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【メタファー:リファンタジオ】最高の幻想をありがとう。【クリアレビュー・感想】
アトラスが送り出した大作RPG『メタファー:リファンタジオ』
遂にクリアしてしまった。
いやー、たまげた。
こんなにワクワクして没頭できるRPGが出来るなんて。
素晴らしいゲーム体験を味わえた僕はとんでもなく幸せ者だ。
ありがとうアトラス
間違いなくJRPGの中でもトップクラスの作品だろう。
どんなゲームにも尖った要素が求められるこの時代において、ここまで真っすぐで、実直なゲームを作ったのは賞賛に値する。
ということでクリアした素直な感想をここに示す。
※めちゃくちゃにネタバレするのでよろしくお願いします。
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とんでもねえボリュームだ
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2周目は最高難易度『KING OF KINGS』
トロコンにかかった時間は160時間でした。
テンポよく進む導入部分
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オブジェクトが多くて作り込みが凄い
アトラスのRPGは導入が長い
いや、正確にはディレクターの橋野桂が手掛けるペルソナ3以降のRPGと言ったほうがいいだろうか。
システムのチュートリアルからキャラの説明が終わるまで、とにかく長い。
これはゲーム慣れしてる人ほどつまらなく冗長に感じるだろう。
その点、メタファーはキャラとの出会い、システムの説明が分かりやすく且つテンポ良く進んでくれる。
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『ゲームの全容を掴むまでが短い』のは、プレイヤーとして非常にありがたい。
どんなゲームか瞬時に判断できるし、合わないかどうかもすぐ分かる。
このゲームは最初から最後までダレることなく進んでくれるのだ。
逆に言えば、キャラの加入過程や演出があっさりに感じる人がいるかもしれない。
ペルソナ3~5のファンであればあるほど「なんかキャラゲー感薄いな」と思うかも。
でも個人的には丁度良かった。
キャラの性格が早めに分かることで、スムーズに滞りなくそのキャラを好きになれる。
僕は体験版をやらなかったけど、やった人の多くは導入部分で心を掴まれたのではないだろうか。
開始5時間で「あ、このゲームおもしれえわ」と思える。
では具体的に良かったと感じたところを紹介
評価点
褒めるところが多すぎて書き切れるか分からない。そう思うほど素晴らしい完成度だった。
アーキタイプシステムが楽しいぜ
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メタファーは『アーキタイプ』というシステムが肝となっている。
まあジョブシステムだ。
このアーキタイプを付け替え、自分なりに最適な組み合わせを見つけて攻略していくのだが、まあこれが楽しくて仕方なかった。
マジで最初から最後までバトル、育成で飽きなかった。
延々とメニュー画面開いて「この組み合わせなら…」「いや、これもいいな」と思索する日々。
ああ、なんて幸せなんだろうか。
特に序盤はゴリ押しが効かない。
初めて挑むボス戦は負け戦だと思って突っ込んでいた。行動パターンや弱点を知ったうえで、アーキタイプを付け替えて挑む。
すると苦戦したボスがあっという間に攻略できたりする。
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主人公は回復役
この”自分で最適解を導きだす過程”が最高に楽しかった。
終盤になるとスキルのインフレやステータス差で勝てちゃうこともあるが、少し油断すれば全滅も全然あり得る。
きっと人によってボスを倒した編成が全然違う。
たまにタッチパッドを押して、クリアした人の編成を見てみると本当に多種多様で面白い。
スキルの継承も単純なので「理想のアタッカー、ヒーラー」が簡単に作れる。
アーキタイプの解放、スキル継承にMAGを使うけど『MAG不足』に陥ることは殆どなかった。
ここら辺の調整も完璧に近い。よくここまで丁寧に作ったよね。
もちろん極限までアーキタイプ解放したり、理想を追い求めるならMAG稼ぎは必須。
でもクリアだけ目指すならそんなことない。
「ジョブシステムとか複雑そう」と感じていた人でも、すぐに馴染むことが出来ただろう。
何故ならキャラによって伸びるステータスが全然違うので、育成方針を決めやすいからだ。
また、そのおかげで色々なパーティー編成を試せる。
結論構成みたいなものがない。
そりゃ深部までやり込むような人なら最適解があるだろうけど。
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可愛いし使いやすい。最高や!!!
「とりあえずメタファーを楽しみたいな」というプレイヤーにとことん寄り添った作りになっているのが嬉しかった。
ちなみに、主人公のステ振りは『序盤は魔、レベル35以降は力に全振り』していた。
主人公はアタッカーでナンボや!!
安定のプレスターン
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ペルソナのワンモアじゃなくてプレスターンを採用したスタッフに感謝!
やっぱプレスターンは面白いね。
『弱点付いたら行動が一つ増える』
こんな単純明快なギミックでここまで面白く出来るんだから大したもんだよ
「どのタイミングで攻撃するか?補助魔法はどこまで掛けるか?」
「反射されたらどうしよう…。」「弱点付与して行動増やそう」
などなど、メタファーは戦闘中に考えることが沢山ある。だから面白い。
仲間が増えて選択肢が増えるほど、プレスターンの面白さも加速度的に増していく。
もちろんメタファーだからというより、プレスターンそのものの面白さだけど。
やっぱり「これ以上のコマンドバトルってないんじゃ?」と思う。
「MP枯渇問題」の解消
アトラスゲーであるあるなのが『MP枯渇問題』である。
ダンジョンを攻略していると、どうしても中盤辺りでMPがなくなってしまう。
結局ジリ貧になり、ダンジョン攻略を諦めるなんて経験は多くの人が通るだろう。
しかしこのメタファー、なんとダンジョン攻略中でも簡単にMPが無限回復できるのだ!
方法は簡単で
①引き寄せ結晶を見つける
②魔術師のアーキタイプを装備する
③結晶を壊さずに湧いてくる雑魚敵を倒す
これだけである。
少々時間はかかるが、アトラスゲーにおいて無償MP回復ができるのは革命に近い。
しかも何が良いって「気付きやすいところ」だ。
ズルでもなんでもなく、ユーザーが気付きやすいように回復方法を用意してくれている。
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しかも、この結晶だが明らかにMPが足りなくなりそうなポイントに置かれている。
細かいところだけど、本当に大切なポイントだ。
ペルソナに慣れている人ほど、メインダンジョンは1日で攻略する。それが紛れもなく最適解だから。
そんな”慣れたユーザー”にも配慮してくれているのだ。
フィールドバトルが便利
メタファーはシンボルエンカウントを採用しているが、レベル差がある雑魚敵はファストアクションで一掃可能だ。これがまあ便利でストレスフリー
ファストアクションのおかげで稼ぎ作業も苦じゃなかった。
むしろドンドン雑魚敵と戦いたいくらい。
コマンドRPGにおいて、雑魚戦は作業になってしまう。
どんなにバトルが楽しくても飽きるし、雑魚戦は飛ばしたくなる。
そんなプレイヤーの正直な欲望を満たしてくれるシステムだ。
アクションと言っても、押すボタンは少ないしプレイも簡単
ただ、大量の雑魚敵に囲まれてハメ技みたいなことされたら腹立つ。
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ワクワクが止まらない街・旅
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ファンタジーRPGには『旅のワクワク感』がないとハマれない。
安心してください、メタファーにはワクワク感が詰まりまくってます。
最初の街『グラン・トラド』でも街の作り込み具合に驚いた。
でも僕は「どうせ最初の街だけ大層に作って、他の街は手抜きなんでしょ?」と疑っていた。
ごめんなさいアトラスさん。あなた達をなめてました。
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冬の寂しさを感じる街並みは大好物なんです
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どの街も特色があって、歩くのが楽しかった。
何より初見で訪れた時の高揚感たるや…。
そう、僕たちはこういう気持ちを求めてファンタジーRPGをしているんだ。
ありそうだけど絶対にない街。まさに幻想を求めてゲームをしている。
街ひとつ一つがバカでかい訳じゃない。全部の街が「丁度いい箱庭」になっているから、探索でダルさを感じない。
むしろずっと居たいとさえ思う。
また、旅の途中で訪れる絶景スポットも全て美しく、儚い。
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絶景スポットはゲーム的にはいらないものである。
だからこそ、力を入れて描写してくれたのが嬉しかった。
だって僕はゲームを通して非日常へ旅をしているのだ。
没入感を深めるために、旅をしているプレイヤーになりきるために押さえるべきポイントを分かってる。
カレンダーシステムの到達点
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ペルソナ3から続いている『カレンダーシステム』だけど、遂にメタファーにて完成しました。異論は認めません。
カレンダーシステムは、普通のRPGに奥行きを持たせる魔法だ。
スケジュールを考えて、好感度イベントをそつなくこなす。そしてダンジョンを最短で終わらせる。
この過程が楽しいし、ハラハラする。まるで本当にゲームの世界で生活しているような感覚になれる。
しかし、同時に「自由度がない」「単純にスケジュール考えるの面倒くさくなる」など問題点もあった。
メタファーはその問題点を完璧に解消してみせた。
・選択肢に関係なく、支援者イベントが進行する
・日程に余裕がある&王の資質が上げやすいのでスケジュールを組みやすい
・6月~10月でストーリーが終わるため、ダレない。
「こうして欲しい」が詰まってる。ありがとうな。
逆に言うと、これ以上カレンダーシステムを最適化するのは不可能に近そう。
ペルソナ6はカレンダーやめよ!もうええでしょ!
非の打ち所がないBGM
まずは通常戦闘BGM
曲のテンションだけ聞いたらラスボスでもおかしくない。
何度聞いても念仏ラップは心が震える。まず本物のお坊さんに歌ってもらうとかいう発想がクレイジーだよ。
選挙で対立する候補者とバトルする際に流れるBGM
まさに思想のぶつかり合いって感じ。それぞれが持っている猛き思想が曲から伝わってくる。
曲が盛り上がるところでジンテーゼを撃つとめちゃくちゃ楽しい。
ビルガ島のBGMは心が癒されるよね。
特にこの夜BGMを聞いてると、ゲーム内の喧騒を忘れてしまう。謎言語の正体が知りたい。
タイトル画面のBGMがラスダンで流れる演出、何万回やられても大好き。
ストーリーについて
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バトルや旅の景色だけじゃ名作RPGにはなれない。
肝心のストーリーが良くないと、どれだけ他が優れていても心に残るゲームとは言えないだろう。
では、メタファーのストーリーはどうなのか。
間口が広く、理解しやすい
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徹底した「分かりやすさ」これに尽きる。
メタファーは最初から最後まで『選挙で支持を得る』『ルイを倒す』という目的に向かって突き進む。
これがペルソナとの大きな違いだろう。
ペルソナの場合、最初は身近な距離感で起こる問題を解決し、気付けば世界を巻き込む大騒動にまで発展していく。
いわゆるセカイ系と言えばいいだろうか。
対してメタファーは目的がブレることがない。
最初からデカい理想を掲げ、その理想に向かっていく。
一応途中でどんでん返しな展開はあるが、それでもラスボスはルイのままだ。
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この”分かりやすさ”がメタファーの特徴であり、評価しないといけない点だと感じる。
選挙と言っても、かなり簡素化しているし支持の集め方も非常に”ゲーム的”だ。
そこに種族ごとの差別思想、対立構造も加わってくる。
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選挙、差別、対立、宗教…。
メタファーは、こんなにややこしくて複雑な要素を”とてつもなく分かりやすく、誰でも理解できるように”組み込んでみせた。
各キャラの思想を極論で描くことで対立構造が分かりやすい。
皆が極論を言い合って喧嘩してるの、まるでXみたいだね。
これを「幼稚臭い」と捉える人もいるだろう。
でも僕は、ここまでエンタメとして落とし込んだ制作陣に敬意を表したい。
ファンタジーRPGなんだ。間口は広くていい。
色んな年代の色んな人が楽しめるストーリー。大作RPGはそれでいい。
キレイごとを貫く主人公パーティー
メタファーの主人公側キャラは徹底して『キレイごと』を主張してくる。
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「差別がない世界を作る」
「困った人は誰でも助ける」
「弱いものが虐げられる世界を終わらせる」
こんな恥ずかしくて絵空事だと思ってしまうようなセリフを恥ずがし気もなく吐き出す。
それが、とてつもなく心地よかった。
メタファーの世界は幻想、いわば「僕たちが考える理想の世界」だ。
理想の世界は人それぞれだろうけど、虐げられる者たちがいる世界を望む人はいないだろう。いないでいてね。
少なくとも僕は『キレイごとがキレイごとで済まされる世界』なんて望んでいない。
絵空事でも堂々と言える世界が理想でありたい。
だから、幻想世界の彼らが堂々と理想を語るのが嬉しかった。
だって、ゲームの世界なんだもん。恥ずかしいくらいの理想論を語ってもいいじゃないか。
あと周りが皆いい奴。好きになれないキャラが一人もいないの。
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また、メタファー内では『理想主義の限界』についても事あるごとに言及してくる。
「簡単に世界は変わらない」
「反発する人も沢山でてくる」
このように上手くいかない現実もプレイヤーに見せつけることで、作品が伝えたいことがより鮮明になっているのだ。
深い裏テーマがあるわけじゃない。
ただ、シンプルなテーマだからこそ愚直に伝え続けてくる。
我々が住んでいる世界で「陳腐」だとか「ガキ臭い」と言われるような理想こそ、決して忘れてはいけない感情なんだなと思い出せる。
あざ笑ったり、卑下するほうが簡単だ。
だから僕は、逃げずに理想論を掲げ切ったメタファーを褒めてあげたい。
『単純な勧善懲悪』で終わらせない
これが一番驚いたというか感心した点だ。
メタファーのストーリーを端的に言うと『主人公が王になるために、怪物や悪い奴らを倒していく話』である。
つまり勧善懲悪と言えるだろう。
本作ディレクターの橋野桂氏が手掛けた”勧善懲悪もの”と言えば『ペルソナ5』が挙げられる。
あれもゲームとしては傑作も傑作だったが、ストーリーには疑問点も残った。
「人の心を改心させるのが”正義”と言えるのか?」
「悪役の心情描写不足(鴨志田は除く)が目立つ」
この問題点はペルソナ5に限ったことじゃない。勧善懲悪ものには付き物の課題だ。
メタファーは勧善懲悪ドラマが抱える『悪役問題』を丁寧に違和感なく処理してくれた。
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ジョアンナに寄り添うハイザメ
相手の気持ちを汲み取る台詞があるだけで印象が違う
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一言相手に寄り添う台詞を入れるだけで、受け取り手の印象は変わる。
メタファーでは徹底して『一旦相手を受け止める』という対話をしていた。
そもそも人の価値観は善悪で済む話じゃない。
でもゲームである以上、どこかで折り合いをつけて話を進めないとダメだ。
メタファーは上手に”思想の違いで生まれる衝突”を消化していたと思う。
展開・オチについて
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フォーデンが黒幕
主人公が王子そのものだったこと
ルイがエデン族だったこと
過去の魔法戦争によって現代都市が失われたこと
ここら辺は予想できた人が多いと思う。
最終盤の「現代世界に行くか、メタファー世界に残るか?」を選択できるという展開も王道っちゃ王道だろう。
沢山のエンタメ作品に触れた人ほど、メタファーの展開は読めるし驚きがないかもしれない。
僕も展開に対してはそれほど心惹かれなかった。
いや、違うな。「面白いけどねえ」みたいな感じ。
贅沢を言うなら魔法学院はダンジョンにしてほしかったし、レラ戦前にフォーデン戦がやりたかった。
ただ!最後の最後!
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この『第四の壁』の破り方は大好き。
これも何となく予想してたのに、いざやられると「うっひょ!!」ってなっちゃう。
いいよね、プレイヤーが導いたという実感が持てる。
結果として綺麗にまとめてくれたから、ストーリーに何も不満はない。
重箱の隅をつつく様な不満で、この極上RPGを否定するのは勿体なすぎるぜ。
UIについて
評価点に挙げても良かったけど、単純に「メタファーのUIはいい!」と終わらせるものでもない。
最初に言っておくと、僕はメタファーのUIが大好きだ。
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ただ、これが「見やすいか?使いやすいか?」と言われれば、それはNOだろう。「カッコいい割には見やすい」という意見が多いかも。
情報量に圧倒されるし、ゴチャゴチャしている。
お世辞にも「綺麗にまとまっている」とは言えない。
それでも僕は一つのデザインとして、このメインメニューUIを愛している。
ゲーム中に意味もなくメニューボタンを押すことが何度もあった。
レスポンスが早いのも評価点。ポンポン行動できる。
オシャレ度で言えばペルソナ5やP3Rのほうが高いと思う。
ただ、美しさ・視覚的な感動は圧倒的にメタファーが上だ。
そっちを重視しすぎた結果、使いやすさは二の次になってしまった。
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ボタン押すだけで楽しい。アクションゲームしてるみたい
「UI・メインメニューなんて使いやすいほうがいい!」という人の意見も分かる。
同じアトラスゲーの『メガテンVV』もトロコンするほどやり込んだけど、あっちはシンプルで使いやすさの塊だった。
ただ「記憶に残るUIだった」とは思わない。
これは「ゲームに何を求めるか?」で意見が変わるだろう。
僕は見た目に全振りで構わないと思っている。
見た目8:使いやすさ2くらいのバランスで構わない。なぜならゲーム体験の底上げに繋がるから。
せっかくなら全ての動作を楽しみたい。だって楽しくなきゃ面白いゲームじゃないもん。
だから僕はメタファーのUIを称賛する。
不満点
不満点は……あります!!
ただ、どれも細かいことだ。ゲームの評価を著しく下げるような不満点は皆無です。
コンフィグの自由度
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頼むからボタン配置いじらせて!!!!
メインメニューは△で開きたいし、マップはタッチパッドにしたいんだ!!
あと手ブレカメラはデフォルトOFFでいいよ。わざわざ画面酔いに行く人いないでしょ。
ダッシュ時の集中線を消す機能も欲しかった。(アプデで対応してくれました)ホントに細かいところだし、慣れるんだけどね。
終盤のインフレがヤバい
緻密なバトルを楽しんでいたのに、ロイヤル解放から雑にインフレしすぎ。
自由なアーキタイプ選択がウリなのに、レベル65以降くらいは各ロイヤルが最強で最適解になってしまう。
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ラスボスもチャージして物理で殴るだけですぐに終わってしまう。
難易度『KING OF KINGS』の真ラスボスだけは”ガチ”だった。回避タンクハイザメを信じろ
んー、正直ロイヤルはいらなかった。
ご褒美アーキタイプなのは分かるけど、コミュMAXで解禁されるのは特殊スキルで充分だったかな。
と言っても、全キャラロイヤルに出来たのはラスダン中だったので、そこまで気にならなかったけど。
「不安」は要らねえよ
本作独自のバッドステータス『不安』
不安になった味方が攻撃されると、敵はプレスアイコンを消費しない。
これがマジでいらない。頻度としてはそんなに多くないけど、かかるとクソ面倒くさい。
雑にプレスターンをいじるんじゃないよ!!!!
てか「消費しない」ってなんだよ!プレスターンそのものの否定じゃねえか!
2周目が微妙
本作は最高難易度『KING OF KINGS』が2周目で解禁される。与ダメージが飛躍的に増えるので、バトルの緊張感が更に増す。
とは言っても反射アクセを付けていれば、バトルで詰むことはほぼない。
さらに裏ボス1体も2周目に解禁なのだが、これもそんなに興奮しない。
「アトラス35周年」を謳うなら、既存IPから裏ボスを引っ張ってきて欲しかった。
もちろんRPGは1周目の体験がほぼ全て。2周目に移行するユーザーのほうが少ない。
でももう少し、やり込みたくなる要素が欲しかった。
もっと裏ボス戦で興奮したいんじゃ!!
総評
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素晴らしいゲームだった。
プレイしてる最中は楽しくて仕方ないし、終わるのが寂しくて寂しくて…。
どこまでも真っすぐで、エンターテイメントで、プレイヤーを飽きさせない工夫に満ちている。
そう、このゲームは真っすぐなのだ。
バカみたいに理想論を語って、恥ずかしいセリフを何度も言ってくれる本作が大好きだ。
「この世界は、自分が思うように変えていける。」
擦り切れるほど使い古されたテーマだからこそ現代人に響く。
どこに言っても喧嘩しているSNS、誰かを見下してアイデンティティーを保ち続ける人々。
僕たちプレイヤーが生きる現実世界は、あまりにも息苦しくて辛い。
でも、どんなに黒くて淀んでいる世界でも変わる可能性は捨てちゃいけない。
もう大人だけど、幻想に夢を見たっていいかも。
そんな気持ちにさせてくれてありがとう。
こういうゲームがしたかったんだ。