福岡インディペンデント映画祭2024【コンペ作品紹介 その⑤】(9月7日(土)-P2)
ご挨拶
このnoteをご覧いただいてありがとうございます!
福岡インディペンデント映画祭(FIDFF)実行委員の太田です。
FIDFF2024で上映されるノミネート作品の解説や見所ポイントをお伝えしています。
今回は、コンペティション部門上映2日目、9月7日(土)の第2プログラム(13:00~15:10)
『ヨビとアマリ』
『深骨』
『たまには蜂蜜を。』
『ミヌとりえ』
の4作品をご紹介します。
『ヨビとアマリ』
日本 2024年制作 11.15min
アニメーション・九州プレミア
映画祭スタッフ推しコメント:
修了制作とは信じられないほどの完成度。「自分の存在価値って何?」という普遍的なテーマを見事にエンターテイメント化。声優の選考や息をのむ楽曲とアニメーションの完璧なシンクロなど、計算し尽くされた脚本の良作。
作品あらすじ:
プレイング・カードは両手に収まるほどの小さく華やかな舞台。 54”枚”の役者たちは机上で日々お客を楽しませていた。 一方、代役の白紙であるヨビとアマリは舞台裏で練習するだけの日々に閉塞感を感じているが、ある事故をきっかけにダイヤのジャックが焼失してしまい…?
アニメーションの魅力の一つは、映像自体の気持ちのいい動きだと思います。
この作品は、圧倒的な画力と構成力、キャラクターの動きやストーリーと音楽のシンクロで、アニメの面白さに溢れています。
テーマも、自分のアイデンティティや生きる意味など、共感できるストーリーです。
比留間 未桜監督は、『メモリメモ』という作品でFIDFF2022に入選しており、連続での映画祭上映となりました。
今年、筑波大学大学院を卒業され、また新たなステージでの創作活動を始めています。
比留間 未桜監督の次の作品も期待してしまいます。
『深骨』
日本 2023年制作 30.00min
ドラマ・俳優賞ノミネート
映画祭スタッフ推しコメント:
すこしフシギな青春を覗ける作品。
クセになるキャラと美しい映像で、素敵な短編小説を読んだような気分になれます。
作品あらすじ:
夏休みの高校、そこに一人ぼっちの女子生徒がいる。 寄り添おうとする女教師にも心を開かない。そんな女生徒が出会ったのは校庭の隅でコウモリの死骸を煮る生物教師だった。それは骨格標本を作る過程の作業だった。生物教師に興味を持ちはじめる女生徒、一緒にネズミの骨格標本を作ることになる。そして女生徒は骨を愛でる意味を知る。生物教師は女生徒がなぜ一人ぼっちなのかを知る。
誰もいない学校で、深い深いプールの底から、つながりを求める孤独な魂たち。スタイリッシュな映像で、骨格標本作成という特異な世界が展開する奇妙な夏休みムービー。
骨格標本作りに没頭する風変わりな生物教師を演じた根津茂尚さんは、俳優賞候補にノミネートされています。
『たまには蜂蜜を。』
日本 2023年制作 20.00min
ドラマ・九州プレミア・俳優賞ノミネート
映画祭スタッフ推しコメント:
久しぶりに再会した兄弟の気まずさや、会うなりケンカ腰になってしまう母との歯がゆさ、 それでも家族でいつづけたいといういじらしさと困難さを1カットで一気に活写した意欲作。 蜂蜜は百薬を和すらしい。
作品あらすじ
台所に朝日が差し込む。 冬という事を教えてくれているかのように お湯を沸かし立ち昇る水蒸気が やかんの注ぎ口からたくさん出ている。 いつもの朝の光景⋯ そこへ3年振りに弟が帰ってくる。 夢を追い家族から離れた弟 想うがゆえに静かに見守ってきた兄 そんな家族を愛で包み込んできた母。 それぞれの想いがぶつかる。 オープニングからエンディングまで 全編ワンカットで挑む 1人1人の愛を映し出すヒューマンドラマ。
3年ぶりの気まずい弟の帰郷を、全編ワンカットという大胆な手法で挑んだのは、俳優をしている邉拓耶監督。驚くべきことに、今回が初監督です。
俳優としても、複雑な気持ちを持ちながら弟を応援する兄を好演し、俳優賞候補にノミネートされています。
『ミヌとりえ』
韓国 2022年制作 26.18min
ドラマ
映画祭スタッフ推しコメント(抜粋):
優しく穏やかで静かな映画。二人の姿に監督の想いを感じる。
作品あらすじ
亡くなった祖父が残した手紙を携え、韓国の群山という町にやって来た日本人のりえ。 群山は祖父の故郷であり、昔建てられた日本式家屋がまだ残っている町である。 りえは祖父が書き残した手紙の受取人である木村敬子という人を探そうとする。 しかし手紙に書かれていた住所は古い住所であったため、簡単には見つからない。 それに木村敬子という人物がまだその住所に住んでいるのかも分からない。 それでもりえはゲストハウスで出会った韓国人の青年ミヌの助けを借りながら、手紙を届けるために木村敬子という人物を探して歩き回る。 そしてりえは日本統治時代の群山に暮らしていた祖父の秘密を知ってしまう。
福岡でこれを上映しないわけにはいかないと思う一作。
両国の歴史や文化が交わる、いいストーリー。
丁寧な撮影や編集、主演の二人りえ役イ・ジスさん、ミヌ役ペク・ゴニさんの演技力、物語の舞台、群山のロケーションも良い。つまり、全部いいんです。そんな最高の短編を作り上げたのは、東京在住の全 辰隆 / Chun Jinrung監督。
国内外の映画祭で数々の賞に輝き、ついにFIDFFにやってきます!
どの作品も見逃せない作品ばかりです!
開催日程
16周年となる今年は、
8月31日(土)ZERO day として
「福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ」にて開幕
福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ(福岡市早良区百道浜3丁目7-1)
9月6日(金)~8日(日)より
コンペティション部門ノミネート作品、および特集上映を
「福岡市美術館ミュージアムホール」にて
上映いたします。
福岡市美術館ミュージアムホール( 福岡市中央区大濠公園1-6)
次回は、福岡インディペンデント映画祭2024【コンペ作品紹介 その⑥】(9月7日(土)-P3)
『ヒコットランドマーチ』
『コラン・ド・プランシーの万年筆』
『フューチャー!フューチャー!』
の3作品をご紹介します!
では、また!