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Bounty Dog【14Days】

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遠く、でもいずれ来るだろうこの世界の未来を先に走る、とある別の世界。人間達が覇権を握るその世界は、人間以外の全ての存在が滅びようとしていた。事態を重くみた人間は、『絶滅危惧種』達…
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2021年8月の記事一覧

Bounty Dog 【14Days】 24-25

24
 
 泥の臭いを含んだ涼しい風が流れる洞窟内で、少年の声が何度も響き渡る。空気を突き刺すように勢いよく何度も伸ばされたカイの人差し指が高速で文字を書き、親指と重なって勢い良く弾く。
「コレで!どうだあああ!!」
 叫び声と共に、弾かれる指の爪から音が出る。空気は無音で何も反応しない。石の上に座りながら顎の下に両手の平を付けて膝に肘を乗せている黒ローブの子供は、静寂する空間を見てから、大股開き

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Bounty Dog 【14Days】 21-23

21

 何も履いていない白い足でペタペタ地面を踏んで歩いていく子供に掴まれてる手が、握力が掛かっていて少し痛い。黒いダボダボのローブの裾が引き摺られているので、足を取られて転倒しないよう、相手も転倒しないよう出来るだけの距離を取って慎重に跡を付いて行く。
 程なく道の途中で停止した子供が左に90度身体の向きを変えると、視線を動かしたカイは、巨大な口を開けている土壁の一角に彫られた洞窟を見つける。

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Bounty Dog 【14Days】 18-20

18

 アーチ型の門を潜って寒村を出た先は、幅の広い土道を挟んで、麦と南瓜と人参と玉蜀黍と豆が植えられた畑が広がっている。数キロ歩いて行くと、突き当たりに差し掛かり、T字路の縦側になる来た道は迂回のための細い通路が伸びてはいるが実質は行き止まりで、土が切り崩されて出来た塀の上に、大きな道路が横切っている。
 片側はタクトが働く大学のある街へ、もう片方は大陸の端にある港へ通じる道を、時々荷物を運ぶ

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Bounty Dog 【14Days】 16-17

『人』以外も、思う事全てがそのモノの我慾(エゴ)。

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 ーー時々、無性に考えるんだ。
 過去に流れ去ったモノ、失ってしまったモノって、どうして時が経てば経つ程、『人間』は思い出をどんどん凄いもの凄いものだって美化していくのだろう?
 本当は物凄くつまらないモノかもだし、本当はある時を境に、そのつまらない本物は綺麗さっぱり皆んな忘れて記憶からも無くなってしまうんじゃないのかな?でも忘れてしま

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Bounty Dog 【14Days】 14-15

14
 
 狩人の手から剥がされた巨大な斧が、空高く舞い上がる。回転しながら昇っていく武器を一瞥したヒュウラは、驚愕して硬直しているリカルドの腕を掴むと、軽やかに身を乗り上げる。
 腕の上から肩に向かって走り、ミトを離して拘束しようと振られた左手を飛び越える。鎧を着た胴に向かって跳ねたヒュウラは左胸に付いた壊れたスイッチの割れ目に草刈り鎌を突き立てると、短い持ち手を踏み台にして跳ね上がってから、更

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