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4月28日(金)国会前:まずは茶を飲んで

ここに記すのは、4月28日(金)衆議院法務委員会審議前に、そのすぐそばの歩道で行われていた入管法改悪反対シットインのリレートークの時に話したことです。言いたいことはほとんど言えずでした。だって、話すの苦手なの。私。
でも、記録にここにも残しておきたいと思います。

みなさん
わたしはここに座っている方々と「同じ」日本の住民です。
ミャンマーで2021年2月に軍事クーデターが起こされ、帰国困難になるミャンマー出身の方々がたくさんいます。在留カードを持っていないためにコロナになっても医療アクセスが難しく、命の危機にさらされてきた仲間たちがいます。そんなふうにどん底に突き落とされていった友だちと一緒に、アトゥトゥミャンマーという小さなグループをなぜか私は作ることになったのです。
アトゥトゥは、ビルマ語で一緒とかおんなじという意味です。その時はまだわたしの知らなかった言葉です。長いことミャンマーの人と一緒にいたのに、そんなことすら知らなかったのです。

わたしは今、審議されている入管法改悪案に魂の根幹から反対します。
入管法改悪案の起点に嘘があると思うからです。
帰国を拒否する人が日本で犯罪を犯しているから、悪い人は違反者で国に帰ってもらわなければならないという物語は、嘘だと思います。強制送還を拒否して自分は助けが必要と言ってるいろんな地域からやってきた人々は、今日本に3000人ほどいるそうです。3000人です。わたしは非常勤で学校で働いています。そして、こんな私でも、三年もすれば、3000人の生徒学生の名前を覚え、一人一人の思いを聞いたり、教えられたり、その変化を知らされます。一国の政府が3000人の物語に耳を傾けられないなんておかしいです。その3000人のうちの何人が犯罪歴があるかを調べているより、どうしてそうなったのかの話をもっと親身になって、真面目に聞いてほしいです。そしたら、その一人一人の物語にそって、どうやったらこの国で生きていけるか、あるいは安全に自分が生きたい場所で生きられるのかを考えられるはずです。ミャンマーの人に国に帰れというならば、ミャンマー軍に対して、はっきりと早く暴力をやめろと言ってほしいです。それをしないで、日本でどんなに困っているのかの話も聞かないで、平気で働けない状況にしたり、収監したり、監理者を立てて見張りをさせたり、そしてちょっとでも状況が変われば帰れということができるような制度をちまちま作っているのは、政治ではないと思います。

アトゥトゥミャンマーで出会ったなかまの話は豊かです。時々、想像を遥かに超えるぶっとびな話もあります。今は、ミャンマーふりかけ工場を作りたいという人がいます。私は頭を抱えます。そんなこと、できるだろうかと。でも、できたらいいなあ、そこで楽しく料理を作ったり、ご飯を提供できたらいいなと思います。もし、一人一人の話を聞いたら、思いもよらない世界が広がってくるのに、そのチャンスを日本に住んでいるあらゆる人から奪わないでほしいです。お互いに思いもよらない出来事に遭遇するチャンスが話を聞けば出てくるのです。だから聞かなくちゃならないです。
難民申請の時、たくさん資料が必要です。お手伝いをしたことがあります。でもその時「殺されなければ難民になれない」と言った人がいました。これは怖い話です。それに申請用紙にある難民であることを証明する具体的な事例を書く欄は驚くほど狭く、3センチぐらいしかありません。そんな幅に自分がどんな思いで日本に来たのか、自国ではどんなことをされそうなのかを表現できません。だから追加資料を何枚もつけるのです。元々、この記入欄がこんなに小さいこと自体に、難民認定される理由などそれほどないと思われているのかとすごく悲しかったです。
改悪案では「難民認定のための事由への判断をなんかゆるくするかも」みたいな取り引きがされています。しかし、今日、入管で行われる現行法での難民審査でも、十分に難民認定を実行できるので、変えなくてもいいし、やるべきことは、当事者の話を聞くことです。審議する人は聞け。
なるべく申請させない、送り返す、いる人は悪者だなんていう差別をしないでほしい。一回、まずは聞いたらどうかな?一対一、おんなじ人間として、世界のいろんな地域にいる人が、いま日本で暮らしてるすばらしさと、びっくりと、おいしさと、あったかさを感じてみたらどうかと思う。
一回、ミャンマーのお茶飲んでから、話してほしい。今、ここに座っている人たちと私は一緒にお茶を飲みます。今配ってます。お茶飲んだら、話しがしやすくなる。お茶飲んだら聞くことができるようになる。
入国する時は観光ビザだったのになんで急に難民というか?みたいに聞かれることがあります。いや、逃げるってそういうことでしょ?誰が、難民のビザなんてないのに難民ですと言ってこの国にやってきますか?そういうことをつついていじめるのではなくて、まずは茶を飲め。
あなたがたは、閉じた扉を開きなさい。あなたがたが開かないのであれば、ここにいる人々と私がその扉を開く。

以上が、国会前でのトークのためにメモったことだったのですが、これはその夜のミャンマーを覚える祈り会(116回目)の最後にもう一度読ませてもらいました。その理由は

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