生活とは、補充に次ぐ補充の連続だ【2】
夕食をとった後にうとうとした。つけっぱなしの電気の下、化粧も落としてない、シャワーも浴びてない、このまま朝まで過ごしてはならない、と咎める理性の声にやっと起き出した時には、日付の変わる直前だった。
週末はいくつかのタブーを破る。だいぶ伸ばしっぱなしにしていた足の爪が欠けていたので、この時間にパチパチ切り揃える。それで弾みがついて、真夜中にシャワーを浴びる。さすがにドライヤーは使わず髪はタオルドライで済ませるから勘弁してほしい、と誰にともなく弁解して。
シャワーでさっぱりすると、フェイスパックをつけたまま食器を洗って、乳液を重ねづけしてから部屋干ししていた洗濯物を畳む。合間にちょこちょこ紅茶のペットボトルを飲んだ。このごろ無糖のストレートティーの種類が増えて、飲み比べが楽しい。
米を研いで、炊飯器にかけた。朝に炊き上がるよう予約しておく。さっきうたた寝する前にかき込んだ冷凍パスタは何ともいまいちで、自炊の重要性が改めて突きつけられた。明日はとっておきに牛肉を使おうか、と冷凍庫に小分けにしてあるストックから一つ冷蔵庫に移しておく。すき焼きにするにも、肉じゃがにするにも、玉ねぎがない。最近だいぶ値段が上がっているけど、買ってくるしかないだろう。
うっすらと蒸し暑いので、窓を少し開けた。ラジオの聞き逃し配信を流しながら、家計簿や手帳をつける。一日の振り返り。買ったもの、嬉しかったこと、少しの憂鬱。
思い切ってこのまま朝まで過ごしてみようかと思ったものの、だんだん眠くなってくる。家の中の細々としたことを片付けた安堵で、今度はゆっくりと眠れるだろう。