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「子どもを医者にした親たちが幼少期にしていたこと」

「子どもを医者にした親たちが幼少期にしていたこと」(幼児教室ひまわり 啓文社書房)

阪大医学部に現役で合格し、幼児教室の塾長の著者による、幼少期の子育ての心がけについての本。タイトルはとても直接的だが、内容はとてもきちんとしていて、幼稚園から中学くらいまでの子どもの自主性を育むための親の言葉や態度についてのアドバイスが書かれている。ただ、幼少期についてのアドバイスを読むと、「自分もこのように気をつけて幼少期のわが子に接していたはずなんだが...」とついつい思ってしまう。自分の子どもよりも小さい子ども向けの子育て本は、下手に読むとストレスが溜まってしまうのかもしれない。

 多くの親御さんは、おもちゃを選ぶ場合、戦隊ものやキャラクターものなど、お子さんが喜ぶおもちゃを選びがちです。しかし私たちは、「おもちゃや知育玩具をどのように選べばよいか?」というご質問には、次のようなひとつの基準をお伝えしています。
 それは、「そのおもちゃが子どもの頭を良くするかどうかで選ぶ」という基準です。
 例えば、粘土や積み木などは、お子さんが想像しながらなんでも自由に作ることができ、手や指先を使うものです。
 これを、少量ではなく大量に与えます。少量だと、せっかく想像のままになんでも作ることのできるおもちゃなのに、車なら車を作った時点でその遊びが終わってしまいます。
 大量に与えておきば、子どもは、何をしてもいい。この粘土や積み木を使って、指、手足、それこそ身体全体を動かして、想像力を働かせて、自由にいろいろなものを作ります。(16ページ)

 塾が出している教材はなぜいいのか。それは、やはり塾で使用している教材は、成績を向上させた実績に基づいているからです。実際に生徒さんが使ってみて、成績が上がったポイントなどもわかるように工夫されています。
 さらに私たちが教材について重視するのは、「類題が豊富に用意されているか」という点です。(24ページ)

 まず習い事を始める際に大切なのは、「ゴールを決めること」であると私たちは考えています。
 やめる時期をいつにするか、ということを最初に決めておくということです。
 お子さんがやめたいと言うからやめさせるというような中途半端な形ではなく、決められたところまではきちんとがんばることです。(32ページ)

 お子さんが自己肯定感を持つために重要な事柄として、まず成功体験が挙げられます。とにかくお子さんにたくさんの成功体験を積ませること。これが本当に重要です。
 ただその前にひとつだけ、「これだけはすぐにやめてほしい」ということがあります。それはマイナスの言葉をお子さんに言うことです。(47ページ)

 勉強は「知識の使い方」を学ぶこと。だから意味がある。
 生きていく、成長していくためには知識だけでは不十分で、その知識をどういうふうに使っていくのかが大切です。勉強とは、まさにこの部分を学ばせてくれるものだと思っています。
 知識を得る。そして、その知識を使ってテストで得点をとる。
 これを総合的に、つまり自分の将来に一見関係ないと思われる分野においてもやっていくことによって、初めて社会でも自分の能力を生かしていけるようになります。
 問題を解くということは知識を身につけるだけでなく、知識を使うということです。
 公式を覚えただけでは、問題は解けません。公式を使ってどうやって問題を解いていくのかが大切なのです。
 将来、社会の中で生きていくためには何を学んできたかも大切ですが、むしろその知識の使い方が重要になってきます。
 その知識の使い方を学ぶために勉強するのです。(112ページ)

 では、お子さんが自分でお医者さんになりたいと思うようになるためには、どうすればよいのでしょうか?
 幼児教室ひまわりの講師、藤井先生の娘さんは、現在お医者さんをされています。
 藤井先生はお子さんが自分でお医者さんになりたいと思うようになるために、お医者さんという仕事に通じる具体的なきっかけを作ってあげた、と言います。
 そこで、医療モノのドラマを観せたり、ということは多くの親御さんが思いつくことです。藤井先生の場合、もう一歩進んで、お医者さんという仕事はどのようなものなのかをお子さんに見せる機会を作りました。
 お子さんが風邪などをひいたとき、病院に一緒にでかけます。
 そのとき、ドクターとコミュニケーションをとって仲よくなる。するとドクターもお子さんに話しかけてくれたり、撮影したお子さんの検査画像を詳しく見せたりして、お子さんにお医者さんの仕事のいったんを見せてくれるようになります。
 そうすることで、お子さんのお医者さに対する興味の持ち方が、まったく変わったと言います。
 そして、風邪とはどんな病気なのか。人間はなぜ病気になるのか。それを治す仕事はどのようなものなのか。単にドラマだけでなく、実際に目の前で話しかけてくれたドクターの知識や頼りになる姿を見て、興味をどんどん広げていったと言います。
 実際、一言でお医者さんといいますが、お医者さんの仕事はとても幅が広いものです。
 その中のひとつからでも興味を広げてくれれば、お医者さんになりたいという気持ちはどんどん育っていくと私も考えます。(130-131ページ)

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