息子よ、祝バレンタイン
母親が息子にバレンタインでどうこうやるのは気持ち悪いと思ってしまっていたので(元夫が、「毎年女性2人からもらってたけれど」とニヤニヤして言ったのが母親と妹からだったという、あのときの顔がトラウマ)、「バレンタインといっても別にお母さんからはないから」と息子に言ってあった。
すると息子が、「日本以外の文化も認めないとだめだよ!」と思いっきり勘違い発言をしてきたので、「バレンタインでチョコをあげるというのはだな、その理屈でいうと『日本文化』なのであってだな」などと、全く夢のない話をしてしまった(そこで、なんでもかんでも「文化」という奇妙さを学部1年で私の師匠が言っていたことを思い出しつつ、「文化」という言葉は本当は使えないことを小4にわかるように説明できないふがいなさを感じながら)。
息子の顔がみるみるうちに曇っていった。
・・・という前日の出来事を昨日退勤前に思い出したので、さすがにかわいそうなことだ(第一私のトラウマは元夫の思考や発言や顔であって、バレンタインそのものではない)と思い直し、閉店前の町のケーキ屋に立ち寄って、チョコレートケーキを買って帰宅。ちなみに私用には「ブランデーたっぷり」と添え書きされていたサバラン。最近は夜な夜な論文に取り組むために禁酒している。ケーキくらいはよかろう。
で、塾に向かった息子と入れ違いに帰った私を迎えたのは、ドアノブに「中身が分かる状態」で頑張って置かれていたチョコレートであった。持ち手がないチャックつきのかわいらしい保存袋に入ったそれは、落ちないようにドアノブに鎮座していた。何度か落ちそうになったのかもしれない。
このご時世、若干の警戒心とともにその袋をつまんでみたが、差出人の名前も宛名もない。HAPPY VALENTINEと油性ペンで書いてあり、横にニコちゃんマークみたいな絵も。袋はチョコレートをうまく入れるためか、もしくはドアノブに落ちないように載せるために格闘したらしき痕跡が残っており、透かすと指紋も見えた。調べてみると、某100均の複数のチョコレート型と形が一致。
うむ、あやしいブツであったら、もっと袋がきれいなはずだ・・・。
帰宅した息子に見せると、思い当たるふしがあると言う。よかったね、初めてもらったバレンタインチョコが母親からではなくて。いい思い出になっただろう。
去年まで私からは何もしなくてよかった。来年もしないでおこう(爆)。