった。
「今調べたら、メジャーエンブレムとウインファビラスで馬連35倍ちょうど。35万円だから、その先輩には3万5千円をお礼として渡したんですね?」
「それが違うんです」
柳田はきっぱりと否定した。
「お礼の1割どころか、馬券代の1万円すら受け取ってもらえませんでした。双子が産まれてこれから大変なんだから、子供のために使えって」
おいおいそんなお人よしがあるかとイカ社長が怒鳴った。まるで自分が4万5千円を損したような言い草だ。
「先輩がお礼と馬券代を受け取らなかった理由は、3年ほどしてから判明しました。僕の馬券にちゃっかり乗ってたんです」
みんなは驚き、そしてどっと笑った。
「そうきたかーー! やりますねえ、その先輩!」
貫一郎がポンと手を叩いていった。」
「先輩も5千円くらいは買ってたんですかね?」
柳田はゆっくりと首を振ると、右手の指を三本立てた。
「なんだ3千円だったの? ひゃーー! 3万円? 35倍だから105万円の帯! そりゃあご祝儀を受け取らないわけだ!」
ケチャ子が大声でいうと、柳田はにっこりと笑って頷いた。聖子ママがいった。
「でも、奥さん喜んだでしょ? 35万っていったら大きなお金だもの」
「それがですね・・・」
柳田は眉根を寄せていった。
「妻に馬券が当たったことをいうと、こっぴどく怒られましたよ。ギャンブルは一切やらないという約束をなんでやぶったんだと・・・」
妻は涙ながらにいったという。この35万円が、将来は100万、200万という借金に変わるかもしれない。それくらい、ギャンブルで儲けたという経験は人を狂わせると。
「その35万円は、双子の貯金通帳に今でも入っています。ひとり17万5千円。ふたりが成人したら、この競馬の話をしてやろうと思っています」
それから1時間ほど飲んで、柳田は代行で帰っていった。
「結局のところ・・・」
だんだん小さくなっていく、代行スタッフが運転するライトバンを見ながらミスターがいった。
「コツコツ努力したものが最後には笑うということでしょうね」
まったくだぜとイカ社長が応じる。
「俺らみたく毎週毎週儲けようと思ってるバカは、ケツの毛まで抜かれるっつう仕組みだ」
みんながうんうんと何度も頷いた。
■ 桃源郷
2024年12月6日(金)午後7時
-岩手県某市早起村 カフェ・ド・イーグル-
バータイムのカフェ・ド・イーグル。最後に来店した貫一郎が、生ビールを3分の1ほど飲んだのを見届けて、ミスターが口を開いた。
「火曜日に話題にあがったブラウンラチェット。最高の馬と同枠になりましたよ」
阪神JF
5-09 ショウナンザナドゥ(桃源郷)
5-10 ブラウンラチェット(永久機関)
「ザナドゥは『桃源郷』、ブラウンラチェットは『永久機関』。どちらも現実にはあり得ない理想論です」
みんながうんうんと頷く。イカ社長が訊いた。
「ショウナンザナドゥがいいのは、その馬名意味だけかい?」
いいえと首を軽く振り、ミスターがいった。
「ショウナンの馬、10年周期説というのがあります。私が作ったんですがね・・」
<阪神JF ショウナンの馬 10年周期説>
2004 ショウナンパントル
2014 ショウナンアデラ
2024 ショウナンザナドゥ ?
みんながおおという声を挙げた。
「まあこればっかりはやってみないとわかりませんがね・・・でも、9分の2という抽選をくぐり抜けたからには、持っていると思いますよ」
ショウナンザナドゥは1勝馬である。9分の2という厳しい抽選を突破して出走にこぎつけた2頭のうちの一頭だった。
「先週のチャンピオンズカップは、昨年の1.2.3着馬がそのまま来ました。着順まで一緒というおまけつきで」
ケチャ子がいった。
「それね! 確か2017年の中山大障害以来だとか?」
ミスターが大きく顎を引く。
■ オジュウチョウサン
「オジュウチョウサンが勝った2017年の中山大障害。前年同様、2着がアップトゥデイト、3着がルペールノエルだったわけですが、その週と翌週とで面白いことになっています」
2017/12/23 中山大障害
4-07 オジュウチョウサン
(2着、3着も昨年と同じ馬、同じ着順)
同日阪神C
(1-02)イスラボニータ(ラストラン)
翌日有馬記念
(1-02)キタサンブラック(ラストラン)
翌週ホープフルS ※GⅠ昇格初年度
(4-07)タイムフライヤー
みんながおおという声を挙げた。
「わかりますか? オジュウチョウサンが勝った週の3重賞と、翌週のホープフルステークス。4枠7番が2頭、1枠2番が2頭のツーペアなんです」
「なるほどなあ。その年以来の2年連続ワンツースリーのチャンピオンズカップ。勝ったレモンポップもまた、1枠2番でラストランときてらあ!」
みんながうんうんと頷く。
「この年の結果と、今週がつながりそうな理由はもうひとつあります。オジュウチョウサンの中山大障害の枠連、馬単の出目。それらとチャンピオンズカップの前後のGⅠをみてください」
2017 中山大障害
4枠7番 オジュウチョウサン 1着
4枠6番 アップトゥデイト 2着
枠連【4-4】・馬単【7→6】
※2016年と同じ3頭、同じ着順でワンツースリー
第【44】回 JC
ドウデュース
チャンピオンズC
※2023年と同じ3頭、同じ着順でワンツースリー
第【76】回 阪神JC
「なんじゃいそりゃ!! 偶然にもほどがあるぜ!!」
イカ社長がいった。みんなも大きく頷いている。
「それを受けて、今週はどうなると予想するんでい?」
ミスターは指をふたつ立ててからいった。
「ふたつのパターンを考えています。Aパターンはツーペア完成、Bパターンはスリーペア完成です」
Aパターン
チャンピオンズCと今週の3重賞で「ツーペア」完成
チャンピオンズC
1-(02)レモンポップ
中日新聞杯、阪神JF、カペラS
「Aパターンはツーペア完成なので、中日新聞杯、阪神ジュベナイルフィリーズ、カペラステークスのどれかで2番が勝ち、残るふたレースが同じ馬番勝利。例えばこんな感じです」
~~~
チャンピオンズC
(1-02)(外)レモンポップ
カペラS
(1-02)(外)インユアパレス
「1枠2番・マル外」
~~~
中日新聞杯
(5-09)コスモキュランダ
阪神JF
(5-09)ショウナンザナドゥ
~~~
「なかなか期待の持てそうなツーペアですね」
貫一郎がいった。
「Bパターンのスリーペアとは?」
ミスターが頷いて説明を再開する。
「先週の3重賞と、今週の3重賞でのスリーペアです」
11/30(土)
チャレンジC
(5-09)ラヴェル
ステイヤーズS
3-(04)シュヴァリエローズ
12/1(日)
チャンピオンズC
(1-02)(外)レモンポップ
「今週の3重賞が、2番、4番、9番の優勝。考えられる組み合わせとしてはこんな感じです」
~~~
チャンピオンズC
(1-02)(外)レモンポップ
中日新聞杯
(1-02)マテンロウレオ
~~~
ステイヤーズS
3-(04)シュヴァリエローズ
カペラS
2-(04)ジレトール
~~~
チャレンジC
(5-09)ラヴェル
阪神JF
(5-09)ショウナンザナドゥ
~~~
「なるほどね」
聖子ママが腕を組んでいった。
「明日の中日新聞杯、2番のマテンロウレオか9番のコスモキュランダか。あくまでショウナンザナドゥが勝つことを前提にしたら、どちらかが勝たないといけないわね」
ミスターが大きく顎を引いた。
「そういうことです。例えば、中日新聞杯で2番や9番以外の馬が勝ったら、Aパターンの可能性はまだありますが、Aパターン完成にショウナンザナドゥはいらないことになります」
~~~
Aパターン(ツーペア完成)
チャンピオンズC
(1-02)(外)レモンポップ
カペラS
(1-02)(外)インユアパレス
「1枠2番・マル外」
~~~
中日新聞杯
(5-10)ロードデルレイ
阪神JF
(5-10)ブラウンラチェット
~~~
「他にもたくさん組み合わせはありますが、中日新聞杯と阪神ジュベナイルフィリーズ、両方5枠が勝つというパターンはありそうです」
みんながうんうんと頷き、カフェ・ド・イーグルの暫定本命馬が決まった。
カフェ・ド・イーグル
暫定本命馬
中日新聞杯
9番 コスモキュランダ
阪神JF
9番 ショウナンザナドゥ
カペラS
2番 インユアパレス