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ミュージカルやろう9 代役の代役
このミュージカルのキャストには男性が5名必要です。
でもほとんどのメンバーはソロで歌ったり演技をするのははじめてなので、主にミュージカルクラスの音大生に手伝ってもらい
主役スクルージの他は
第二の亡霊→音大生A
スクルージの部下クラチット→音大生B
スープ屋→合唱メンバーから若手エリート
過去のクリスマスに出るかつてのスクルージの上司→私の同級生60代
と配役しました。
セリフ稽古をしていよいよ立ち稽古。シーンごとに動きをつけて行きます。
クラチット役のBくんは元気は良いけれどちょっと不器用なのか、時間がかかっていました。
そして3回目の稽古から
来なくなってしまいました。
え?おやすみ?1回くらいはみんなほかの用事があれば休むこともあります。
が、そこに彼を紹介してくれた先生でもある私の友達から連絡が来ました。
彼は発達障害があって、ちょっとほかの子よりも何事にも時間のかかるところがあって、
どうやらそこを誰かに何か言われたらしく、もう練習に来られないと言ってきました。
えーーーーー!
とりあえず本人にLINEをして、あなたのことを理解した上で、できるようにするので、役もついているのだから頑張って来てね。
と伝えました。
が、、、
来なかった。
最後に来た返事は
「もうこんな気持ちで出るのは失礼なので辞退します」
発達障害の子に誰かが何か言った。そしてその子はできなくなってしまった。
という文を書いてみると、この子に責任はないように思えるし、彼を結果的に傷つけるようなことをした誰か?が悪いように読めます。
でも、そうなのだろうか? 発達障害をいう言葉は水戸黄門の印籠みたいになってないのか?自分の責任を果たすことを教えるのは、心の弱い子に無理強いをすることになるのか?など、デリケートな疑問はたくさん湧いてくるのですが、、
今、そんなこと考えている暇はないのです。
代役!そうキャスティングを替えなきゃ!
そこで本来スープ屋だったエリートくんをクラチットに
エリートくんがやるはずだったスープ屋は新たに歌の上手い同級生に頼みました。
エリートくんは表情も変えずに
はい!と言ってスマホに入れたセリフを見ながら立ち稽古し始めました。
そして、突然スープ屋になった同級生は
え?ソロもあるの!勘弁してよ!
と慌てていましたが、真面目だし、歌も好きだから本番までになんとかしてくると信じて丸投げしました!
さあ、いよいよ稽古も終盤
スープ屋のソロで始まるお葬式の場面。
ん?スープ屋はスープのボックスを首から下げています。
スープ屋さん!ここはお葬式の場面だからスープは要らないよ。
ボックスは置いてきて
と言ったら、返ってきた返事は
ダメダメこれ持ってないとだめ。
このボックスの底に書いてあるんだから