見出し画像

墓じまいプラン

突然に電話がかかってきた

もう何年も会っていない従兄弟から突然連絡が来ました。
かなり厳しい病気も経験したと聞いていたので、心配していましたが、
「久しぶり!」
の声はなんだか艶やかにさえ聞こえました。
彼の奥さんと私は時々メッセージをやりとりするので、その様子は奥さんから聞くばかりで、とんと本人が登場することは何年もなかったのに、わざわざ連絡してくるとは、、もしや、あの話では? 
と思い当たるくらい話題は限定されいます。
お墓のこと

「いやね、同じ境遇だから意見を聞きたくて電話したんだけど」
同じ境遇とは、、、
①同じ霊園に親のお墓がある
②子供がいないので、その死後にお墓を守る人がいない
やっぱりね、、、そんな話じゃないかと思った。

お墓を買った時

彼は私と同級生で、私が小学2年の時、彼の家の近くに引っ越したことで子供の頃はいつも一緒に遊んでいた仲です。
我々が成長して、祖父が亡くなった頃だったか、母と彼の父である伯父も自分たちの行く末について考え、伯父が車で約1時間ほどで行ける霊園を見つけてきました。
そこならば、車で1本道
「車でシューッと行けばすぐお墓参りできるから」
という理由で、我が家も、当時子供もいなかった母の叔父叔母と一緒に買いました。そして計画通り現在、我が家のお墓には、母の叔父叔母、父が、伯父のお墓も伯父と伯母が納まっています。
従兄弟には姉がいますが、お嫁に行っているので、そこには入らない。
つまり2つのお墓に控えるは、私と、従兄弟夫婦がラストで、その後は途絶えることが決まっています。

「僕も子供いないじゃない?そしたらもう放ったらかしになっちゃうから、永代供養とか考えてさ。霊園に問い合わせたらそういうのもやってるんだって。」

へええ、今まで無関心で都内に住んでいるからお墓参りもしてなかったのに急にどうしたことか?

考えるきっかけ

「最近親友が死んじゃったりさ、身近な人が死んじゃって、自分のことも考えなきゃと思ったわけよ」

なるほど、やはり身近に考えるきっかけがあると変わっていくものですね。
私たちの幼馴染で近所に住むT君は今年7月、自宅で孤独死していました。
独身で一人っ子。発見された時は、伝える縁故者もおらず。我が家が古くから知っているので、警察が関係者の連絡先を聞きにきましたが、近年は話すこともなかったのでさっぱりわかりませんでした。
そんな例もいくつか耳にするようになり、世の中は無縁仏増加中
やはり、生きているうちに自分の始末をしておくのは世の中にご迷惑をかけない最後の礼儀ということか

「聞いたらね。墓じまいの費用って20万円くらいなんだって」
へえ、噂では200万くらいかかるとも聞いていたけれど、そのくらいならしまっちまう方がいい。
「それならその方が良くない?」
従兄弟も同じことを考えたようです。
そして霊園の話では最近そういう人が増えているというのです。
子供なし、結婚しない、そんな人が増える世の中だから、こんな話も気楽にできるようになったのかもしれません。
我が家はお墓を買った本人がまだ存命なので、彼女までは思いを遂げさせてあげて、そのあとは、、、

なんとなくイメージしていたことが、従兄弟の電話のおかげで少しはっきりと見えてきました。



いいなと思ったら応援しよう!