注意欠如・多動性障害(ADHD)・学習障害(LD)とは
今回は注意欠如・多動性障害、学習障害(LD)について
お話ししていきたいと思います。
前回の内容にも紐づいておりますので、
過去記事も見直していただけますと幸いです。
■注意欠如・多動性障害とは
注意欠如・多動性障害は
こちらの3つの症状がみられる発達障害のことです。
年齢や発達に不釣り合いな行動が仕事や学業、
日常のコミュニケーションに支障をきたすことがあります。
人口調査によると
子どもの20人に1人、成人の40人に1人に
注意欠如・多動性障害が生じることが示されています。
以前は男性(男の子)に多いと言われていましたが、
現在では注意欠如・多動性障害の男女比は
同程度に近づいていると報告されています。
近年では、子どもだけではなく大人になってから
注意欠如・多動性障害と診断される人も多く、注目を浴びています。
注意欠如・多動性障害の原因として、
脳の前頭葉と言われる部分の働きにかたよりがあり、
脳の伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンが
通常より不足している可能性が考えられています。
多動症状は、一般的には成長とともに軽くなる場合が多いですが
不注意や衝動性の症状は半数が青年期まで、
さらにその半数は成人期まで続くと報告されています。
また、思春期以降になってうつ症状や不安症状を合併する人もいます。
注意欠如・多動性障害の人は毎日の様々な場面で困難を感じています。
それが積み重なると、精神的につらくなってしまい
うつ病など他の精神疾患を併発するなど、
二次的な問題につながりかねません。
そのため、早いうちからの医療的介入や適切なサポートが必要です。
注意欠如・多動性障害を根本的に治療することはできません。
しかし注意欠如・多動性障害による困難の乗り越え方を学ぶ教育・療育や、注意欠如・多動性障害の症状を緩和する治療薬は存在します。
まずは家族や職場で特性について理解し
サポートしてくださる方を得ること、
また自身の特性を理解し対処方法を身につけていくことが重要です。
■学習障害(LD)とは
学習障害とは、知的能力には問題がないのに
読む、書く、計算する等の特定の事柄だけが
特に苦手な状態のことをいいます。
学習障害の人は人口の約2~10%と見積もられています。
また小学生の約5%がこの障害ともいわれており、
私たちにとって非常に身近な障害です。
学習障害の人は学業成績や日常生活に困難が生じ、
こうした能力を要求される小学校2~4年生頃に
成績不振などから明らかになります。
その結果として学業に意欲を失い、自信をなくしてしまうことがあります。
患者さん1人1人に合わせた教育的支援を行います。
例えば読むことが困難な場合は
大きな文字で書かれた文章を指でなぞりながら読んだり、
書くことが困難な場合は大きなマス目のノートを使ったり、
計算が困難な場合は絵を使って視覚化するなどの
それぞれに応じた工夫が必要です。
また家族や学校、主治医等が本人の困難さを正しく理解し、
決して子供の怠慢さのせいにしないで、
適切な支援の方法について情報を共有することが重要です。
■まとめ
いかがでしたか?
今回は注意欠如・多動性障害(ADHD)・学習障害(LD)
についてお話ししていきました。
少しでも治療の参考になりますと幸いです。
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より豊かに、当たり前に人生を楽しめるように。
利用者様の一人ひとりの成長をサポートします。