「翻訳できない世界のことば」

「翻訳できない世界のことば」(エラ・フランシス・サンダース 前田まゆみ 創元社)
http://www.sogensha.co.jp/special/honyaku/

外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在する。この本は、このような「翻訳できないことば」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集である。見開き2ページで、なぜこのような概念を単語で表そうと思ったのかと思うような単語が並んでいる。例えばタガログ語のkiligは「おなかの中に蝶が舞っている気分。たいてい、ロマンチックなことや、すてきなことが起きたときに感じる」という意味なんだそうだ。ドイツ語のDrachenfutterは「直訳すると『龍のえさ』。夫が悪いふるまいを妻に許してもらうために贈るプレゼント」という意味だそうで、面白い。日本語からは「木漏れ日」「ボケっと」「侘び寂び」「積ん読」が選ばれていた。ことばは、面白いし、難しいと再認識させられる。

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