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終活万端
僕が死んだらパソコン開けて、このファイルを開ければ処理できるってことになってるから。
以前突然連絡してきた時の墓じまいプランのその後のことを従兄弟は話し始めました。
「この人ボーッとしてるから、僕が先に死んじゃうと困るだろうと思って、とにかくそのファイル開ければ全部できるようになってるの」
彼は奥さんより先に死んでしまった時のことを1番に考えているようでした。
以前電話をかけてきた時は、今住んでいる都内の住まいの近くにできた最新式の霊園に納まることも考えていました。お参りするときは、立体駐車場みたいにスイッチを押すとお墓が出てくる仕組みになっているところ。
「でもね、新しくできたところってちゃんとしてるのかしら?お寺でもないし、、」
確かに骨を納めることを目的に作られた施設というところに奥さんは引っかかっているようでした。
「それだったら、今の霊園の共同墓地(?)に入れてもらうことにして、墓じまいする方がいい気がする」
奥さんはその日はじめてそのことを口にしたらしく、
従兄弟は一瞬「え?」という表情をしましたが、奥さんの意見を尊重して
「あ、そう?じゃそうしようか。じゃあ帰ったら書き換えるね」
この前の電話からずっとそのことが気になっていたのでしょう。
ここまで話してスッキリしたようでした。
久しぶりの従兄弟の訪問は、子供の頃の思い出から知らなかった彼の人生を聞いて、1周回って戻ってきたかのように、亡き人たちとの思い出を語りながら、みんなが集っていたあの日にかえったようでした。