見出し画像

「裏庭」

梨木香歩の文章が好き。
物を減らすために、本も処分するけど、
この作家の本だけは、手元に残してる。
何度も読み返せる力があるから。

最近ひさしぶりに「裏庭」を読み返しながら、
なつかしいな、なんて思ってたら、
途中の言葉にびっくりしてしまった。
びっくりした自分にもびっくりしてしまい、
いま、中断中。

びっくりしたその言葉は、
主人公の女の子(小学生)には、
「誇らしくて嬉しい言葉」で、
さいごはその言葉から解き放たれる
物語のキーワードみたいな言葉。

「女の子は役に立つ」

父親が自分の娘を、
そう他の人に話してるシーンで、
主人公の女の子は嬉しくて仕方がないのに、
読んでる自分はびっくりした。

なぜって、はじめて読んだときも、
そのあと読み返したときも、
「びっくり」なんてしなかったから。
主人公の気持ちのまま、嬉しい言葉と思ったから。

最後に読んだ日付を
何処かに書きつけておけばよかったわ。
今の自分には「女の子は役に立つ」という言葉は、
褒め言葉にならない。
侮辱に感じる。憤りすら感じる。

どんな気持ちや体験を経て
自分はいつ変化したんだろう。

何度も読める物語には力がある。
時間で変化する自分に気がつくことが出来る。
こうしてnoteにメモできたので、
そろそろ続きを読もう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?