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「新版 今日が人生最後の日だと思って生きなさい」
「新版 今日が人生最後の日だと思って生きなさい」(小澤竹俊 アスコム)
4000人を看取ってきたホスピスの著者による、人生の意味や本当の幸せについて考えるための本。「忙しく過ぎていく日々の中で、立ち止まり考えたいこと」(5ページ)とあるように、ときどきは立ち止まって考えることが必要なのだろうと思う。
ディグニティセラピーは、人生最後のときが近づいている人だけでなく、大きな苦しみを抱え、自分や自分の人生を肯定できずにいる人にとっても有効だと私は思います。
九つの質問に沿って導き出した答えをノートに書いてもよいでしょう。
以下に質問の内容を記しておきますので、ぜひやってみてください。
【ディグニティセラピーの質問】
これまでの人生について少し教えてください。特に、あなたがもっとも憶えている、あるいはもっとも大切だと考えているのは、人生のどの時期でしょうか。もっとも生き生きしていたと感じるのはいつのことですか。
あなたのことで、大切な人に詳しく知ってほしいことや、特に憶えておいてほしいことがありますか。
これまでの人生であなたが果たしてきた役割(家族の中での役割、仕事での役割、社会的な役割など)の中で、あなたにとってもっとも大切な役割は、どの役割ですか。どうしてそれがあなたにとってそれほど大切なものなのですか。その~という役割では、どのような役割を果たすことができたと思いますか。
これまでにやり遂げたことで、あなたにとって、もっとも重要なことはなんですか。もっとも誇りに思うのはどのようなことでしょうか。
あなたから、大切な人に伝えておかなければと感じていることや、もう一度時間をとって伝えたいことが、何か特別にありますか。
あなたの、大切な人に対する希望や夢にはどんなことがありますか。
あなたが人生から学んだことで、誰かに受け渡したいと思うことはありますか。大切な人へ受け渡したいアドバイスや指針にはどのようなものがありますか。
大切な人が将来に備えるうえで役立つように、伝えておきたい言葉や、指示などはありますか。
この手紙は(大切な人の手元に)ずっと残るものですが、ほかにも入れておきたいものはありますか。
(エンドオブライフ・ケア協会による訳を引用)
(125-127ページ)