福岡インディペンデント映画祭2022 作品紹介 その⑬(1106-P3)
11/6(日)第3プログラム(14:15~16:20)
'自主映画のトップランナー② 谷口雄一郎監督、野本梢監督'
「自主映画のトップランナー」第2弾は『純子はご機嫌ななめ』(fidff2011・40分ムービー部門グランプリ)『ゆびわのひみつ』(fidff2013・20分ムービー部門グランプリ)などの谷口雄一郎監督。
そして『私は渦の底から』(fidff2015・レインボー賞)『愛のくだらない』などの野本梢監督の作品を連続上映。
両作品ともに俳優賞を受賞した中村更紗さんが出演しています。
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『あのこを忘れて』(監督:谷口雄一郎、57.13min)
『ゆびわのひみつ』『Selfish.(ButKind)』など、繊細な演出と画の美しさで多くの人を虜にしてきた谷口雄一郎監督。今作もそれらは健在で、特に春木康輔さん(『岬の兄妹』『本気のしるし』など)の撮影・カラーグレーディングが印象的です。
「抗ウイルス薬の副作用による忘却」という、時勢に乗った派手な展開にもできそうなSF的設定が下敷きにありながら、終始抑え気味の感情表現とセリフによる各カップルのコミュニケーション描写に唸らされる。手練の味。
『彼女たちの話』(監督:野本梢、54.49min)
今年のコンペ上映のトリは、いま注目すべき監督の筆頭、野本梢さんが笠松七海さん、中村更紗さんら素晴らしいキャストと共に撮った傑作。
ある少女の目から見える世界の現実。淡々と進むのにグイグイ引き込まれ、終わった後はしばらく言葉が出ない、そんな映画です。野本監督の作品は九州でなかなか劇場公開されないので、この機会にぜひご覧ください。
文:大塚 大輔(プログラミングディレクター)
福岡インディペンデント映画祭2022は、11月3日から6日まで開催されます