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スウェーデンの幼児教育を体験中その2

我が家は娘2歳と共にスウェーデンの幼児教育を絶賛体験中だ。

この投稿をお読み頂く事前情報として、スウェーデンの保育幼稚園一体型のFörskolaと育児休暇について、下記をご参照頂きたい。

スウェーデン社会の一員を育てる

FörskolaはSkollagen (学校法) を基礎として、Läroplan (学習計画) に基づき各自治体が運営する。学習計画についてはざっくりいうと、民主主義と全て人に同じ価値がある、平等と公正などスウェーデン社会が重きを置く価値について学び尊重するという起点から始まる。

余談だが、民間運営のFörskolaの中には、特定の宗教や文化の価値に重きを置くところもあったりする。それがスウェーデン社会の価値観と真っ向から対立するもので、(たとえば、男児は女性の先生の言うことを聞かなくて良い、男女は同じ教室で過ごしてはいけないなど)物議を醸している。

1-5歳が対象、Förskolaのクラス分けは?

娘の通うFörskolaでは6つのクラスに別れていて、各クラス最大16人が在籍している。兄弟姉妹学級(syskongrupp)と呼ばれていて1-5歳が一緒に活動する。クラス名は、Hopp(希望)やlycka(幸せ)など。別のFörskolaでは年齢別にクラス分けがされている所もあり、これは各学校がそれぞれ決めている。一人っ子の娘が歳の違う子どもと日常的に触れ合うことができるのは、とてもポジティブに感じる。

教員は担任が3人と補助教員で構成されている。始業後1時間と終業1時間前は、子どもの人数が減るので一クラスにまとめられて、各クラスの教員が持ち回りで担当することになっている。朝早くから居る子や、夕方遅くまで居る子はほぼ全クラスの教員と関わるようになるのだ。

こうしてFörskolaで日常的に色々な人と関わることは、娘が社会性を育むのに良い影響を与えると感じている。挨拶をしたり、お礼を言ったり、友だちと一緒におもちゃで遊んだり、時には喧嘩もしながら、色々なシチュエーションを体験している。

親以外の大人と話す機会も大切だ。どんな言葉遣いや態度が社会で許容されるのか肌で学んでいくようになるだろう。娘の様子を見ていると、Förskolaで活き活きと楽しく過ごしているようなので、今のところプラスの影響ばかりではないかと思う。

Förskolaでの1日

1日のスケジュールは大体こんな感じ
6:00-07:10 始業、希望組に集合
07:10前後 各組に分かれる
08:30 朝食
自由時間
09:30頃 グループに別れて活動
10:00頃 屋外で遊ぶ
11:45 昼食
昼食後はお昼寝、読書、ヨガなど
自由時間
14:45 おやつ
屋外または屋内で遊ぶ
16:20-18:00 希望組に集合、終業

登下校の時間は各家庭で

子どもたちは保護者の勤務時間に合わせて登下校する。例えば娘の登下校は、ある日は私が朝7時頃預けて、夫が16時頃にお迎えに行く。別の日は夫が預けるので登校は10時頃で、私が18時前にお迎に行く。

登下校時は、必ず教員が娘の体調を確認したり、今日は一日どうだったかなどを話す時間を割いてくれる。教員がその日に描いた絵や工作したものを見せるように娘を促し、彼女が誇らしげに見せてくれる。

例えば、クリスマス前は工作時間が増え、ツリーの飾りを作ったり、ジンジャークッキーを焼いたり、結構複雑なことを小さな子どもも一緒に参加する。2歳児の作るものでも、教員のプランと手伝いのおかげで、ちゃんとしたオーナメントになってツリーの飾りとして使える。毎年増えていくのが楽しみなのだ。

お腹いっぱい元気いっぱい

娘の学校には給食室があり、そこに食堂が併設されている。朝ごはんはMacka(オープンサンド)やGröt(おかゆ)、ヨーグルトなどスウェーデンの一般的な朝食が提供される。アレルギーや糖尿病などの特別食などにも対応している。どの食べ物をよく食べる、とか「お家でもコップで飲んでみて下さい。」と発達の段階に合わせた提案など、フィードバックをもらえる。

お昼ご飯のメニューは様々。毎週更新されたメニューが掲載される。ある週は、パスタ・カルボナーラに始まり、フィッシュボールとじゃがいも、チキンカレーライス、タコス、そしてラザニアと子どもが好きそうなメニューが目白押しだった。

娘は、コップで飲んだり、カトラリーを使ったりといったことは主にFörskola で覚えてきた。先生方はどうやって教えたのだろうか、他にも沢山子どもがいる中で。フルタイムで働いていると、こう言うことは学校に頼りがちになるが、我が家には幸い?お箸の練習が残っている。

余談だが、タコスはスウェーデンの国民食と言っても過言ではないほど一般的だ。“金曜日のタコス”と呼ばれ親しまれている。私の様な新米の親にしてみれば、学校給食のメニューは大変参考になり、家でも活用させてもらっている。

食事の時間は、クラスごとにテーブルが別れているものの、席は自由になっている。年齢が上がると配膳時も自分で取りに行く。食べられる分だけ取って、なるべく残さず食べる。誰かと一緒に食事の時間を楽しむというのもカリキュラムの一貫のようだ。

何人も空腹であるべからず

おやつはMellanmål(メッランモール、直訳で間食)と呼ばれていて、たいてい果物かmackaが提供される。スウェーデンではmellanmålが推奨されているようで、減量メニューでさえ間食があるのには驚いた。さらに、メニュー外でも子どもの必要に応じて果物が提供される。娘は、おやつの時間からお迎えの時間までにお腹が空くので、17時過ぎにバナナやりんごを追加でもらっている。

ご存知の方も多いかと思うが、スウェーデンでは日本で言うお茶の時間をFika(フィーカ)という習慣がある。コーヒーと持参したmackaやフルーツ、定番はBulle(ブッレ、菓子パン)で一息。そして、職場で勤務時間内にフィーカを取るのは労働者の権利だったりする。私の職場では午前中10:30-11:00、午後2:30-3:00がフィーカの時間で、この時間にはダイニングルームに人が集まる。スウェーデン人は空腹にならないことを重視しているように思える。

さて、書き始めてみると、思ったよりも色々書きたいことがあることに気づいた。その2でアクティビティのことや発達の様子を書こうとと思っていたのに、給食の話でこんなにかかるとは。と言うわけで、Förskolaでの1日やアクティビティなどは次回にとしたい。

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