「金儲けのレシピ」
「金儲けのレシピ」(実業家bot 実業之日本社)
https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-33946-7
東大を中退して年商10億円以上の起業家の著者による金儲けの秘訣の本。商売の法則は15の原理原則にまとめられるとし、その原理を様々なビジネスモデルなどから検証・考察したとしている。まえがきで「成功者が必ずしも成功のノウハウを持っているわけではない」「誰でも、簡単に、誰でも儲かるはあり得ない」「自分が詳しくないビジネスはダメ」などと述べている。
・レシピ0 商売の原理原則
完全競争市場になると儲からない、ビジネスの本質は顧客当たりの収益性と述べている。
・レシピ1 消費者から買う
買取業や質屋などのように消費者から買うビジネスは(消費者は売るときはプロフェッショナルでないので)事業構造が良い、労働者の解雇が難しいので労働力取りまとめ業のニーズがあると述べている。
・レシピ2 客に作業させる
IKEAや焼き肉などのように、作業にエンタメ性を持たせて、客に作業を押しつける事業構造を勧めている。
・レシピ3 まとめると高くなる、切り分けると高くなる
小さい土地を買い集めて再開発を行うスケールメリットと、大きなものを切り分けることで価値を出すスモールメリットについて述べ、例えば鮨ならばこれくらいの相場というイメージを有効に使うことで高い値段を取れると述べている。
・レシピ4 1:n構造を作る
予備校のビデオ・オン・デマンド、本の印刷、SaaSなど、1:n構造を作って儲けの構造を作ることを述べている。
・レシピ5 両方から金をもらう
転職仲介やRIZAPなど、客からも金を取るビジネスモデルを紹介している。
・レシピ6 合法的に麻薬を売る
中毒性のある嗜好品として、砂糖、小麦粉、脂肪を文脈に乗せて売れと述べている。
・レシピ7 確率をいじる
ビックリマンチョコ、ソーシャルゲームのような射幸心の刺激と、保険や保証のような損失回避性の利用について述べている。
・レシピ8 空気を売る
入場料ビジネスや、無形商材を有形商材っぽくすることについて述べている。
・レシピ9 意思決定に介入する
大塚家具の失敗の原因として、会員制によるプレミアム感、密着営業による非合理な意思決定に誘導できなくなったと述べている。
・レシピ10 仕入れで儲ける
安く仕入れて普通に売るビジネスと、普通に仕入れて高く売るビジネスでは前者の方が差別化しやすいと述べている。
・レシピ11 他人の財布を狙う
接待、結婚式、葬式など、他人の支出が前提のビジネスや、不動産販売など客側の担保価値を利用したビジネスについて述べている。
・レシピ12 高いものはいいものだ
高いからこそ買う商品や、高いものが無価値と思いたくない認知的不協和の解消、標準治療が安いことによる代替医療の受け入れについて述べている。
・レシピ13 勝手に「権威」になる
資格を作ってそれを認める側になる、勝手に格付けする、講師業によって価値を持たせるなどについて述べている。
・レシピ14 信者ビジネス
Apple、サイバーエージェント、スターバックスを例に商売に宗教構造を持ち込めと述べている。
・レシピ15 究極のレシピ
フランチャイズなど、金儲けのレシピを売ることが究極のレシピであると述べている。
面白い本だが、もう少し詳しく書いてくれたらという気もした。