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げつお的音楽日記10/15

この日の朝は少し難儀なものだった。

母親が入院している病院に行って、今後の話をするからだ。

基本的にライブの前にしょうがない予定以外は組みたくないので、ゆっくりしたかったけれども致し方ない。

僕の事がわからなくなったり、認識が甘くなるほどの脳炎を患った母にとって、子供とはなんだろうかと
元に戻ることはないけど、少しでも思い出して欲しいと願った。

人は忘れられることが一番の寂しい出来事なのかなと空を眺めた。




その後にGolden Pigsに向かう。

バンドではなく、この日はソロでの出演。

事務所のドアをノックする。

メンバーが居るってやっぱり心強くてさ
1人で事務所に挨拶するのは20年近く経つのにはまだまだ緊張している。

「おはようざいます!よろしくお願いします!」
スタッフのみんなにお辞儀、その後言葉翔さんと一服。
いつもの流れでタバコを吸いに行く。

翔さんとはもう高校生の頃からの付き合いだな(しみじみ)


「もう結構寒いのに、短パンってヤバいなw」
と翔さんが笑う。

緊張が少しずつ解けていくと同時に、この夏暑すぎて持ってる全てのパンツの膝から下を切ったことに恥ずかしみを覚えた。

しばらくするとギターを担いだ青年が事務所に入ってきた。

From仙台 “kento”

初めましての後、少し話をした。
人柄があったかくて、どこか乙女なところが垣間見れた。

彼は脱サラをして全国自力で回っているとのことで、昨今ではなかなかないパッションを持った人だ。

僕の遠征とかツアー場合は他県へ行って地元に帰っての繰り返しだったから
自分の芸術に全振りしている人は心からかっこいいと思う。

その後楽屋へ案内をして自由時間。

他の共演者は平成ヤング多めで、楽屋ではヤングなトークが炸裂していた。

昭和組は傍観していた。



本番、MAI-YANから始まる。
喉の諸事情により、2ヶ月ほど歌をお休みしていたんだけれど
「やっぱライブっていいですね」
って純粋に涙を浮かべていた姿に心打たれた。
色々言われたり葛藤しただろう。
でも復帰できて本当嬉しかった。

自分の番、この日のテーマは、縁。
昼間の寂しさを少し引きずっていたのもあって、人と会う事ってなんだろうなって考えながら演奏していた。

仲良くなった県外アーティストに「久しぶり!」って言いたいのに、気づくとライブハウスから遠ざかり、再会が難しい人が多くて
それを繰り返したくないがためにわがままを交えて気持ちを吐き出した。

お客さんも、久しぶりにお会いできた人もいて、急遽予約入れてくれた久しぶりに会う子もいて
「今」の自分を見せたいと必死だった。



トリはkento君、人柄が出ていた。
ルーパーを使うテクニシャンは、テクニックと引き換えに歌そのものの温かみを置いていく人が多い(自論ですよ)と思っていたけど
終始あたたかかった。

現場はkento君におかえりと言い
「ただいまと言えるのが本当に嬉しい」
って彼は言っていたね。

ライブ中の出演者同士のヤジとか身内ノリは嫌いな方であるけど
この日は彼が愛されているのを見てほっこりした。


僕、MAI-YAN、kento君。めちゃ恋バナした。


その後はいつも通り打ち上げに参加しまして
日が変わるくらいで僕は帰路に立ちました。

次彼に会ったら「おかえり」って言えるように僕もライブハウスのクソガキを続けて行こうと思います。



追伸

石内裕之こと、ゆっきーと初めてちゃんと話しができて良かった。

「人の生と死に向き合ってる背景が見えました」
と言ってくれた。

この人はしっかりと自分以外もライブを見ている人だ。
なにより全て丁寧にやって仕草が綺麗なんだよな。

ダンスもカッコいいんだけど
マイクを持ち変える素振りが痺れるので

「おれもあれやりたい!」
って恋人に伝えたら

「お前はやめとけ」
と言われました。ぴえん。

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