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「終戦記念日」と、「VJデー」

本日8月15日は、言わずと知れた「終戦記念日」です。日本にとって。
この時期になると、いつも思い出すことがある。


20数年前、私は数ヶ月をイギリスで過ごした。その時、私は23歳で、社会人も3年経験し、自分はなんでも知っている大人だと思っていた。
(今思えば、まだまだケツの青い若造だったのだけれど)

でもそれは、日本という小さな島国の中での、狭い知識でしかなかったと、思い知らされた。


考えてみれば当たり前のことなのだけれど、日本が第二次世界大戦に負けた日というのは、連合諸国にとっては、戦争に勝った日である。

そしてその日を、イギリスでは「VJデー」と呼んでいた。
「VJデー」とは「Victory over Japan Day」
つまりは、対日戦勝記念日のこと。


そして8月15日を迎える前、日本人向けのフリーペーパーのコラム欄に、こんな内容のことが載っていたのだ。

「VJデー当日に日本人が街中を歩いていると、生卵を投げつけられるので、出ない方がいい」と。
これは衝撃だった。

(余談だが、新コロナウィルスの蔓延で、東アジア人が海外で暴行を加えられる、と言う話もあったけれど、VJデーも、人種的な差別という面があったのかもしれない。)

そして8月15日当日は、日本のようにスペシャル番組が組まれていた。しかしその趣は、当然ながら日本とは随分違う。

イギリス兵が日本で捕虜になった時、日本兵にどれだけ酷いことをされたか、という再現VTRが流れるのだ。

そして戦争当時、イギリス兵捕虜の担当をした、日本兵のおじいさん数人が、番組内で証言をしていた。


おじいさん達は、敵意を感じさせないようにニコニコしていたのかもしれない。しかし英国人捕虜に対するひどい仕打ちVを流した後では、逆効果だ。

英国民からすれば、「あんな酷いことをしておいて、なにヘラヘラしているのだ!」と怒りを買いかねない雰囲気だった。

もしかしたら、番組側がそれを狙っていたのかもしれない。それほどあからさまで、違和感を感じた。


あれからもう、かなりの年月が過ぎた。
今ではもう、「日本人が外を歩けない」などと言うことはないのかもしれないが。

毎年この時期になると、いまだに思い出してしまうのである。


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