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那須川天心 ボクシング鮮烈KOデビューとはせず フルラウンド戦う事で生み出した幻想

2022年6月19日に格闘技史最大で最も意味のある1ページを刻んだキッキボクシング界の神童が、新たな挑戦の船出を2023年4月8日、有明アリーナにてボクサー那須川天心として本格始動。

そんな天心のボクシングデビューを簡単に書いたのでサッと目を通すくらいで見ていだければと。

全てが異例の待遇 キック界で残してきた功績はボクシング界でも価値を持つ

6月の武尊戦から随分長い期間沈黙を保ってきた訳だが、帝拳ボクシングジム所属でプロボクサーの道に飛び込むことを正式発表してからは怒涛の勢いで、かつ超高待遇で事が進んだ印象。

天心1人の為のプロテストに大勢の取材陣。
試合発表会見上の席は世界王者を差し置いての堂々のど真ん中。
試合1週間前でのプロ興行内で行われた公開スパーリング。
試合前の入場演出。

その全てがデビュー戦ボクサーに対して用意されるではなく、前代未聞の事だらけ。

それもこれも格闘技42戦全勝という前代未聞の記録を打ち立ててきたからこそだ。

この待遇に多少なりとも緊張や責任、重圧を感じ、試合で垣間見える可能性もあるかなと心配というか、期待というか、していた訳だが全くそんなことはなくいつもの〝那須川天心〟を演じ切ったことには脱帽であった。

格闘技とボクシングの違い メディア•媒体が取り上げ易くなった事で更なる知名度アップに

異例の待遇と前の項目で表現させてもらったが、キック時代から天心を見ているファン、そして勿論天心本人も、取材陣され取り上げていく媒体に変化を感じたはずだ。

キック時代は雑誌やYouTube、AbemaTVなどが主な媒体。

勿論今回のボクシングでもそれらの媒体でいくつも取り上げられていたが、1番大きく変わったのは地上波と新聞で取り上げられた事。

キック時代から地上波の重要性というのは天心は意識していたと思うが、THE MATCHでPPV放送を大成功させ、日本格闘技界に新たなPPV放映の礎を築き格闘技界に大きなモノを残した。PPVの旨みを誰よりも感じたはずだが、今回のボクシングデビューについて地上波や新聞に取り上げられ注目を集める事が本当に嬉しいというのがSNSを見て感じる。

格闘技とボクシングの違いというのはこのようなメディアや媒体の違いにもある事を我々ファンも認識できた訳だが、それを気付いたと同時に天心の試合前の発言の真意も感じ取れてきた。

「本物の格闘技を見せますよ」

格闘技もボクシングと同じように地上波などで取り扱って欲しいという天心流の格闘技への恩返しなのかなというように感じた。

我々格闘技ファンとしては是非格闘技もボクシングと同じように地上波や新聞でも取り扱われるようになって欲しい。

試合は判定に 6回を戦い抜くことで得られる収穫を狙ってなのか

相手は日本バンタム級の上位ランカーということはお構いなしと、様々な方が天心のKOを予想していただろうが結果は大差判定勝利。

ワンツーの真っ直ぐ系、フックやアッパーも織り交ぜ、ボディーの打ち分けとボクサーらしさも勿論、ボクサーのセオリーには全くないフェイントや攻撃、魅せるパフォーマンス、クリンチの練習とも見える動きと、3分6Rの中で様々な部分を天心本人の中で試していたのか。

KOを期待していたファンも多かった訳だが、KO出来なかったことに対してトヤカク言うことをもさせぬほどのテクニックを見せてくれたという印象で、天心の格闘センスをまざまざと見ることができ、ファンとしては早期KO決着よりも楽しい試合が見れたなと個人的には思っている。

今後の天心の動向 井上尚弥も反応

見事なデビューを飾り、想定していたプランが崩れずに今後の動向を決める事ができるようになったであろう天心陣営。

日本タイトルや東洋太平洋タイトル。
ボクシングタイトルに何戦くらいで照準を合わせていくのか。

割とタイトル獲りの時期が語られる話題として出ると思うが、今回私は〝階級〟についての動向を書きたいと思う。

今回はスーパーバンタム級で試合だった訳だが、階級をどうするのか。

バンタム級に落とすのか。
スーパーバンタム級にある1人の選手がいるかいないかで階級をどうするんだと言う問題が発生するあたり、その選手の凄みを感じる。

その選手とは言わずもがな井上尚弥。

井上尚弥が束ねたバンタム級の4本のベルトに照準を合わせた方が世界タイトル奪取の可能性がグンと上がると読み、バンタム級に落とす事が濃厚視されているだろうが、私はそのままスーパーバンタム級に留まると予想。

世界タイトル獲得最速記録などを狙っているなら階級変更もあり得ると思うが、しっかりと時間をかけて育てていくという帝拳の意向というのは、今やPFP1. 2位に常に名を連ねている井上尚弥との対戦というのはあまり現実的でないと判断し、井上が同階級にいることは何ら関係ないというのが意図ではないかと私は汲み取る。

無理な減量をさせいち早くタイトル獲りに舵を切ることよりも、天心の最適正階級で実戦にてパフォーマンスを磨いていく事が重要だろう。

天心の記事を書いているのに井上尚弥名前を乱発している訳だが、そんな井上も天心のデビュー戦後に固有名詞を出したコメントをSNS上に残している。

ごもっともすぎるコメントには何も言えない。

天心の圧倒的なデビューパフォーマンス、そして「俺も絶対に負けられない」という最強選手の頼もしすぎる言葉。

日本ボクシング界の未来の明るさを象徴するような2選手に、ファンとして今後も楽しませていただく。

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