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足元で威嚇する蜘蛛の強さを知る。

僕は毎朝わりと早めに起きる。
なんならニワトリのモーニングコールより早くに起きる。
家事という名の弁当作りや掃除を済ませるためだ。

自分の分と父親の分。
この環境は後日また別で記したいと思う。(母はちゃんといますよ)

「いい歳こいて実家暮らしか?」
と思われるだろうけど違うのさ

僕は家を建てた。(施工は大工)
だから世帯主は僕なのだ、スネなどかじる暇もない。

自分は結構いじっぱりで頑固で友達は決して多い方ではない。
一般的に言うめんどくさい部類だと思う。
そういった人生の中でも、音楽関係以外で親友と呼べる友達が1人いる。


その友人の後押しがあって、ようやく家が建てれた。
というか建った事に未だに驚いている。

昔から意地張るのはいいが引っ込み思案な自分がものすごくコンプレックスで
田舎の長男特有というのだろうか、わりと良い子を演じてしまう生活だった。

そんななか嫌気がさして
「PUNKに生きてやる!」
と言って学校もあまり行かなくなったり、ニートになったり、フリーターになったり、散々親に迷惑をかけてきた。
生活習慣はまさに「JUNK」なもんで、昼や夕方に目を覚ましては家を飛び出して夜は遊び、毎日ジャンクフード、毎日酒を浴びる、を繰り返していた。
色んな言葉をあびせられたりもした。「このクズが!」とかなんて何度聞いたことか。長男だから耐えられた。


今ではすっかり朝起きて、栄養バランスを考えて自炊をして、家事をして、ちゃんと仕事に行く。
といったややちゃんとした人にはなっている。

そこにシフトしてくれたのが上で語ってる友人。

以前に起きたウッドショックが問題となったことと、実家がもう80年くらいの廃墟一歩手前になりかけていたタイミングもあり
僕は運良く友人の力を借りれて家を建てることができた。

「最大の親孝行じゃん!」
と以前までは腐ってた自分には不可能だった言葉を言ってくれた。

でもその言葉と同時に
「…と言うことは世帯主は君、ルールはもうこっちのもんだ。」
と、引っ込んでいた自分やらしがらみを解放してくれるような言葉もくれた。

「へへへ」
なので今では生活中心は自分にありです。
親の言うこと聞くのが親孝行ではないし、それにいつまでもスネはかじってらんないしね。

だけど育ててくれた恩は一生もんだから、自分の城で思いっきり余生を楽しんでもらいたい。
そう思って明日も僕は弁当を作るのさ。



独りよがりの生活じゃ、やっぱ「ありがとう」とか感謝の言葉と態度を忘れてしまう。
喋る相手とか向き合う相手がいてこそ生きてるなって思うんだね。

ツンケンして威嚇するような態度取るよりも、弱いとこ見せて「助けて」って言った方がいいや。
でも強がれんのは支えてくれる人がいるからこそなのよね。




今日の昼、仕事中に周りが驚いた声をあげてた。
「ひえーーー!!蜘蛛ーーー!!」

僕はとっさに素手で蜘蛛を包み込んで窓から外へ投げようとした。
だけど思うようには行かねーでやんの、蜘蛛は僕の足元に着地した。

前脚を上げて僕を威嚇する。

「オレ、こんなでかいの目の当たりにしたら絶対に降参するよなぁ…こんなちっこいの1人で立ち向かおうとして、お前強いな。」
と心の中で思った。

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