師匠を超えるのではなく守った男
昭和の新日本プロレス最後の闘い
昭和の新日本プロレスブームの功労者である、古舘伊知郎さんの
数ある名言の中で一番印象に残っているのは、猪木さんと藤波さんが闘った時の「藤波よ、猪木を愛で殺せ」言葉だけだと、殺伐とした感じですが、
猪木さんと藤波さんの関係を考えると、とても深い言葉です。
猪木さんに憧れて日本プロレスに入門し、付き人として猪木さんのプロレスを学び、トップレスラーに昇りつめた藤波さんと、自身が日本プロレスを追放されたときに、後を追うように日本プロレスを飛び出して猪木さんと共に
新日本プロレスに参加した愛弟子と対峙する猪木さん。
猪木さんにとって愛弟子に介錯されるのが一番望ましい事だったと思います。
真実の愛
日本プロレスから猪木さんを慕い、新日本プロレスに参加した
正に一番弟子とも云える存在の藤波さんしか猪木さんをリング上で
愛を持って殺すことが出来るのです。
でも藤波さんの猪木さんへの愛は、想像以上に深く猪木さんを殺せませんでした。
藤波さんにとって猪木さんは、「殺さなければならない存在」ではなく
「自分が守るべき存在」だからです。
その背景があるから私は、古舘さんの「愛で殺せ」には深い意味を感じています。
アントニオ猪木への愛
嘗て仲間に裏切られ、弟子たちにも裏切られたアントニオ猪木さん
でも一度裏切った人たちが、戻ってきても快く受け入れる猪木さん
その猪木さんの背中を追い続けた藤波さん(他にも藤原さんもいますが)が
猪木さんの弟子の中で、猪木さんの愛情を受けたのではないでしょうか。
私個人の意見なので、反論は受け付けません。
アントニオ猪木の掌
昭和の時代から新日本プロレスを見てきた(観てきた)私たちは、
最後まで、アントニオ猪木の掌で踊らされていた、アントニオ猪木信者
だったのかもしれません。
アントニオ猪木は、何時までも私たちの心の中に生き続けています。
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