老化は疾患で、がんは症状?
1度目の投稿は、代表の今西が書きたいと思う。
最新の状況
最近は、MVPのテストが継続中であり、テスト利用者様の運動が実際に継続できることを証明できている。まだ、無料テストであるため、マーケティング等の越えるべきハードルはまだ多いものの、高齢者のオンラインフィットネスが相当に高い目標であることを考えると、大きい進歩だと考えている。
また、同時に自分史自動作成AIも、サンプルが完成してもうすぐ製本に出せることを考えると、コツコツだが着実に進んでいる。
エンジニアの中田が歩数のバグを治してくれている間に、健康寿命延伸においては重要だと思われる予防医療に関する知識を深めた。
何について書くか
当然だが、予防医療に関する知識はノート1つでは収まらない。そのため、複数回にまたがるかもしれない。今日は、私たちが知っておくべき予防医療の大まかな考え方について、気づいたことを共有したいと思う。
思ったよりも、予防医療はシンプルかもしれない
医療という文字が含まれているので、どうしても医療関係者しか理解が及ばないかのように聞こえる。高山(メンバーの1人)は看護学部であり、まさに医療を勉強しているため親近感が湧くかもしれないが、私も予防医療が複雑極まりないものだと思っていた。
しかし、LIFE SPANや不老不死の研究などの本を活用して少し調べているうちに、思っているよりも予防医療というものがシンプルかもしれないと思った。
老化は疾患であり、がんは症状である
要介護状態になる原因は、主に、認知症や転倒・骨折、脳血管疾患が多い。また、日本人の死因ランキング1位はがんである。これからもわかるように、昔とは異なり長寿なことが原因で死に至る時代になってきた。
しかし、LIFE SPANの著者であるハーバード大学のデビットによれば、老化は防ぐことができるらしい。なんなら、理論上は若返りも可能であるとの見解を示している。
「老化を防ぐ」という考え方は、アンチエイジングと呼ばれ、美容などの分野で有名だが、デビットはもっと大きい視野で老化を防ごうとしている。
先にも述べたように、がんや認知症、糖尿病、心疾患、脳血管疾患等は、老化が原因で起こる疾患である。老化を防ぐことができれば、理論上、これらの疾患は全て解決することになる。デビット曰く、現在、老化を疾患として捉えている国は存在しないらしい。しかし、老化は疾患であると主張している。老化を疾患として捉え、今疾患とされている糖尿病やがんを、あくまで老化の症状として捉える考え方である。著者が参加するフォーラムでは、老化が疾患であることが既に当たり前になりつつあり、疑問の余地がない。それには、明確な根拠がある。
老化の原因=エピゲノムの崩壊
エピゲノムというのは、聞き慣れない言葉だ。
どうやら、ゲノムには、デジタル的な部分とアナログ的な部分に分けられるらしい。DNAは、アデニン,グアニン,シトシン,チミンという塩基の配列であり、これはデジタルな部分である。ここは、非常に強く結束しており壊れにくい。だからこそ、すでに絶滅したマンモスやネアンデルタール人のDNAがいまだに存在する。それに対して、エピゲノムはアナログな部分だ。DNAだけでは説明がつかないことがある。例えば、心臓や皮膚、目などそれぞれの器官には、特有の細胞が存在する。目には目の細胞があり、皮膚には皮膚の細胞がある。しかし、これらはもともと一つの受精卵から分化したものだ。DNAだけでは、どの細胞がどの器官のどんな細胞になるかの情報がないらしい。ここはエピゲノムが支配する領域であり、だからこそエピゲノムはDNAよりも柔軟・可変・アナログ的である。他にもエピゲノムには多くの働きがあるようだが、難しいためひとまずこのくらいにしておく。
では、エピゲノムは老化とどう関係するのか。
デビット曰く、老化は「エピゲノムの崩壊」らしい。
羊のドリーの実験は有名だが、クローンを作るためには、すでに成長した羊の細胞を使う。すると、その細胞のDNAの情報から、同じ動物が生まれる。この例からわかるのは、DNAは成長した羊も損傷していないということだ。1960年代にはDNAの損傷が老化の原因だという説があったが、クローンの作り方から考えると、その説は破綻する。
そこで、デビットは、アナログ的なエピゲノムに注目した。DNAは、分裂時や放射線等により、少なからず損傷を繰り返している。しかし、エピゲノムが細胞の分裂を防ぐと同時に、損傷したところを修復する。しかし、損傷が多すぎると、エピゲノムが混乱して、崩壊に向かうらしい。
エピゲノムを正常に保てば、老化は防げる
原因がわかったため、解決法は「エピゲノムを正常に保つ」ということになる。それには、多くの手段があるように記載があったが、具体例を2つ出す。
一つ目は、サーチュイン遺伝子である。
サーチュイン遺伝子は、エピゲノムを修復する機能があるとマウスの実験からも証明されている。実際に、マウスはこれで寿命が伸びているということが驚くべき点である。
二つ目は、運動である。
デビットは、サバイバル回路を働かせることが、老化を防ぐことにおいて重要だと述べる。サバイバル回路とは、状態が良い時に分裂し、悪い時には分裂をやめて自らを守る回路のことだ。これを働かせるには、ある程度の負荷(危機)が重要らしい。運動はその一つであるため、既に知られているように、認知症や糖尿病、虚弱等の疾患の予防に効果的なのである。
長くなりすぎるので、今回はとりあえずここまでにしたい。私も学びたてであるため、少し間違えている点があるかもしれないが、2人にとってわかりやすい内容であったなら嬉しい。