今日が終わる(掌編小説)

今日が終わる
 今日が終わる。そう思うだけで僕は憂鬱だった。空の色は見事な夕焼け色で綺麗だとは思うが、感動はできなかった。街は黒に限りなく近い青色に包まれて、冷たくなって、それに抗おうと人々は温かな灯を灯しはじめる。

 僕は夜の街を何も考えずに歩いている。いくべき場所などなくて、それでも、居場所を探しているかのように僕はこの延々と続く道を彷徨っている。

 いつまで経っても世界は冷たくて、僕は僕に冷たくて、まるで永遠のようで、僕は夜が嫌だった。

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